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理科の雑学㊻【魔法瓶が熱を通さないのはなぜ?】

 冬の寒い日に暖かい飲み物が飲めて、夏の暑い日に冷たい飲み物が飲める魔法瓶。

 魔法瓶が熱を通さないから、中の飲み物の温度を保つことができる。


「真空の空間があるから熱を通さないんでしょ」という声が聞こえてきそうです。

 その通りです。簡単でしたね。

 

 「ちょっと待ってくれ!

  宇宙って真空のはずなのに太陽の熱が伝わるではないか!

  矛盾が起きているよ~!」


  確かに・・・


 熱の伝わり方に3種類あることを知っていればこれが矛盾でないことに気が付くと思います。

 熱の伝わり方は、
・伝導
・対流
・放射
 の3つです。

 伝導は、お湯の熱がコップに伝わり、その熱が手に伝わるといったような直接触れ合うもの同士で熱が行き来すること。

 対流は、下から鍋を熱すると鍋の中の水が移動して温まるといったような熱をもったもの自体が移動する熱の伝わり方のこと。

 放射は、ストーブなどに手をかざすと熱が伝わってくるといったような、熱源から放射される赤外線を吸収することで熱に変わるという熱の伝わり方のこと。


 太陽の熱の伝わり方は「放射」です。

 放射は、光エネルギーとして伝えるので、真空を通っても熱を伝えることができます。


 一方、水筒は、中の飲み物と空気が水筒の壁を介して「伝導」によって熱が伝わります。そのため、真空にすると熱が伝わりにくくなります。

 しかし、魔法瓶の中の熱い飲み物からは赤外線も出ています。

 この対策としては、金属の反射によって赤外線の持つ光エネルギーが失われることを防ぐ工夫がされているようです。

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