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退勤

仕事終わりは酒の事しか考えてない。
「どこで呑むか」
「何を肴にするか」
「何をしながら呑むか」
酒を呑むことをベースに様々なパターンを考える。

そんなパターンも大概は
「美味しい食事と呑む」
「映画を見ながら呑む」
「お笑いを見ながら呑む」
「動物を見ながら呑む」
このパターンになってくる。
誰かと飲むのが嫌いな訳ではないが、飲むなら1人か少人数。
3人以上は気を遣ってしゃーない。

酔っ払って、はっちゃけたいわけじゃない。
誰かと喋っていたい訳じゃない。
自分のペースを崩さずにダラダラと溶けていきたいのだ。

今ちょうど行きつけの店におしゃべりなお客さんが入って来た。
僕の隣に席を取る。
この人とは一度しか話した事はない。
あー、話しかけられる。
なんて返せば良いんだ。
何話をすれば良いんだ。
何故こんなに気を遣ってししまうんだ…。
こんなやつに俺の世界を邪魔されるのか…。
別に気にしなければ良いだけなのに…

勝手に自分の中でぐるぐると負の思考が回ってしまう。
邪推だ、悪い癖だ。

あぁ、だから家に帰ればよかったのだ。
何度も見たセリフを空で言える映画を見ながら溶けて行きたいのだ。
可愛い動物の動画を見ながら酩酊して行きたいのだ。
何度も見たドキュメンタルを見ながら気絶したいのだ。

結局気を遣いながらその人と閉店まで呑んだのだ。

でも、大丈夫。
大丈夫大丈夫。
僕は今日は無敵なんだ。
今日は金曜日
明日は上野で映画を見た後に動物園に行き、大好きな立ち飲みさんに向かうのだ。
3人で。

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