【解説】現役コンサルが説く、議事録の書き方
みなさんこんにちは、kokoです。Big4でコンサルタント経験者である私が、実際の現場で見聞きした生き生きとした(時には生き生きとし過ぎた)情報をみなさんにお届けしています。無料でも有益な情報をお届けできるように執筆していますが、より生々しい現場の経験についてはオーディエンスを絞らせていただいています。
今回は、議事録の書き方について解説したいと思います。「議事録 書き方」と検索すると様々なWebサイトが出てきますが、抽象的なものが多く、実際の手引きが書かれているケースは少ないのかなという印象を受けました。そこで、こちらの記事では、「議事録を実際にどう書くのか」「議事録作成能力を上げるためにはどういうポイントを押さえればいいのか」を解説します。量をこなすことが大切なのは言うまでもありませんが、コツを押さえながら訓練するのとそうでないのとでは上達のスピードに大きく影響します。
私自身、周りから精度の高さを褒められるレベルの議事録を、会議時間に関わらず会議終了後5分程度で完成させられるくらいのスピード感で日々仕事をしています。0からここまで上達した私の視点をぜひ信じて読んでいただければ嬉しい限りです。
そもそも議事録とは?
会議があれば誰かが議事録を取る、という一連の流れはもはや当たり前過ぎて、その目的や背景について立ち止まり考える時間がない方が多いのではないでしょうか。議事録マスターになるためには、今一度その概要を振り返っておきましょう。
概要
Google先生に聞いたところ、以下のように教えてもらえました。
会議の記録であり、成果物として社内外に回覧されるもの、というところですね。
では、私たちはなぜ汗水垂らして議事録を作成するのでしょうか?
目的
こちらも天下のグーグル先生に教えていただきました。
言い得て妙、この通りだと思います。これらを私の理解に落とし込むと、議事録作成の目的は2つに収斂します。それは、議論内容の認識合わせと議論内容の共有です。明文化することにより「結論はこうでしたよね?」「ネクストステップはこれですよね?」と改めて理解を擦り合わせる機会を創出し、参加者それぞれの頭の中にある理解が集合知となり、同時に正確な記録であることの合意形成ができます。また、会議参加者以外への情報共有が可能になったり、会議参加者であっても後々会議をクイックに参照できることも議事録作成の目的です。
議事録の書き方とは?
議事録の生態と目的を踏まえた上で、議事録がいかにして生まれるかをみていきましょう。とはいっても実はプロセスは至ってシンプルでして、テンプレート項目を穴埋めするだけです。
テンプレート項目とは?
先にも触れましたが、議事録とは会議の記録です。会議はよくある以下のような項目で構成されますので、それを記録すれば議事録が完成するわけなのです。そのようなよくある項目を「テンプレート項目」とここでは呼んでいます。
開催日程(日付・時間)
開催場所
参加者
使用した資料名(Wordに埋め込んだりメールに添付すると便利)
決定事項
To do(担当者も併記)
議事
「使用した資料」「決定事項」「To do」は該当がない場合もありますが、それ以外は会議の内容をもとに穴埋めしていきます。
「議事」はどうやって書く?
確かに穴埋めしていけば議事録が完成しそうなのはわかったが、肝心の「議事」はどうやって穴埋めしたらいいのでしょうか?「議事」以外は客観的事実をそのまま書き落とせばいいので割と単純だと思いますが、「議事」は以下を意識することが必要です。
アジェンダごとに章立てする
アジェンダ内でトピックごとに分ける
議論の全てを記録しない
まず押さえるべきは、アジェンダごとに章立てすることです。(そうでない場合も多々ありますが)会議というものは目指すべきゴールがあり、それを達成するための構成要素であるアジェンダが事前に設定されています。ですから、アジェンダごとにカテゴリを分けてあげましょう。
議論が右往左往に広がりアジェンダA→B→D→B→A→Cのように順番通りに進まないことも多々ありますが、アジェンダAの議事はA章、アジェンダBの議事はB章といったかたちで章の構成を優先させることをお勧めします。
そして、アジェンダの中でもさらにトピックやサブトピックに細分化されることもあると思います。それもトピックごとに分けると読者フレンドリーです。例えば、プロジェクトのキックオフミーティングにおいて定例会議についてというアジェンダを協議していたとします。定例会議には、月に一度だけ役員を招集する重めの会議もあれば、週3回現場のメンバーが集まって進捗報告をし合う会議もあり、それぞれで目的や参加者などが異なります。そういう場合は、「定例会議の設定のご相談」というアジェンダにぶら下がるかたちで、「役員報告会」「進捗確認タッチポイント」などトピックごとにカテゴリわけし記録すると構造化された議事録になります。
最後になりますが、会議での会話内容を全て記録する必要はありません。リアルタイムの議事録作成が間に合わないために会議音声を録音しそれを再生しながら議事録を作る方を多くお見かけしますが、音声通りに書き起こされたそれは残念ながら議事録ではなく発言録です。
例えば、何かの資料を説明しそれに対しフィードバックをもらうような会議であれば、資料の説明部分は「※資料内容と重複するため割愛」とし、フィードバックをもらうところから議事録作成を開始すればいいでしょう。また、議論が永遠に続いた後に結論に着地した場合、それを完結に要約し書き落とせばいいのです。
「決定事項」と「To do」の違いは?
こちらももしかしたら腹落ちが難しいかもしれませんので解説します。ざっくりですが以下のように理解いただければと思います。
決定事項:会議体・プロジェクト・組織などの大きな方向性
To do:担当者と明確なゴールが特定できるタスク
例えば、
決定事項:プロジェクトAの定例会議は、本日の会議メンバーで毎週水曜日の10:00〜11:00に開催する
To do:プロジェクトAの定例会議を設定する(Owner:XX)
といった具合です。プロジェクトのゴールを達成するために、毎週1時間集まるという方向性を決定し、それを実現するために担当者が実際に日程調整をして会議を設定するというタスクが発生しています。決定事項とTo doは似て非なるものですが、情報共有の要に当たる部分ですので、棲み分けができるまで腹落ちすることをお勧めします。
なんとなくイメージは湧いてきたでしょうか?先に挙げた例をもとに架空の議事録を作成してみたので、腹落ちしない方はビジュアルからも理解を深めるよう頑張ってみてください。
議事録スキル上達のためのコツは?
さて、議事録マスターになるためにここまで読んだあなたに残されたのは、ひたすら量をこなすことです。ですが、盲目に訓練するのではなく、コツを押さえた上で練習した方が上達も早くなるものです。ここでは、日々コンサルタントとして精度の高い議事録を作成し続けている私が思う、押さえるべきポイントをご紹介いたします。ズバリ以下3つです。
積極的にファシリテーターになる
事前に仕上げられる部分は仕上げる
メールを活用する
ちなみに、タイピング速度を上げるというアドバイスもよく言われることですが、それは大前提条件だと個人的には考えますので、この場では割愛します。無料サイトで練習することができますので、正確かつ早くタイピングできるように訓練してみてください。それではコツの具体的な内容を見ていきましょう。
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