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2019.8.7 TWICE PLAN SUMMER SCHOOL 2019

中高生向けのイベントにお声がけいただいて見学してきました。

TWICE PLAN について

TWICE PLANは、株式会社トゥワイス・リサーチ・インスティテュートが
提供している学校向けのキャリア教育/PBLプログラムです。
ワークブックを元に、人物研究や企業の課題解決、学校紹介ムービーの
作成などに取り組みます。年度末には、各学校から代表の生徒が集まり、
同じワークに取り組んだチームで発表を行いグランプリを決める
全国大会も行われています。
SUMMER SCHOOLは、TWICE PLAN のワークを実施している学校の
希望者を対象としたプログラムで、いくつかの講座の中から2つを選び、
他の学校の生徒と一緒に簡単なグループワークを行ったり、学校で
ワークに取り組む上での刺激になるような話を聞くことができたり
するものでした。

ホールに集合してのオープニングでは、「楽しく学んだらそこにもう
探究がある」というこの日を象徴するキーフレーズが発表されました。
その後、企業の方による説明と3つのスキルワークから、それぞれ
希望した講座を聞きました。

希望者ということで、やる気のある生徒が参加しているからか、
友達と相談して同じ講座を選ぶのではなく、「後で教えてね」と
別の講座に分かれて行く様子が見え、頼もしく感じました。
グループで集まったときも、気軽に周りに話しかける生徒がいて、
初めて出会った者同士とは思えない笑いが起こっていました。
イベントとしてもよく練られていて、楽しく学べる環境が準備されて
いたと思います。

学校行事の目的

最近は学校のあり方が多様になってきていますが、学校における
行事の持つ意味合いも以前と変わってきているのではないかと
感じることがあります。
伝統的なもの、学校独自のもの、お楽しみの要素が強いもの、
勉強の要素が強いもの、安全なもの、挑戦を伴うもの、手軽なもの、
手間や時間のかかるもの、などいろいろな観点からその行事の持つ
意味を語ることはできると思います。それぞれに導入された理由が
あり、価値があり、人それぞれの思い入れがあるのが、行事を変更や
削減することの難しさにつながっていると感じます。
例えば観光メインでやってきた修学旅行を進路的観点から大学見学に
シフトしようとすれば、中高生のうちに京都・奈良を見に行く意義を
語る人がいると思います。合唱コンクールや球技大会を廃止しようと
すれば、クラスで一丸となって取り組むことの大切さや、行事を
通じての個々の生徒の成長が話題にあがるでしょう。

ひとつひとつの行事に意味があるからこそ、その意味を大切にする
ためにも、ねらいや目的を意識することが大事だなと思います。
その行事は、「今」の学校の現状に合っているのか、生徒の「未来」と
関連してどのような目的があるのか、考えられる仲間を作りたいと
思います。

「楽しく」、「学ぶ」ということ

私自身は、「遊び」の要素がある行事に否定的でした。模擬店を並べる
文化祭の意味がわからないし、遊園地は行事で行かなくても、行きたい
人が友達同士で行けばいいと思っています。

SUMMER SCHOOLで、「楽しく学んだらそこにもう探究がある」と
聞いたときは、言いたいことはわかるけど、でもそれは少し違うのでは
ないか、と感じました。
目新しい活動を入れて楽しい時間を過ごしても、探究が目指す思考の
深まりにつながるとは限らないと思うので、楽しく学べばオッケー、とも
聞こえるこのフレーズに違和感があったのだと思います。
どんな行事にしたい?、とクラスに問いかけたときに、「楽しみたい!」と
返ってきたときの残念な気持ちと重なるものもありました。

でも、生徒の様子を見て、講座を見学して、「楽しく学ぶ」ということに
対しての自分の考えの浅さに気付くことになりました。
funとinterestingの違い、幼児期の遊びと学びのこと、そんなことを
知識としては持っていたはずなのに、楽しい、ということをその場限りの
盛り上がりと思っていたのは自分も同じでした。

知識を与える以外の、学校だからこそできることを考えたとき、
「自分からはやらないようなことを友達と一緒に経験する」
「日常生活では気にしていなかったようなことを知る」
「少し年上の先輩と一緒に背伸びして活動する」
といったことを授業や行事で取り入れたいと思っています。そこから、
一人ひとりが自分なりの学びを見つけられるようになってほしいと
思います。
今回のイベントでは、全体を通して、「生徒たちにとって楽しく、
新たな出会いがあり、普段の生活とは違う学びがあって、その刺激を
元にいろいろ考える、探究がある」ということが成立していて、
こういう経験をすべての高校生にさせてあげたいな、と感じました。

そもそも、「学ぶことは楽しい」はず。
大人が「学ぶ」ことや「楽しい」ことにバイアスをかけてしまわない
ようにしたいと思います。

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