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リトルウィッチノベタはずっと私のターンをするゲーム

・相手をぶん殴って魔法を叩き込め!


 リトルウィッチノベタ……魔法少女ものっぽいこのタイトルからして朝アニメか深夜アニメっぽい雰囲気が漂っているが公式もファンも、
「ロリダークソウル」
という二つ名をもちいている。

ロリというのは少女ということ。
ではダークソウルとは? というと、フロムソフトウェアから発売されている『Demon's Souls』または『DARK SOULS』シリーズのことを指す。
またそのような雰囲気や似たようなシステムのゲームのことを『ソウルライク』と言う。
このゲームたちはダークファンタジーの世界観で重々しく高難易度の作りとなっていて死に覚えゲームとも言われている。
逆に言えば死ぬことで覚えられる上レベルや装備で押し切れる瞬間があるためついついやり込んでしまうのが特徴だ。

これはこのゲームを語る上で大事なポイントなので前置きさせて欲しいがココに見に来る人はほぼ知っているだろうからここまで読み飛ばして構わない。
 
 早速本題にはいるのだが、
ソウルライクという言葉に惑わされず買って良かった!!
というのが全てだ。
前置き全部崩壊してしまった!

だが良いのだ。
実は開発者側としては十分ソウルライクとして作っているフシがあり、そこが伝わるのでこのゲームはソウルライクの1つだ。
そしてこのゲームの面白さはソウルライクを感じながらソウルライクの苦しさを出来得る限りごまかしている(なくなっているわけではなくうまく慣らされるというのがただしい)ことだ。

 ソウルライクの基本的部分は陰鬱な空気感、意思のない敵たち、たまに現れる意思のあるものはボスとして立ちふさがる……
どれも敵が強く雑魚にも囲まれればあっという間に死にボスはとてもタフで上からこちらを叩き潰してくる。
敵を倒すと手に入る経験値のようなものは通貨にもなりアイテムを買えて、ステータスをひとつずつパラメータごとに上げられるが、死ぬとその経験値をまとめて落としてしまい回収しなければ消えてしまう。

ではリトルウィッチノベタはというと。

『すごくかわいらしい少女が』陰鬱な空気感の古城を歩み、『デフォルメされた人形や幽霊が』意思なくこちらを襲ってきて、『言葉を交わしてくる意思のある敵』たちと戦い『こちらに想いを託してくる』。
どれも敵が強いが『そもそもこちらも強くうまくこなせれば、集団を溶かし』、ボスは叩き潰してくるが『弱点を理解すれば激しい殴り合いが可能』。
敵を倒せば手に入る経験値は『死んでも減らない。ただし呪われた回復アイテムを使った後に死ぬと少しずつ無くしてしまう』ようになっている。

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△これがソウルライクだとはとても思えない光景


原型は残しているのに噛み砕き方が凄いのだ。
ちゃんと作者が咀嚼して自分のモノに昇華したものを出してきている。
ロリダークソウルと聞いて『ハイハイ面倒なだけのゲームをやって高難易度ゲームやれるオレスゲーって気持ちよくなるうえ女の子使うキモオタ向けゲームでしょ』となってしまった人ほど立ち止まって欲しい。
そもそも難易度をイージーにも出来る。
これは多くの人にソウルライクゲームを楽しんでもらおうとよく練られたゲームなのだ。
ただし本作はアーリーアクセスである。
まだ荒く見える部分や誘導が少なくて混乱する部分があるためここからは手引やら感想やらを書いていきたいと思う。

そんなの読んでられないという人のためにこのゲームのコツを言うと、
相手をぶん殴って魔法を叩き込め!



・最難関の序盤



 当然ここから先は多少のネタバレを含む。
まっさらな状態でやりたい人は気をつけつつゲームやりながら見てね。
ヒントを探しに来た人はガッツリ読んでね。

 このゲーム、もっとも心を折られやすいところがどこかといえば、最初である。

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△たぶん作中で一番見るシーン


ちゃんと真面目にタイトルを読んだ人は『魔法少女』としてここにきた自分はその弱々しい肉体と強烈な魔法で敵を倒していかねばならない……
物理攻撃は敵を追い払うために使い慎重にこの古城を進んでいかねばならない……と。
そして叫ぶのだ。

うわこの魔法使いづら!!


△これこれ。公式動画だと使いやすそうだが……


そしてこの先に底知れぬ不安をいだきズルズルと脱落してしまう……
だが安心してほしい。
このゲームにはやり方があるのだ。
まず彼女のことを『魔法少女』だと思うことはやめよう。
さっそく何言っているのかと思うだろうが彼女は全身に魔法の重鎧を着込みつつ杖っぽいロングソードを持って回避性能+3のスキルを持っている。
違うゲームが混ざってしまったがつまり『ローリング中はずっと無敵』だ。
ロングソードは相手を殴るためにある。
盾がないので両手持ちだ。
それで相手が来たらこっちから近づいてぶん殴るのだ。
喰らっても重鎧を来ているので十分の一程度しか減らない。
大半の攻撃はローリングでバンバンよけられる。
あとキミは弓矢《アーケイン》も持っている。
この弓矢《アーケイン》を使って名の魔法はすっごいエイムがブレる。
おそらくこれでみんなが心折れるのだが……
素晴らしい解決方法がある。
相手をロック(カメラ追尾化)する、近づく、ゼロ距離から放つ。
そう。
これでいい。これがいい。
そうキミは『戦士ノベタ』なのだ!
さらに回避のためのスタミナと力のための筋力は大事で最優先で伸ばしたい。
筋力が伸びるとなんと『エイムブレがなくなる』のだ。
これに気づいたときには感動した。
さらに弓矢《アーケイン》を使うのに必要な魔力は敵を殴ることで回復するのだが筋力を伸ばせばこの値も伸びる。
そう。
難しいことは考えずローリングで敵の懐に飛び込みぶん殴ってたまに魔法を放てば良い。
これがこのゲームの基本戦術なのだ!

 だがそれを見越して試すかのようにボスがやってくる。
なんと大盾を持っている。
これは戦士ノベタには強力な敵だ…
殴っても防がれる相手……どうすればいいのか……そういえばさっき何か聞いた気がする……
そうだ!
この弓矢《アーケイン》は力を貯めると貫通矢《ためアーケイン》になるんだ!
このゲーム最大の特長として詠唱破棄とフル詠唱がある。
詠唱破棄をすれば初期の魔法だと矢が放たれる。
フル詠唱だと強力な貫通矢が出るのだ。
しかし真なる詠唱破棄というものがさらに存在する。
なんと『避けたり殴ったりすれば一瞬で詠唱完了する』というものだ。
このゲームの真骨頂はこれだ。
敵の斬撃を唱えつつローリング出避けるとすぐに詠唱が溜まる。
外さない距離まで近づきぶっ放すと盾を貫通してダメージ。
怯んだところに詠唱しながら殴ってMP治しつつ高速詠唱。
盾を構えたらまたローリングで攻撃を避け溜まったら放つ。
ノベタの最大の魔法こそこのローリング無敵タイムだ。
相手に実質何もさせずに勝利をおさめられるのだ。
敵をロックオンすることを忘れないように。
でないとカメラ操作が大変だ!
この戦法こそが今後の基本的な動きとなる。
スキを見て叩き込むというより『スキを作り叩き込み避けまくってまたスキを作る』のだ。
激しい戦いこそノベタ流闘争術だ。




・革命的魔法ホーミングミサイル




 最初の大ボスをなぎ倒しさらに進んでいくことに。
そうするとなんとも面白い技術を手に入れる。
パリィである。
あの敵に合わせて攻撃を跳ね返す技だ。
攻撃ボタンを敵の攻撃に合わせ押すだけとお手軽なのも良い。
タイミングがシビアなので練習がいるがその先ですごくゆっくりとした人形がいるので遊び相手になってもらおう。
魔力回復大に詠唱即時チャージと良いことづくめだがパリィなのに怯むのはこちら側なので気をつけよう。
ここから直接反撃にはしづらい。
硬直をあまり放っておくと敵の次攻撃を食らうのでローリングなんかでキャンセルしよう。

 さらに進めばそこには文明の利器が置いてある。
SMG《アイス》である。

△とりあえず使えば間違いがない魔法


敵に向かって放てばバリバリと蜂の巣にしてくれる。
戦いは変わった。
しかし革命はこれでは終わらない。
フルチャージしてから放つとなんと空からのホーミングミサイルを支援要請してくれるのだ。
ホーミングなので『敵を複数ロックオンする』
これはここまでやった人ならば革命なのがよくわかると思う。
複数体でもロックオンできて敵の方すら見ずに放てばみんな空から降り注ぐ飛翔体《ためアイス》でエイムいらずに死ぬのだ。
さらにチャージ完了していれば怯むことはなくなり炎への完全耐性がつく。
これは今後も重要な命綱になる……
そう思わせるには十分な能力だ。

 まるで魔法のような能力を手に入れ軽快にボスまで進むと意識のある人形と対峙することとなる。
このボス最大の特長はなんと自身を覆うように上側を攻勢鎧で覆っているのだ。
改革的力に対して努力を怠らない敵側に天晴だ。
選択肢は2つ。
がら空きの正面に対して貫通矢を放つか多少ゴリ押しでも空から降り注ぐ革命力を使うか。
選択は自由だがどちらにせよ敵の懐に潜り込み魔力補給という名の殴りと高速詠唱を忘れずに。
なお自分はゴリ押しした。
ゴリ押しして敵を殴ると相手は倒れる。
見事倒すと相手から願いを託される。
このゲームの良いところは少ない会話ながら心が通じ合い託されたものを背負っていく感覚だと思う。
まだまだ歩んでいこうという気概が生まれる。



・基本に立ち返ることこそが最強の力なり




 今度はいかにもマグマという場所にやってかたノベタ。
こちらのHPが100〜200ぐらいなのに対してマグマダメージは6000ダメージを叩き出す。
ダークソウルみたいに頑張ればマグマの上を一瞬駆けられるということはないので今の時点では諦めよう。
なお敵にも同じぐらいダメージが入る。
つまり叩き落とせば……
ダッシュアタックはちょうど吹き飛ばしやすいのでたまには狙ってみるとおいしいかもしれない。

 熱い場所では熱い能力。
ショットガン《ファイア》を手に入れられる。

△敵を蒸発させる


近距離の敵に対して使えばまさしく溶ける。
そして詠唱をすることで今度はロケット弾に化ける。
ロックオンした相手に向かって飛んでいき当たれば大爆発が巻き起こる。
都合よく敵が固まっているところに撃てば大事故が起こるぞ!
しかしこの魔法の真骨頂はそこではない。
この魔法がフルチャージ中に起きることそれは……
ロングソード《》がファイアエンチャントする。
炎のロングソードだ。
近接攻撃の攻撃範囲が倍近くになり威力が跳ね上がった近接攻撃を叩き込める。
そうこれこそが最強の近接魔法なのだ。
戦士ノベタここにあり!
さらに進んでいけば既存魔法の強化が出来る宝箱も隠されている。
特に初期の弓矢《アーケイン》なのだが……
強化することでチャージしたゲージの消費を抑えられると書いてある。
これだけだと分かりづらいが貫通矢《ためアーケイン》が実質2連射可能になる。
ただこれだけだと使いづらいよね。
どこかにやたらでかくて動き回らない敵がいないかなー!!

 そんな想いを抱きながらボス部屋へ行けば少し大きいけれどクマベアーぬいぐるみに乗って激しく動く意識のある人形と対峙することに。
この時相手は上に乗る。
相手の得意魔法は炎。
そうだね。飛翔体《ためアイス》だね。
存分に相手の頭を冷やしてやる。
この時クマベアーの連撃はかなりアツいため回避に回避を重ねよう!
そうして倒せたかと思ったのもつかの間。
相手はマグマ内に入り巨大化死待ち構え出したのだ!
なっなんだってー!
さっき考えた通りのシチュエーション!
ガンガン貫通矢《ためアーケイン》を頭に放ってやろう。
しかし純粋に強いから気をつけつつ。
直接殴れないので敵の大ぶり攻撃に合わせパリィしMPを回復するのを忘れずに。
敵のタメ攻撃にこちらの貫通矢《ためアーケイン》を放ったら自爆した。
実はこの自爆に関しては使える範囲が広くあらゆる敵のチャージ炎魔法は自爆ダメージあるので誘導なり射抜くなりして誘うと完璧。

 相手を沈め想いを託されてさらにノベタは進んでいく……と言いたいが、
「アーリーアクセスはここまで!」
である。
しかし同時に書いてある言葉が。

隠しエリアがあるよ!


・ソウルライク

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△待ち受けている運命とは……


 ここからはシナリオに関係ない隠しエリア……
そう言われたならば行くしかない。
なぜか近くにあった2連続で前のエリアに戻る扉を抜けてほぼ初期のエリアに露骨な戻され方をした。
この近くになぜか通れないように装置が置かれていて破壊できないようにされていたのを覚えている人はいるだろうか?
これは今のノベタならば良くあったまった筋肉によって破壊が出来る。
その先こそが隠しエリアの始まりだ……

 そこは地獄
色違いの敵たちがウロウロしているのだがぞんぶんに強くなったノベタを寄ってたかってボコボコにしてくる。
処理が遅れるとつぎつぎ敵が湧いてくるポイントも少なくなく戦士ノベタの冷静な立ち回りと高速詠唱力が試される。
ある意味1番強くソウルライクを感じた瞬間でもあった。
知識や技術を総動員して迫りくる敵たちに囲まれぬように立ち回る……
5体もの敵に飛翔体《ためアイス》を喰らわせた時は心踊った。

 そしてこのエリアは復活ポイントからボスまでの経路が今までで最も激しい。
というより比較にならない。
今までは2体ほどしか配置されていなかったのにここに至っては20体近く配置されている。
そのせいでボスまでに削られてしまう。
必要に迫られて最適な動きを獲得していくことだろう。
涼しい顔で大量の雑魚たちを切り抜けボスまでたどり着ければまさしく戦士だ。
ボスは最初に戦ったボスの色違い。
しかし……能力が段違いだ。
激しさや遠距離でも関係なく斬り飛ばしてくる力。
そして何より威力。
1撃50ほどもっていかれる。
もういっかい書くがこちらのHPは100から200ほど。
鍛えられた戦士ノベタでも300はいかないだろう。
こちらのHPが吹き飛ぶ感覚で得られるせめぎあい。
さらにいうと別に相手のHPはそこまで高くない。
濃縮された短時間での死合によって得られる体験はまさしくソウルライク
回復剤を使い切り最後まで立っていたのはノベタだった。
とはいえここまでやるのにノベタは何回も倒れたのだが。
それでもこうして生き残った。

 隠しエリアの最後に隠されていたもの。
それは……スナイパーライフル《ライトニング》だった。
ぜひ自分で手に入れて使い心地を試してほしい。
まさしくニッコリ出来るはずだ。



・リトルウィッチノベタは作者からの挑戦状ではない



 このゲームはメイン開発者がほとんどひとりの状態で作られたゲームだそうだ。
 しかしそこに妥協や甘えを感じさせなかった。
 正直えげつないと思う。

 またインディーにはよくある、
「作者からの挑戦状!」
感が良い意味で薄かった。

 こちらの想像を超えた『みんなのためのソウルライク』に脱帽。
 本当に完成が楽しみである。
 こちら現在はアーリーアクセス中ということで値段も1000円(セール中ならさらに安い)で買える。

 ぜひ今のうちにチェックしてみてね!
体験版もある!!
・Little Witch Nobeta

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△筆者のクリア時ステータス。殴ってよけるのがこのゲームの基礎だ。

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