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悪意と笑いの仕掛け人|稀代の演出家を生み出したルーツ

様々な説を検証する『水曜日のダウンタウン』。今やTBSを代表する人気バラエティとなったこの番組の演出を務めるのが藤井健太郎氏だ。"悪意と笑いの仕掛け人"と呼ばれる藤井氏のルーツは?業界随一の笑いを突っ走る彼が触れてきた作品に迫る!

 

藤井さんが幼少期・青年期に触れてきた番組や作品を教えてください。

『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』はバカバカしくて面白く「テレビって楽しい」と思うきっかけになった番組。
『進め!電波少年』は演者はもちろん、作っている人や仕掛けている人が面白くて、そんなスタッフ主導の番組作りに感銘を受けた番組です。
そのほかにも、『ダウンタウンのごっつええ感じ』は「芸人さんって面白い」と開眼した番組。
あと、漫画もたくさん読みました。小さい頃はとくに藤子不二雄先生が大好きで、色々作品を読んでいったら『魔太郎がくる!!』 や『黒ベエ』にたどり着いてしまって、そのダークで不条理だったり考えさせられたりする結末の作品が記憶に残っています。

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早くも現在へのブリッジが感じられますね。漫画のほかに好きだった作品は?

オチや構成がキレイだったり、変わっていたりする作品が好きで、映画『フロム・ダスク・ティル・ドーン』は強盗殺人犯の逃走劇の物語と思いきや、後半はまったく予想外になっていく展開が見事。
ほか『バック・トゥ・ザ・フューチャー』や『12モンキーズ』などタイムスリップものは必然的に伏線を回収する作りになるので好みですね。
『ユージュアル・サスペクツ』も好きで、理詰めで作られた構成、かつ、オチがバチっと決まる作品にやはり惹かれました
学校の教科では歴史。事件の背景に何があったか、その“文脈“を読み取るのが好きでした。歴史のように一つの事柄を様々な“面”で見るのは得意で、芸人さんなどの“違った一面”を見せることにつながっているかもしれません。

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番組作りで大切にしていることは?

自分が面白いと思ったことを、バランスを取りながら貫くことです。
「視聴者の反応が良くないかも」とうっすら思っても、僕が面白いと思ったら優先する
誰が演出しても同じクオリティになる完成された"枠"を作るのも重要ですが、『水曜日のダウンタウン』は、ある程度広い"受け皿"のなかでどこにスポットライトを当てるかを考えています。その切り口は、僕が面白いと思ったことを信じてその都度変えていっています。


藤井さんはエンタメパーソンからも注目される存在です。業界について考えていることはありますか?

盛り上げていこうとかいう意識はあまりなくて、基本、僕は自分が楽しいと思うことをやりたいとしか考えていません(笑)
たとえば『水曜日のダウンタウン』の「説」にしても、最初から答えが分かっていたら面白くない。僕たちが何か仕掛けたら、芸人さんたちはどう反応するか――過程を楽しみにしながら制作しています
TV番組は自分のやりたいことや「好き」が原動力になった方がいい。それぞれが「面白い」と思うことをやったその先、結果的に業界の発展があるかもしれません


■PROFILE■
株式会社TBSテレビ TVディレクター
藤井 健太郎(ふじい けんたろう)

1980年、東京生まれ。2003年TBS入社。『リンカーン』『ひみつの嵐ちゃん!』などの人気番組のディレクターを経て、『クイズ☆タレント名鑑』『テベ・コンヒーロ』等を演出・プロデュース。現在は『水曜日のダウンタウン』の演出を務める他『クイズ☆正解は一年後』や『オールスター後夜祭』など人気特番も手がける。

<発行日:2019/08/05>
*本記事は、FIREBUGが発行するメールメディア「JEN」で配信された記事を転載したものです。

Writer:衣輪晋一
Photographer:厚地健太郎

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JENは、エンターテインメント業界で働くビジネスパーソンを対象にしたメディアです。 ヒット作品の仕掛け人のインタビューや知っておきたい最新トピック、使ってみたい新サービスの情報など、エンタメ領域におけるさまざまな情報をお届けしてまいります。