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【観劇記録】月組 アンナ・カレーニナ

もう発表されてしまったけれど、
この公演の発表があったときに覚悟はできた。
宝塚のありがたいところだ。

はじめからそういう心持ちで観てしまったのもあるけど、間違いなくこれは退団を決めたものの輝きだ、と。
白の軍服がこれほど、ビジュアル的に、気持ち的に、映える方はいるたろうか。
フィナーレは当たり前に泣いたよね。


景子先生の演出がすきだ。娘役の描き方がとても良い。
品位を損なわず、それでいて人らしく。一方引きすぎず、ただの私の好きな娘役像。

前回のラストパーティー で思ったけど、景子先生と海乃の相性ってめちゃくちゃ良いよね…。
「だけど、わたしには何もない」そんな事を口走る美しい娘役に大変に弱いわたし。
軽率に抱きしめたくなる、わたしに貴方のその気持ちを浄化してあげることができないのがもどかしい…。だからお願いだ、どうか…と男役にすがりたくなる。
何もかもを持ち合わせていると思っていた人が一度に沢山のものを失うと何も持っていない気になるよね。(最近の景子先生演出だと、ハンナの音もそんな感じよね…すきだったなあ…あれま超泣いたな…)

あ、キティのきよらさん、すごかった。
序盤はだいぶ緊張してたせどお歌が得意なのかソロパートをはさむにつれだんだん柔らかくなっていった気がして。と、思ったらダンスも出来るそうでこりゃおされるな。
役柄的にも少し感じたお芝居の固さも良い風に作用して、良いキティを見せていただいた…。フィナーレのダンスパートみてたかったんだけど、美弥海乃に釘付け号泣すぎて誰と組んでたかさえも確認できていないという。

そういえば、五峰さんと美穂さんの贅沢な使い方よね。
お二人ともタイプの違う貴重な専科娘役さん。
その2人を一度にみれるだなんて。
たしかにこのお役、スーさんが退団した今誰が出来るだろうかって感じやもしれぬ。
大劇場だったらあれだけど分裂してるとどうしてもね。

にしても、ロシア文学のどうしよもない人間たちの集まり感がとってもすきだと再確認。
どれ読んでもメリバ風味。
能天気ハッピーなロシア文学ってあるのだろうか。ロシア文学と言わずともロシア文学を元にした演劇作品でもよい。
知ってたら誰か教えて。

カラマーゾフとかも大好きだけど、君を愛してるみたいな能天気ハッピーも大好きなんだ。(という水となおたくなわたしである)