アイドル研究者による学問の自由に対する訴え。「筑波大学NGT事件」
経済学の観点からアイドルを研究している研究者がいます。筑波大学の平山朝治教授です。私には学問的な資質がなかったのですが、学生時代、大変お世話になった恩師なので、ゼミの際に、書評を書いたとか論文を出したと先生が紹介してくれるお仕事の中から、「自由に発想すること」、「心を広くもつこと」、「仕事に誠実であること」を教えていただいた気がします。もう十何年もお目にかかっていないのですが、当時の学友から「平山先生がいま裁判で学問の自由のために戦っている」というわりと衝撃的な話をきいたので、自分なりに調べてみました。
平山朝治教授の学問の自由を守る戦い
筑波大NGT事件、という事件がいま問題になっています。NGT48というアイドルグループに所属するアイドルがファンに襲われるという事件がおこったことをご記憶の方もいらっしゃるかもしれません。詳しい経緯は下記の産経新聞の記事をご覧ください。
一連の騒動の中で、山口さんはSNS上でファンに襲われた事などを発信し、運営会社ともめ、卒業します。平山教授はこの事件の顛末を取り上げた論文を発表します。するとこの論文がアイドルグループの運営会社Vernalossom社への名誉棄損に当たるとして、学内で問題になり、論文が筑波大学の論文データベースから削除されてしまうという事件が発生します。
学問の自由を守る戦いへ
この処置に対して、平山教授は大きな違和感を感じます。
されてしまったからです。その意思決定には、人事担当の副学長である稲垣氏が大きくかかわっていたと平山教授はご自身のブログで述べられています。
学問の自由を守るために戦う、という平山教授の戦いが今後どうなるのかはわかりません。ですが、研究者にとって自分の論文は自分の生きざまそのものです。
学生時代の私から見ると、平山先生は普段は平和な雰囲気を持っている、穏やかな先生でした。学問に対して不誠実な私に対しても、学生ってそういうものだしね、という広い目で見ながらも、学生を世の中に送り出すという役割を全うしてくださっていました。
一方で、ご自身の研究に関して語られる際の平山先生は、ちょっと違う温度感でした。ゼミや飲み会の場で、ご自身の研究について語る平山先生はとても熱く迫力があったんです。研究者って頭の良さだけではなく、積み重ねた研鑽や理論だけではなく、ある種の熱がなければできないんだな、と当時感じたものです。
正直私は昔も今もアイドルには関心がありません。でも、社会においてアイドルが受け入れられ、一定の役割を果たし、文化や時代を表す現象であることはすごくわかります。ビジネスとしても儲かるし、ファンからすると非常に尊い対象。そうしたアイドルに関して、学問的にアプローチするという取り組みは学問的に価値ある活動だと思います。
それが企業への忖度で阻害される国立大学は間違っているようにも思います。
この問題は多くの人にとってぜんぜん知らない話題だと思います。学問の自由が現代の日本で脅かされているというのは、結構ショッキングな出来事のような気がするのですが、いかがでしょうか?
もっと知られるべき事件だとおもうので、ご紹介させていただきました。もっと知りたい方はぜひ、平山教授のブログや学問の自由を守る活動をご覧になってください。
https://www.z-z.jp/?free-sciences
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