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カラーマーケテイングとワークショップ

カラーマーケティングって、何?

カラーマーケティングとは一般的に言うマーケティングに色彩心理という視点を盛り込み、顧客の求める色は何か、集客のために効果的な色、商品のカラーラインナップはどうするのかを考えていくというものです。

カラーマーケティングを行う際には単にアンケート調査という手段もありますが、ワークショップ形式で行うこともあります。

私は15年ほど大学で色彩学の講義をしています。その中で机の上でアンケートに回答してもらう場合と、ワークショップ形式の中で好きな色やイメージカラー等を調査する場合では回答に違いがあることに気が付きました。

一見、直接的に商品開発に結び付かないように思えるワークショップをご紹介します。

<イメージカラーワークショップ>

5,6名のグループを組みます。7色(赤、橙、黄、緑、青、紫、ピンク)のカラーカードを各人に渡します。そのカラーカードを使い、メンバーの一人を対象に見た目や話し方など、その人物から受けるイメージを対象者以外のメンバーが提示します。これを繰り返し、全員のイメージカラーが提示されます。色を提示した際、必ずその理由を言ってもらいます。「明るく話しかけやすい」「賢そう」「誠実そう」「面倒見が良さそう」というようにプラスの表現を使ってもらいます。これらの言葉は表現を変えマイナスにすると、「チャラそう」「偉そう」「真面目そうで面白みがない」「お節介」などとなりますが、そいう言い方をしてしまうと、脳がマイナス思考になり、発想や創造性が損なわれやすくなります。

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このように人物イメージをプラス評価し、色で表現することで言葉だけの評価より感性が刺激され、色に対する意識が変わってきます。ワークショップの良いところは対象者、非対象者ともに顔や体の動きで反応するため、理論で理解するのではなく本能で受け止めることになります。

カラーマーケティングは消費者がモノを求める、行動する、購買するための仕組み作りに使われるものです。本能的な行動がどのようなものかを知るには机上でアンケートを取るより、ワークショップ形式で色について語り合ったり、色を選んだり、色で表現する方が本来の気持ちをストレートに出すようになります。

商品開発の際、常識や理論、理想などで考えすぎると、良い商品でも色で外すというようなことが起きるケースが少なくありません。

例えば、男性向けのランニングシューズのカラーリングをする際、男性はグレーやブルーが好むだろうから、ランニングシューズにこれらの色を使おう、となったとします。でも、実際には普段ビジネスなどのオフィシャルシーンでグレーやブルーを使っているので、プライベートな時くらいはピンクやオレンジが良い!という意見が特に若い世代に増えています。

このような思い込みを外すためにも、ワークショップが必要です。紙の上でペンで文字を書く場合は理性が勝ち、カラーカードで動きながら、会話しながら、色を選ぶ時は本能が勝つという現場を私はいくつも見てきました。

売りたい商品はどんな場面でどのように使うのか、それによってどの形式のマーケティングが適切か考える必要があるのではないでしょうか。

今後さらに価値観が多様化し、ジェンダーレスも当たりまえになっていく社会の中で、ワークショップという発想、創造、表現を引き出せるやり方がよりカラーマーケティングの効果を上げるのではないかと考えます。



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