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色の学校6日目 配色にセンスは要らない

「配色苦手なんですよね、センスないから」              「色は好きだけど、配色は難しい」
よく耳にします。

配色に関するブログを以前も書いています。お時間あればご一読ください。

配色にセンスは要らない

「配色にセンスは要らない」というのは、やや暴力的な言い方ですね、  言い換えれば「センスがなくても配色はできる」                 配色とかデザインというと、特異体質で生まれ持った才能が左右するように思われがちですが、そんな限られた人だけの技術ではありません。

配色の必要性

一口に配色と言っても、数種あります。「私は配色のセンスがないから」という方は恐らく、おしゃれなポスターやファッションコーディネートの際に組み合わせる色がわからないとか、そういう観点ではないでしょうか。     確かにファッション業界には年2回発表される「トレンドカラー」があり、それに沿った組み合わせが必要とされるので、「センス」という言葉が出てきそうですね。 ですが、ファッション業界のような配色技術ばかりが求められるわけではありません。

公共の色彩

公共の色彩という分野があります。これは歩行者道路、役所、公園、サイン、教育・文化・工業・商業施設、街並み、駅、公園、医療機関など。
対象者が特定されない誰でも利用できるものなど、これらの色彩はいわゆる一般的に言う「センス」だけでは成立しません。                 色に求められる性質として「視認性」「可読性」「識別性」と言われるものがあります。 どの組み合わせなら認識しやすいのか、読みやすいのか、分かりやすいのかという点に着目したり、長く滞在しても疲れない色合いなど、センス云々では収まりません。

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工業製品の配色

工業製品と言っても種類は多く、簡単には語れませんが、この分野も「センス」だけでなく、その製品の特徴や機能を表す配色でなければならない場合が多々あります。例えば、夜間に使うものは、モダンな印象になるモノクロ、黒やグレーではその用途が達成できません。黄色や蛍光色が求められます。様々な素材を扱う工場等で、器具や機械を白にすると汚れが目立ち、常に美しく保つことが困難になります。この場合は美しさより汚れが目立たず、誰が見ても不快にならないようなベージュやグレー系が好まれます。

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センスって、何?

じゃ、センスって何?
センスとは?
物事の感じや味わいを微妙な点まで悟る働き。感覚。また、それが具体的に表現されたもの。 (webilo辞書引用)

曖昧ですよね。でも、だからこそ面白いとも言えます。そうなんです、配色のセンスなんて、本当に曖昧で個人の好みも大きく作用します。「センス」なんて曖昧な言葉に惑わされず、配色の知識と技術を身に付けましょう。

配色の知識

配色の知識は色の仕組み、性質を理解するところからです。

色には三つの属性があります。

1 色相 色み、色合いの違い
人相と同じようにそれぞれの違いを指します。

2 明度  色の明るさの違い、明るさの度合いのこと

3 彩度  色の鮮やかさの違い、鮮やかさの度合いのこと

そして、明度と彩度の複合概念をトーンと呼びます。

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配色のパターンは30種類ほどあります。そのパターンを習得すれば、いわゆる「センス」がなくてもバリエーション豊かに、求められている配色をそのパターンの中から選択することが出来るようになります。

子供向けで分かりやすい配色、高齢者向けで読みやすい配色、温かくて美味しそうに見える配色など、目的が明確であれば尚更、配色は簡単になります。

ただ、そこに、季節感、時代性、トレンド、同じ世代でもライフスイルの違いで好む配色が変わるので、そこをいかにキャッチして、ありきたりではない個性的でありながら、目的を達成する配色ができるかです。 

結論

配色はセンスは要らない、いや、無くても知識と情報、目的に沿った色を選ぶ選択眼があれば十分です。

じゃぁ、「選択眼」はどうやって養うの?               「選択眼」を養う、そのトレーニング方法はまた次の機会に。


日本カラープランニング協会が開校しているオンラインスクールでも配色講座を開催しています。

https://color-planning.org/

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