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004 (新卒)採用担当者の仕事

中原先生の昨日(6月10日)のブログからです。

毎日毎日、素晴らしいですね。継続の力。それはさておき、新卒採用担当をやっていた頃を思い出しました。私は29歳の時に営業から人事に異動になり、最初の3年間は新卒採用・若手育成をまず担当しました。時はバブル末期、ここに書くのははばかれるような莫大な予算を持っていました。本当に今の採用担当の皆さん、ごめんなさい、というくらい。
母集団管理の設計、セミナーのデザイン、ツールの制作、イベント等の採用広報の企画、いろいろと採用戦術を練ります。さらには学生1人ひとりとの対話、リクルーターとなる社員とのマッチングの検討、採用戦術の立案とその遂行は、それこそ寝る間も惜しいくらい楽しいものでした。実際、シーズンのピーク時は100連勤とか普通でした。時任三郎が「24時間戦えますか」と歌っていた頃です。いけません、話がずれました。
で、ひとまわり、採用活動をやってみて2年目の採用活動の前に考えたことです。「採用戦術を練るのは実に重要、でもそれだけでよい採用はできない。よい採用をするために最も大切なのは自社をよい会社にすること。採用担当者の究極の仕事は自社をよい会社にすることなんだな」。よい採用をするには、自社をよい会社にするのが王道なのです。戦術でできることは限られているし、戦術が優秀過ぎてミスマッチを犯しては双方が不幸になるだけです。よい採用をするためにはよい会社にすることが何よりも必要という、この気持ちは今も変わっていません。他社よりも自社を選択してもらうためには、他社よりも自社をよい会社だと認識してもらい、この会社に自分を賭けようと思ってもらう必要があります。そして、こう考えると採用活動はさらに楽しくなります。
よい会社を作るためには、2つのアプローチがあります。1つは、文字通り会社をよい会社にすること。この時に大切なのは、自分が考える「よい会社」像です。中原先生のいうとおり「イメージできないものは、マネージ(やりくり・コントロール)できません」、なのです。
『これからの人事部には「従業員に個別に丁寧に向き合い、彼らの働きがいや、成長実感、エンゲージメントを高めていくような人事施策が必要であること」を丁寧に解説なさっていました。』とあります。私がイメージするよい会社の大前提の1つは、こんな人事部が機能している会社です。ですから、人事部を少しでもこうした像に近づけたいと日々思って仕事をしています。よい会社は急には作れません、そしてそれでいいのです。大切なのはベクトルをそっちに向けられてはいるなという感覚です。
採用担当者ができるもう1つのアプローチがあります。それは、社内では当たり前になっている自社の「よい会社」を再発見して言語化することです。意外とこれができていません。今ある「よい会社」を再発見することは、どうすればさらによい会社にできるかのヒントにもつながります。そのために採用担当者は、自社のビジネスモデルを深く理解し、自社の人を深く理解し、自社の歴史を深く理解する必要があります。「当たり前」にもスポットライトを当てることが大切です。
採用担当者は、最高にエキサイティングな仕事だと思います。そして、もっともっとよい会社にしたいという想いを胸に抱いて、採用担当者を卒業して人事の他の仕事に羽を広げることができると一番です。ありがたいことに、私はそうやって育てていただけました。また、新卒採用という業務は、全社を巻き込み、相当の予算もっいているプロジェクト業務です。たぶんこの規模のプロジェクトのリーダーを普通の会社で20代の社員にやらせてくれるというのは、新卒採用以外にはそうそうありません。なんて幸せで素晴らしい仕事なんでしょう。感謝しかありません。

※中津商店街の中ほどにある「月と太陽のダルバード」。新大阪駅からここに直行し、腹を満たしてから太陽の塔に逢いにいくのが、大好きなルートです。


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