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JCATアーティストインタビュー Vol.5 Yukihiro INADA

Yukihiro INADAにとって創作は感情の発露である。

外界からの過剰なインプットに曝され続ける現代において、感情とはある意味で些末なものにされがちである。今この瞬間に自分が感じたことは、自分にすら掬い取られることもなく次の瞬間には消え去ってしまう。

しかしYukihiro INADAは自分の内に浮かんでくるそういった感情を、敏感に、ありのままに捉えようとする。彼は、人間にとって心を動かすことの重要性を直観的に理解している。それは彼が10代のころに没頭した、登山という営みと密接に関係している。太陽や雨、風の音、森の匂い。そういった山からのギフトに触れて、彼の心は震え、動き始めた。

彼の創作活動において、技法ではなく彼自身の情動こそが決定的に重要である。だからこそ彼の作品には、彼自身の、あるいは彼が感じる他者の感情が常に内包されている。

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こんにちは!

JCAT NYのブログをお読みくださり、ありがとうございます🗽🌟

JCATアドバイザーのMIOです。

このnoteでは、日本人アーティストが海外で活動するためにはどうすればよいのか?をテーマに、記事を執筆しています。

今回は、以前より世界を舞台に活躍しているJCATアーティストの皆様にお願いしております、アーティスト・インタビューの第5弾です❣️

インタビューを通して、より多くのnote読者にJCATアーティスト自身やその作品をご紹介したり、世界でアーティスト活動をするための心構えなどを知るきっかけとしていただけたら……と考えています。

それでは、下記、JCATアーティスト・Yukihiro INADAさんのインタビュー記事をお楽しみください🥨

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Yukihiro INADAさんがJCATのメンバーになったのは、去年の3月。JCATでの活動期間は1年に満たないが、オンライン展示会への参加、他のJCATメンバーとの交流、さらにはJCATイングリッシュLIFEの定期的な受講など、活動期間の長いメンバーの方々に引けを取らないほど、積極的に活動されている。

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「あっ、こんばんは~。」Zoom画面越しに、Yukihiro INADAさんと挨拶を交わす。穏やかな表情と声は、普段の丁寧なメールに見受けられる印象そのままに思われたが、背景には、感情の発露に見てとれるような、とてもエネルギッシュな作品が控えている。

inadaさん

Zoom背景に設定した画像かと思い、素敵ですねとお伝えすると、「実はこれ、背景じゃなくて実物なんですよ~。」と絵を触って見せてくれた。「みんなZoomの設定背景だと思うかなあと思って、本物の絵にしてみました。」とのこと。
まさか大きな本物の絵が背景になっているとは思わず、アーティストらしいドッキリに驚くとともに、心がほころんだ。

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ー 自分の感情をむきだしにしながら、それを絵として表現していくというやり方。それが自分のいまの作風の根本につながっています

Q. アーティストを志すこととなったきっかけを教えてください。

「職場で異動がありまして、関東の方に来ました。それから仕事内容がガラッと変わり、時間的な余裕が生まれたんです。それで、何か新しいことを始めてみようかなと思ったのが一つですね。東京に来てから、大学に出入りする仕事が多くなって、大学の先生とかと話をする機会が増えたんです。で、大学の先生とかって変わった人が多いし・・・皆さんすごく自分の研究とかに熱心なので、面白い話が沢山聞けるんです。それで刺激されたことも大きかったです。
あとは、東急ハンズかLOFTかどこかで、アクリル絵の具のキットを見つけて、『絵でも描いてみたら?』と妻に言われて、描いてみようかと思ったのが最初のきっかけですかね。絵なんて、高校の授業以来描いてなかったんですけど・・・最初はコーヒーが好きだったのでコーヒーの絵とかを描いてて・・・楽しいなと思いながら。そのころにそれまで得意じゃなかったSNS、インスタもはじめました。

そしてそのあと、篠原猛史さんという現代美術家のビデオ、創作風景を大学の教授にみせていただく機会がありました。そのインタビューの内容が衝撃的だったんですよ。『絵の中に入っていきたいと思った、描いているうちに悲しくなってきた』とかおっしゃられていました。篠原さんがそういったことを思いながら描いているということを知って、絵を描くということにはこういうアプローチもあるのか、と思いました。自分の感情をむきだしにしながら、それを絵として表現していくというやり方。それが自分のいまの作風の根本につながっています。2020年にこういったことが一気に起きたんですけど、そうしたいろんな要因が重なって、絵にはのめりこんでいきました。」


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ー (アート関係の)縁などなにもなかったので、自分でやり方を見つけていくしかなかった

Q. JCATに入られた理由・経緯を教えてください。

「インスタグラムでJCATスタッフにお声がけいただいて。
海外に出たいという気持ちもそこまで大きくなかったんですけど、せっかく絵を描くんだったら、活動してみたいな~と思ったんです。自分は理系で、(アート関係の)縁などなにもなかったので、自分で活動のやり方を見つけていくしかなかった。その足掛かりというのが、JCATクルーの方のお誘いだったんです。取りあえずやってみよう~という気持ちでした。ありがたかったですね。」

ー 湧き上がってきたものをキャッチして、それに沿って描くことが多い

Q. 影響を受けたアーティストや、人物がいれば、教えてください。

「篠原猛史さん。他には特にいないかな・・・。あ、岡本太郎さんはメジャー中のメジャーですけど、結構好きですね。表参道の記念館も行きました。アトリエが見れると思うんですけど、それが生生しくてよかったですね。川崎の美術館の方も行きましたよ!そちらもすごくよかったです。

岡本太郎さんにも通ずると思うんですが、情熱を画面にぶつけるみたいな、そういう作品にこだわってきたんですけど・・・最近は柔らかい雰囲気のものも。浮遊感をテーマに、いい気分、というのをふわふわっと描いてみたりとかもしてます。
湧き上がってきたものをキャッチして、それに沿って描くことが多いですね。」


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ー 天気や自然系の刺激みたいなものからも影響を受けますし、街の雑踏や賑わい、雰囲気などからもインスピレーションを得ます

Q. 制作する上でインスピレーションを与えてくれるものは何ですか?

「自分の感情とかからインスピレーションを得ることが多いんですけど、外的要因の何から・・・というのはまちまちで。基本的には屋外にいるときの方がインスピレーションを得やすいんですけど、天気や自然系の刺激みたいなものからも影響を受けますし、街の雑踏や賑わい、雰囲気などからもインスピレーションを得ますね。

あとは本とかですね。本を読んで考察したりしたこととか。哲学書じゃないんですけど・・・社会のことを書いた本とかをよく読みます。生き方とか、そういったことが書かれている本が多いですかね。あとは心理系の本とかも最近、少しは。

触覚や肌感覚、音からの影響も、入ってきやすいです。音楽も好きで、絵を描き始める前から、ギターはずっとやっています。中学生の頃から。ロックが多いです。洋楽も邦楽もまちまち。
少し古いんですが、今はエリッククラプトンにはまっています。邦楽だと、THE BACK HORNというロックバンドがいて、20歳くらいからずっと好き。エモい感じです。その前はスピッツを小学5年生から20歳までずっと聞いてて、大好きですね。一番最近だと、miletさん。
音楽を絵にするということはやったことがないですが、そういうのもやってみたいなと思っています。」


ー (アートに関する英語で)それが知りたかった!というのを教えてもらえます

Q. JCATイングリッシュLifeを受講されて、ご感想がございましたら、お聞かせください。

「受けようと思ったきっかけは、そもそも英語力が落ちてきたなと思っていたことで。大学生のときは英語の論文発表とかあったんですけど、社会人になってからそういった機会が減ってきて、で、アートってなると海外の方が盛んだったりするので、英語をやり直したいなと思いました。Gabaとか通っても、アートに関する単語とかが出てくる気があまりしなくて・・・展示会とかでどういう会話がされるのかとか、例に出てくることがないなと思っていたんです。
ちょうどそのときに、JCATからイングリッシュレッスンを始めますという案内がきて、これは良さそうだと思いました。

JCATで開催された英語プログラムでおそらく一番初めのものにも参加しましたね。その・・・なにかの最初のトライアルに参加してみるっていうのが、すごい好きなんですよ(笑)。面白くないですか?最初のトライアルとかに参加するのって。しょっぱなのことを一緒になって体験するっておもしろそうだなって思って。それで参加したんです。

で、イングリッシュLifeの感想ですが。MANAさんに教えてもらっていて、僕はすごくスピーキングとリスニングが弱いんですけど、そこをカバーしてくれるのがすごくありがたいですね。実践的だなあとも思っていて。それが知りたかった!というのを教えてもらえますね。大変ありがたいです。

今年のNY展(※NY・チェルシーで開催される現地のオフライン展)は・・・実際に行くか迷っているんですよ~!!子どもが小さくて、なかなか描く時間もとれない。『遊んで遊んで!』がすごい(笑)。長時間の飛行機も難しいし、子どもを置いていくのも忍びないし・・・ってところで。せっかく英語をやってるので、会話したり人脈つくったり・・・したいなあとは思うんですけど。。行きたいなあとは思っているんです、ほんとに!」

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ー JCATに入って、『伝える』ということに意識が向いた

Q. JCATに入って変わったことがあれば、教えてください。

「発表の場を提供していただけるというのが大きくて。いま、伝えたいメッセージとか、発表の構成とかを考えるようにしてるんですけど、全体的にJCATに入って、『伝える』ということに意識が向いたかなと思ったんです。

あとは、ARISAさんの本にあるような、バイオグラフィーがあったほうがいいとか、海外でアーティスト活動をする上で必ず必要になってくるもの。基本的なところなんですけど知らない部分も多くて。そのあたりを知ることができたという点でもJCATに入ってよかったなと思いますね。」

JCATディレクターARISAの著書
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Q. JCATで交流のある作家さんはいますか?

Yoko Kitazakiさん。あの方の作品、結構迫力があって、好きなんですよ。この間京都で個展していらっしゃったので、大阪に仕事で行くがてら、見に伺ったんです。ご本人も、バイタリティ、迫力のある方です!お互いの作風に親近感がわいて、仲良くなりました。
あとはMiho.Gさんにもお会いしました!とても元気な方でした。他にも何名かいらっしゃいます。hirohiroさんとかも、インスタでメッセージのやりとりをさせていただいています。」


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ー アートは心のケアにつながるんです。それが他の人の心をケアすることにもつながればいいなと思ったりします

Q.『作品で表現したいもの』とは何か、言葉にしていただけますか?

「表現したいものが何なのかというのは、結構考えないと出てこない。難しいですよね。でも、そこがはっきりしたら、そのあとすごく広がっていくんですけどね。
自分の場合、感情を可視化するというところでしょうか。絵によってアウトプットすると、自分がいい気分になるんですよ。すっきりというか・・・セラピー的な効果があります。そこが癒しになったりとか、ARISAさんもアートはケアだとおっしゃってましたけど、アートは心のケアにつながるんです。それが他の人の心をケアすることにもつながればいいなと思ったりします。表現するということそのもののパワーというのを感じる。それが自分の表現の目的で、そこをずっとそのまま自然な気持ちで持ったまま描いていきたい。忘れたくないですよね。
展示とかやると、いい面もすごくあるんですけど、続けていく中でぶれていくこともあるなあと思っていて。でもぶれずにやっていきたい。初心忘るるべからずみたいな(笑)。評価とか、作品の売れ行きとか・・・いろいろ気にしすぎて、飲まれたくないというのはありますね。」


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ー 展示会や英語レッスンもべらぼうに高いわけではないですし、サポート体制があるのは素晴らしいと思います

Q. これからJCATにJoinする方に、何かアドバイスや伝えたいことがあれば教えてください。

「発表する場であるとか、アーティストとしての基本みたいなところを含めて、学べる部分も多いですし、プラスになることが多いです。迷っている方がいらっしゃったら、ぜひやってみてほしいなと思います。

Instagramでお誘いいただいて、慎重になってしまうこともあるかと思うんですけど、そしたらいまインターネットで調べることもできるので、調べた上で自分に必要だと思えば、参加したらいいと思いますね。

自分の場合も、少し調べました。その上で直感的でもあったのですけど、ここはいいんじゃないかと思いました。展示会や英語レッスンもべらぼうに高いわけではないですし、サポート体制があるのは素晴らしいと思います。」


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ー 100人100絵展というのをやりたいんです!

Q. アーティスト活動をする上での夢・目標を教えてください。

「まず、パーソナルペイントについてですが、100人100絵展というのをやりたいんです!パーソナルペイントが100人いったら、企画したい。1枚1枚に、そのパーソナルペイントの対象になってくださった方の体の一部を写真に撮ってもらって、作品と合わせる、というアイデアも考えていたりして。何年後かわからないですけど、必ずやりたいなと思っています!巡業とかできたらいいな~(笑)いまの具体的な目標ですね。

【パーソナルペイントとは】
パーソナルペイントとは、人としっかり対話することを通して、その人から浮かび上がる感情や印象を感じ取り絵として描くというものです。
僕(Yukihiro INADA)が何を考えて描いたのかについては、文章にしてご本人にお伝えしています。
文章を合わせてお贈りすることで、より絵に対する親近感が湧くことを望んでいます。
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パーソナルペイントは現在モニター様募集中です。
対話を通じて絵を贈る。
この活動にもしご興味やご質問などがありましたら、お気軽にDMやメールでご連絡下さい😊
メールアドレス:
yukihiro.inada0726@gmail.com

パーソナルペイントもそうなんですが、絵を通じてコミュニケーションをとっていきたいと思っているんです。自分は絵が技術的にうまいというわけではないし、すぐにたくさん描けるわけでもない。なので、他人とのコミュニケーションという要素を取り込みながら、創作活動を続けていくということを今後もやっていきたいなと思っています。
コミュニケーションをとる相手が海外の方になれば、それも面白そうだなあと思います!」

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Yukihiro INADAさん、この度はインタビューにご協力いただき、本当にありがとうございました!🌌✨

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💎JCATメンバー参加には、審査がございます。💎

下記より審査フォームをご記入・ご提出いただき、ぜひこの機会に、JCATメンバーシップへご参加くださいませ。

↓審査フォームはこちら!
https://www.jcatny.com/about-membership

海外でアーティスト活動をされたいアーティストの皆さまからのご連絡を、心よりお待ちしております。

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【NEWS】

🌟JCATメンバー限定、アメリカ・NY展示会のお知らせ🌟
この度、JCAT NYは、アメリカはニューヨーク・チェルシーでJCATメンバー限定の展示会を開催いたします!✨

世界の中心、ニューヨークのチェルシーで展示することは、世界中の多くのアーティスト夢でありアーティストとして大きく成長する大きなステップであり、そこから大きなチャンスを得られる可能性も期待できます!

あなたの作品を、ぜひニューヨークから世界に向けて発表してみませんか?

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JCATメンバーだけが参加できる展示会『JCAT Exhibition 』。
毎回違ったテーマの展示会をニューヨーク(チェルシー、トライベッカ)、ヨーロッパ(パリ)など、世界各地で開催しています。JCATの展示会に来られるゲストの約90%はニューヨーク在住の外国の方(NY開催の場合)、
海外でご自分の作品を観覧された方からどういう反応が得られるのかを知り、ご自身のアート活動の道標となり得る、素晴らしい経験になることと思います。

2020年2月に開催されたMade in Japan日本語版プレスリリース
https://drive.google.com/file/d/1OLM5H-2JZWMThBrkC54Vgh6cjEfFc2vq/view?usp=sharing

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▲実際にNYで行われた展示会<WE>展(2019)の様子

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🔴募集要項

応募作品テーマ:  Made in Japan

今回のJCAT Exhibitionは、日本という国が世界各国で誰にでもわかりやすく伝わるテーマ ”Made in Japan" と致しました。
JCATメンバーだからこそ創造できるあなただけの”Made in Japan"を、世界の中心地であるニューヨークのチェルシーから、発信していきましょう!

By JCAT Director Arisa Itami

🌻開催期間: 2022年7月12日(火)〜7月30日(土)開催
🗽開催地:Noho M55 Gallery http://www.nohogallery.net/

参加資格:JCATメンバー限定

*ご参加は有料となります。

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▲JCATアーティスト・Colorhythm Risaさんによるパフォーマンスの様子

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”世界の中心ニューヨークのチェルシーで展示することは、世界中のアーティストの夢であり大きなクレジットになって、自分のバイオグラフィーに一生残すことができます。”

参加作品数が上限に達し次第、募集終了となりますので、どうぞお早めに❣️

◯詳しくは下記メールアドレスまでお問い合わせください。

info@jcat-ny.com

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毎週火曜、金曜は、
LINEアカウントでアーティストのためになる情報を配信しています。

↓JCAT、LINE公式アカウントの登録(無料)はこちらから❣️

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Written by MIO

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