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世界の音楽プロデューサーが予言!2022年大注目のアーティスト【J-POP&洋楽】マイベスト


※この記事とランキングはテレビ朝日系列『関ジャム』のマイベスト10とは一切関係ありません。

【イントロダクション】

- 関ジャムのマイベスト10曲を観て...

テレビ朝日系人気音楽バラエティ番組『関ジャム 完全燃SHOW』の名物企画である「売れっ子音楽プロデューサーが選ぶ年間マイベスト10曲」が1月9日・16日の2週に渡りオンエアされた。毎年の音楽トレンドを先駆け的に紹介するこの企画は、トレンドに敏感なミュージックファンはもちろん、過去にはブレイク前のあいみょんやOfficial髭男dism、King Gnu、miletらの楽曲がランクインするなど、売れっ子プロデューサーたちが先見の明を発揮してきた「プロが選ぶ年間マイベスト10曲」に音楽業界からも毎年注目が集まる。

今回はおなじみの音楽プロデューサー・蔦谷好位置、作詞家/歌詞プロデューサー・いしわたり淳治に加え、藤井風の編曲も務める注目のソングライター/音楽プロデューサー・Yaffleが、新たな選者として初参戦。

10位から5位までの発表では、蔦谷好位置とYaffleがそろって19歳のラッパー・LEXに注目。他にも、いしわたり淳治が「得体が知れない」と震えたVaundyの『踊り子』など、2022年以降の活躍が期待される若手アーティストの楽曲が続々ランクイン。4位から1位には、蔦谷好位置とYaffleはともに2021年のフジテレビ系連続ドラマ「大豆田とわ子と三人の元夫」の主題歌である「STUTS&松たか子 with 3exes『Presence』」を4位に選出。蔦谷好位置は「2021年最高のメディアミックス作品」と表現し、「これを可能にさせているのは松たか子さんという国民的大人気女優ながらオルタナティブであり続けている存在が大きいと思います」とコメントした。蔦谷好位置の1位はOfficial髭男dism、2位にAwesome City Clubの『勿忘』を上げた。今や国民的バンドとなった”ヒゲダン”の新曲『アポトーシス』を蔦谷好位置は「時間をかけ丁寧に試行錯誤を繰り返して磨き上げた2021年J-POPの最高傑作」と絶賛。いしわたり淳治は、3位に全米で人気急上昇中のディズニーチャンネル出身女性若手歌手Olivia Rodrigo(オリヴィア・ロドリゴ)を、そしてAdoの『うっせぇわ』をトップにランクインさせ、「Adoの音楽的なセンスの良さと、唯一無二の声と歌唱力は、2021年1番の衝撃だったと思います」と評価した。Yaffleの1位は宇多田ヒカル『One Last Kiss』。「素晴らしいシンガーが素晴らしいビートで歌い、素晴らしいミックスで仕上がっているという圧倒的な完成度」と説明した。

- 藤井風のプロデューサーも務めるYaffleって誰?

そんなポップスからクラシックまで、あらゆるジャンルに触れてきたプロデューサーYaffleがこれまで手掛けてきた楽曲は藤井風を含め150曲以上。新しさは意識しつつもアーティストの個性や空気感を大事にした曲のアレンジが特徴的である。2021年大晦日の紅白にサプライズ出演し話題となった、いま最もバズるミュージシャン藤井風。楽曲がCMやドラマに度々起用され、新曲「きらり」はリリース直後にビルボードジャパンのランキングで1位を獲得した。実はYaffle、藤井風の他にもadieu名義で音楽活動をする女優・上白石萌歌など、今話題の若手アーティストから菅田将暉とSEKAI NO OWARIボーカルFukaseが主演をつとめた映画「キャラクター」の劇中音楽などもプロデュースしている。藤井風のクリエイティビティを支える新進気鋭のヒットメーカーに日本の音楽業界が大注目しているのだ。

- 世界トレンドVer.最新ランキングが完成

ただ当記事の2022年大注目のアーティスト・リストは、世界中で活躍する音楽プロデューサーやマーケターらへのアンケートを実施して制作したもの。洋楽とJ-POPと共に、Jay Menta(ジェイ・メンタ)がキュレーターとなり、今年は何が世界的にヒットをするかをまとめられた完全オリジナル予想である。


- Jay Menta(キュレーター)より一言

我々が日本でブランディングを務めるノルウェーのDJデュオ、Meland x Hauken(メランドハウケン)の楽曲『CHERNOBYL 2017』が「#やりらふぃー」としてTikTokやInstagramなど様々なメディア・プラットフォームでトレンド大賞に選んで頂いてから早1年。この長いステイホーム期間というのは、他業種同様に音楽業界にとってもライブイベントがなかなか行えない苦境の2年でありました。一方で、そんな時代の変革期の間に、曲に合わせて踊り動画を投稿するというZ世代ならではの新しい音楽との”遊び方”が生まれ定着しました。その音楽新時代の中で、これまでになかった音楽の形を再発見し、さらに躍進を遂げたアーティストらがたくさんいます。


2021年大ヒットしたベストソングの中には、定番アーティストと比較的新しいアーティストの両方が均等に見受けられた気がしています。そして2022年、新しいポップカルチャーが次々に時代を切り開いていくイマこの瞬間に、これから脚光を浴びそうな新進気鋭のアーティスト達に、常に目を向け耳を傾けておく価値が間違いなくあるでしょう。ポップス、ヒップホップ、インディーロックなど、多様な音楽的才能が表面化しつつあり、2022年に注目すべきベストミュージシャンを選ぶのは決して簡単なことではありませんが、有難いことに、今回は世界の最前線で活躍されている音楽プロデューサー陣の皆さんの意見を頂戴し、音楽が大好きな方にも、エンターテインメントに関連するお仕事をされている方々にとっても、誰でも魅力的なものが見つかる最高のランキングを完成させることが出来ました。この記事では、私たちが注目する音楽新時代のライジング・スターたちをあますことなく、一挙ご紹介します。本当は「これは教えたくない…」と思い、ランキングに入れないでおこうかと悩んだアーティストの方々も数組いましたが、何よりこの記事が皆さんにとって、2022年の音楽を発見して楽しむひとつの指針になればこれ以上の幸せはないと思っています。




1.【NEWポップスタ―】

Mimi Webb

TikTokでNo.1のフォロワー数(約1億3000万人)を誇る、人気インフルエンサー・ダミリオ姉妹の妹、チャーリー・ダミリオが、Mimi Webbの楽曲『Before I Go』を使って動画を投稿し、これが4300万回再生を記録。一躍スターダムにのし上がったイギリス・ケント州出身のMimi Webb(ミミ・ウェッブ)は、そのラブシックなアンセムでZ世代の心をつかみ、昨年リリースした『Good Without』でいきなりUKシングルチャート・トップ10にランクイン。昨年はアメリカの大人気トーク番組「The Ellen Show(エレンの部屋)」に登場するなど、ラブソング・ポップスの超新星として注目されている。2017年のDua Lipa(デュア・リパ)以来の、1stアルバムをリリースする前に2枚以上のシングルをトップ20入りさせた女性歌手で、若干21歳の彼女のシンガーソングライターとしての実力は証明済みである。


Thomas Headon

オーストラリア・メルボルン出身のThomas Headon(トーマス・ヒードン)は、The 1975Alfie Templeman(アルフィー・テンプルマン)、Harry Styles(ハリー・スタイルズ)らなどのファンにはたまらない21歳のベッドルームポップ新世代アーティストだ。エモの要素を取り入れた歌声と太陽のように優しい温もりあるメロディーは、大量生産的なポップの境界を飛び越え、クリーンなインディーサウンドに根ざしている。古典的なギターバンドの復活を望む人々にとって、80年代のパワーポップを彷彿とさせるThomas Headonの作曲センスと、シュガーコーティングされた心地よさを兼ね備えたそのアイドル性は希望の光であると言えるだろう。スイカのような甘い香りが漂ってきそうな魅力的なルックスを持つThomas Headonは、日に日にコアな女性ファンが増え続ける。2022年に最も期待される歌手の筆頭にふさわしいといえるだろう。


Muni Long

フロリダ生まれのMuni Longは元々、作曲家としてMariah Carey(マライア・キャリー)、Rihanna(リアーナ)、Madonna(マドンナ)、Ariana Grande,(アリアナ・グランデ)らへの楽曲提供という素晴らしいキャリア実績があるアーティスト。昨年リリースした2つのプロジェクトは、現在大ヒット中の『Hrs And Hrs』を含み、Muni Long彼女自身のパフォーマーとしてのカリスマ性にも注目が集まる起爆剤となった。



2.【TikTok革命】

REILEY

フェロー諸島出身のREILEY(ライリー)21歳は、1100万人以上のTikTokフォロワーを持つインフルエンサー系アーティスト。2021年3月にiPhoneの着信音のサンプリングによるデビューシングル『Let It Ring』でソングライターとしてのキャリアをスタートさせた。YouTubeで200万回以上再生されたこの曲のMVは、ミレニアルカラーをふんだんに使用した色彩と想像力に富んだ、まさにポップ・ファンタジアの世界。北欧出身ならではのヨーデルを彷彿とさせる、いわゆる『ヨーヨー・ボーカル』とライリーの風変わりなファッション・センスによって、多くの若者から支持を獲得している。2022年に注目すべきミュージシャンの1人として、REILEYのキャリアがどのように発展していくのか、注目したいところだ。


Mia Rodriguez

シドニー出身のTikTokerからポップスターへと変貌を遂げたMia Rodriguez(ミア・ロドリゲス)が、2021年のシングル『Billion Dollar Bitch』でさらにその名を有名にした。この曲は、ラッパーのYung Baby Tate(ヤング・ベイビー・テイト)のフューチャリングで、盛り上がるベースとラテン風の元気の良さに満ちた魅力あるハイプ・トラックである。TikToker時代から変わらぬEガール・スタイルは、ゴス風のグラマードールのイメージを基調とする。現代的なR&Bの魅力を備えた風変わりでエキセントリックな楽曲も中毒性が非常に高く、2022年に最も注目すべきミュージシャンの1人であることは間違いない。昨年のローリングストーン・オーストラリア・アワードで最優秀新人賞を受賞し、母国オーストラリアではすでにビッグスターとなっている。ルックスやバックグラウンドといい、Bella Poarch(ベラ・ポーチ)を彷彿とさせる。2022年は一体どんな音楽を世に送り出すのか。可能性を秘めた謎多きダークプリンセス。



3.【ラップ界の神童】

Beating Down Yo Block』のMonaleoはじめ、これまで以上にハードに攻める女性ラッパーの台頭なども顕著になりつつある一方で、最近のラップは、よりメロディックに、より繊細にというトレンドが続いている。

KayCyy

ケニア生まれ、ミネソタ州育ちのKayCyy。2021年に本名を「Ye」に改名したことや、アメリカいちのお騒がせセレブで元妻のKim Kardashian(キム・カーダシアン)との泥沼離婚協議など、全米ゴシップ誌の表紙を常に飾るKanye West(カニエ・ウェスト)の“最後の弟子”と呼ばれている。新レーベルYZY SNDと契約し、カニエ・ウェストの下でヒップホップのいろはを学び、グラミー賞にノミネートされたカニエ・ウェストの新作アルバム『Donda』では作曲を担当した。また、Lil Wayne(リル・ウェイン)やJustin Bieber(ジャスティン・ビーバー)らなどの楽曲にも携わっている。今年は、この24歳ラッパー・KayCyyの飛翔に期待したい。


wewantwraiths

イギリス系ソマリア人の覆面ラッパー、wewantwraithsは、わずか数枚のシングルを発表しただけで、そのハイテンションかつキャッチーなトラップウェーブで、数百万回のMV再生とストリーミング数を獲得。瞬く間にセンセーションを巻き起こした、まさにZ世代が誇るラップ界の神童である。



4.【多国籍ミュージック】

2021年のポップシーンでは様々なアフロポップが世界中のストリーミングサイトを盛り上げた。特に『alté(オルテ)』と呼ばれるナイジェリアを中心とするアフリカン音楽のオルタナティブ・ジャンルは、南アフリカ発の『Amapiano(アマピアノ)』と並んで、全米で今最も注目を集める刺激的なムーブメントのひとつとなっている。

Ayra Starr

若干19歳のAyra Starr(アイラ・スター)は、昨年、完璧なコンセプトと美しい歌声のデビュー作を発表し、異例のスタートを切った、オルテ・アーティストの1人。

Ayra Starrの今年のさらなる躍進を予測させる主な要因は、間違いなく昨年リリースした『Bloody Samaritan』の世界的大ヒット。デビューアルバム『19 & Dangerous』のリードシングルとして発表されたこの曲は、ナイジェリアで初となる女性ソロアーティストのヒットチャート第1位を獲得。米ビルボードの「Next Big Sound(次に来る音楽)」チャートで第2位に選ばれた。魅力的なバイオリンのメロディに引き込まれ、中毒性のあるアフロポップならではの魅力が凝縮された1曲。昨年7月にリリースされたばかりであることを考えると、Ayra Starrの現在の知名度そのものが、彼女の今後をより期待させる素晴らしい成果であると言えるだろう。


STAYC

2021年のポップミュージックは、ますますライトで遊び心に満ち溢れた楽曲が多く聴かれ、ポップスというジャンルそのものが、多様化によって定義付けるのが難しくなっている。

韓国アイドルグループの世界的大流行は言うまでもない昨今の最大の音楽ムーブメント。そんな中、2020年に結成した6人組ガールズグループSTAYCは、1st LPをリリースする前から多くのファンを獲得し、独自のファンダム・コミュニティを着実に築き上げてきた。メンバー全員が2000年代生まれのZ世代という、彼女たちの光り輝く甘いルックスとバブルガムポップな音楽性は、新曲が発表される度に世界各国のメディアで取り上げられている。2021年9月にリリースした1stミニアルバム 『STEREOTYPE』のMVは、すでに5000万回再生超え。テクニカラーなメロディーと心地よいポップセンスに日々磨きをかけ、成長し続けるSTAYCの爆発力に注目。


Pomme

Pomme(ポム)はフランスのシンガーソングライター。幼少期から児童合唱団やチェロを習うといった音楽教育を受け、中学2年生の頃にはCDを自主制作。オートハープという弦楽器を使って弾き語りするスタイルで、2019年に、2ndアルバムであり全曲をPomme自身が作曲した『Les failles』を発売。このアルバムはフランス国内でゴールド・ディスクに認定。2021年にはフランス版グラミー賞とも呼ばれるVictoires de la Musiqueにて最優秀女性アーティスト賞を受賞し国民的歌手の仲間入りを果たした。

フランス語でリンゴを意味するアーティスト名の「Pomme」。その名の通り、オーガニックな優しい歌声と一度見たら忘れない可愛らしいルックスで、ポストAURORAとして欧米のネット上でも注目を集めている。

2021年のクリスマスに、ジブリの名作映画『千と千尋の神隠し』の主題歌 『いつも何度でも』の日本語カバーを公式リリースしたことで、日本でも話題となった。もともとこのカバーは、ジブリ作品はじめ日本の文化が大好きというPommeが、2020年にフランスのテレビ番組に出演した時に即席で披露したもの。日本のフランス大使館文化部がTwitterで紹介したことをきっかけにSNS上で大拡散。スタジオジブリ公認のカバーリリースに至った。



5.【ロックTHEバンド】

Yard Act

Mark E Smith(マーク・E・スミス)率いるTHE FALLを彷彿とさせるようなYard Act(ヤード・アクト)のダークでユーモラスなポスト・パンクは、インディーズバンド業界そのものを崖っぷちから立ち直らせる可能性を秘めている。リードボーカルのJames Smith(ジェームス・スミス)は、まるでJarvis Cocker(ジャーヴィス・コッカー)のような辛辣な社会風刺と狂気的な人物描写を武器に、リーズからイギリスを代表するトップミュージシャンの1人としてすぐに挙げられるはずだ。英国らしい怒りと風刺の効いた辛辣な言葉で中世イングランドを揶揄するYard Actは、様々な音楽フェスティバルなどでの熱い盛り上がりや、マーキュリー賞へのノミネートなども期待されている。Yard Actには、それを可能にするだけのパワーがある。


Sub-Radio

再びTikTokから急速な拡散力をみせる注目の新星バンド。自宅の地下室から、見ず知らずのユーザーとルーレット形式でチャットができるWebサービス『Omegle』を活用して、ゲリラライブを行うSub-Radioの動画はTikTokを中心に多くのSNSでバズり続けている。またRedditを使ったオンラインコンサートでは、インディーズながらわずか4ヶ月で700万人以上の視聴者を獲得した。

昨年リリースした『Out of My Mind』は、ダンサブルなグルーヴ感と独特な音楽テーマが融合した1曲で、90年代風のギターとシンセ、そして熱く語りかける様なボーカルなどを中心に構成されたポップ・ロックである。様々な楽器の才能を持つ6人の幼なじみで構成されたSub-Radioは、ダイナミックで刺激的な90年代の音楽に対する彼らの音楽愛を象徴する楽曲ばかり。時代は変わり、ライブミュージックはオンラインプラットフォームを活用することがもはや主流となった。そんな今だからこそ、届けられる音楽がある。Sub-Radioの挑戦は、まだ始まったばかりなのだ。



6.【オルタナティブ】

Wet Leg

世界どの国の音楽関係者と話していてもよく話題に上がるのが、Wet Leg(ウェット・レッグ)。イギリスのワイト島出身の彼女たちのデビューシングル『Chaise Longue』は、話し言葉をパズルのように面白く組み合わせたZ世代インディーパンクの逸品だ。

曲の出だし「Mummy, daddy, look at me(ママ、パパ、私をみて)」の単調なライムがストリーミングサイトで流し聴き中の若者の関心を見事にフックする。かと思えば、「I went to school and I got a degree (学校で通信簿もらったの)/ All my friends call it the big D (友達みんなからビッグDって呼ばれたわ)/ I went to school and I got the big D(学校に行って私ビッグD貰ってきたの)」と続く。英語が主言語でない人々でも分かりやすいくらい、Wet Leg独特のマネしたくなるメロウなテンポで次々に韻を踏み、コミカル且つキャッチ―な歌詞で聴く者の心をがっつり掴む。

Wet Legは二人組。メンバーのRhian Teasdale(リアン・ティーズデイル)とHester Chambers(へスター・チャンバース)がシュールなユーモアを交えながら大胆すぎるくらいシンプルに、あるある話のようなとても風変わりなような歌詞を綴る。

「Would you like us to assign someone to butter your muffin?(あなたのマフィンにバターを塗る人を指定して欲しい?)」

この曲はリリース直後、全米のオルタナティブ・ソング・チャート入りを果たし、多くの音楽ファンを驚かせた。続くシングル『Wet Dream』と『Too Late Now』から判断するに、Wet Legの二人には、まだまだ人々をアッと驚かせるトリックの引き出しがありそうだ。2022年3月にはデビュー・アルバムのリリースが予定されており、Wet Legが大舞台へと旅立つ瞬間を今か今かと業界が大注目している。


Sad Night Dynamite

エレクトロニカ、ヒップホップ、そしてブリットポップの3本柱を融合したヒプノティックなサウンドが特徴のイースト・ロンドンを拠点に活躍する、ArchieとJoshからなるデュオ。Sad Night Dynamite(サッド・ナイト・ダイナマイト)のスタイルは定義しがたいが、あなたの耳を惹くことは間違いないだろう。2月にリリースされた彼らのバンド名を冠したデビューミックステープの中でも、最新シングル 『Demon』は特筆すべき反響を呼んでいるよう。南アフリカのミュージシャン、Moonchild Sanellyとの共同制作で生まれた 『Demon』は、電子的なインダストリアルで不吉な音階を奏で、大人気サッカーゲームFIFA22のサウンドトラックにも収録されている。

ダブ・ビートに幽玄なシンセ・サウンドとギターに、ホラーとファンタジーの入り混じったダークな世界観の歌詞をラップで語る彼らは次世代アーティスト筆頭注目株。どんどん進化していく彼らのサイケデリックな”鳥肌”ミステリー・ワールドはまだ始まったばかり。



7.【番外編 J-POP】

最後に、世界で活躍するプロデューサー陣から聞いた、日本国内の注目アーティストをご紹介しよう。

WurtS

「研究者×音楽家」という肩書きで2021年に本格的に活動を始めたWurtSは、作詞・作曲・アレンジ、アートワーク、映像制作に至るまですべてセルフプロデュースで手掛けるソロアーティスト。12月1日に1stアルバム『ワンス・アポン・ア・リバイバル』をリリースしたばかり。一度聴くと頭から離れない中毒性がある楽曲で、今TikTokで大バズり中。2022年ブレイク間違いなしの新人として注目されているソロアーティストWurtS。2nd EP収録の楽曲『分かってないよ』は、TikTokにはじめてサビが投稿されてから約1ヶ月で100万回再生を超える反響を呼び、リリース直後には次々とストリーミングサイトの上位となった。

どこかORANGE RANGEあたりを彷彿とさせる爽快なトラックにのせた、切なくもキャッチーな『分かってないよ』のサビには圧倒的な訴求力がある。そこに作り手に対する予備知識は一切必要ない。それでも、直感的に大勢の人たちがワクワクを共有し合えるポップミュージックとしての強さを、Wurtsの楽曲は兼ね備えている。「TikTok流行語大賞2021」や「LINE MUSIC 2021 トレンドアワード」などにノミネートされた話題性と実績から、今後は米津玄師超えを期待する声も多い。


新しい学校のリーダーズ

「歌い踊るセーラー服、青春日本代表」をモットーとする4人組のダンス&ボーカルグループ、新しい学校のリーダーズ(ATARASHII GAKKO!)。パワフルなダンスと独創的なパフォーマンスで人気を博し、TikTokのフォロワー数340万人を誇る。さらに今年1月には、アメリカの音楽レーベル『88rising』と契約を結び、世界デビュー。11月には、米LAでの2万5000人規模の音楽フェスでアメリカデビューを果たした。最近ではSNSの世界を飛び出し『news zero』や『めざましテレビ』で特集を組まれるなど一気にお茶の間での知名度も急上昇している。「Beastie Boys第4のメンバー」とも言われるマニー・マークをプロデューサーに迎えた初の全世界リリースアルバム『SNACKTIME』の収録曲『Pineapple Kryptonite』は必聴。


HITOMIN

カテゴライズ不要かつ自由気ままな音楽性と等身大を歌うラップで既にZ世代を中心とする情報収集の早いSNSミュージック・リスナーの心を掴んでいる。まるでアイドルアナウンサーのような美しいルックスとセンス抜群なファッションスタイルも新たなヒップホップクイーンと期待視される所以。昨年末あたりからTikTok上では、HITOMINがクラブでパフォーマンスする様子を至近距離でとらえた動画が数多く投稿され始めた。HITOMINに合わせ一緒になって歌唱するファン達の様子を撮影したこの数十秒の動画1つで総再生回数は190万回。彼女の楽曲がメインストリームに流れてくる日もそう遠くはないことがうかがえる。


杏沙子

こちらも同様にTikTokから誕生した新進気鋭の女性シンガーソングライター。2018年にミニアルバム『花火の魔法』でメジャーデビューした杏沙子の音楽は、歌手の松田聖子と、その作詞を多く手がけた松本隆に強く影響を受けたという。キャッチ―なポップメロディと物語性の高い歌詞で、若者から多くの共感を得ている。デビュー以前からYouTubeにアップした楽曲などが注目を集め、オリジナル曲『道』をはじめ、どれも100万回を超える再生数。人気シンガーソングライター・コバソロとコラボしたback numberのカバー曲なども、現在約2000万回再生という脅威的な数字を記録している。


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バズりまくり!世界で活躍する日本人音楽プロデューサー陣が選ぶ2022年大注目のアーティスト「洋楽&邦楽」

【参照】
https://www.thisisdig.com/feature/musicians-to-look-out-for-in-2022/
https://www.vogue.co.uk/arts-and-lifestyle/article/emerging-artists-2022
https://variety.com/2022/digital/news/shazam-5-artists-to-watch-2022-1235146436/



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