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ギリシャで火炎瓶を投げられた話

よく、ポケモンとかでムサシとコジロウが煙を巻いて逃げていく アレ。

催涙ガスって言う アレ。

主成分は唐辛子とかで、一度、ギリシャのアテネへ旅をした時に、火炎瓶と催涙ガスを投げられて思い切り吸い込んだことがある。


夏、5月頃、フランスに住んでいた時、小旅行でポーランドとギリシャへ行った。

ディズニーのヘラクレスが好きで、その世界観を感じて見たいなぁ、なんて軽い気持ちでギリシャ へ行ってきた。

ギリシャは英語は通じるが、街中の文字は

Ω  β  α  θ

こんな文字で、高校の数学で見た以来、なんかぞっとしてしまった。

当時付き合っていた日本人の彼との旅行で、夜はトリップアドバイザーで割と人気のレストランを食べようと言うことで夕食をとった。

テラス席で風通しも良く優雅に感じた。タコだかイカだかのサラダを食べた気がする。

そんなギリシャ 料理とやらを食べていると、黒ずくめの若者男性の集団が行列になって私たちのレストランを横切ってどこかへ行った。100人もいないくらい。普通のジャージのような洋服の上に黒の布を頭に覆って、マスクもしてた気がする。

なんだか嫌な予感がするなぁ…と思ったが気にせず食べた。周りの外国人たちも楽しそうに食事をしていたし。

それから10分経ったか、遠くから爆弾のような音が聞こえてきた。

まさかな、とは思ったが、そこから数分後、座っているテラスから通りを見ると、何だか煙い。それと、炎で何かが燃えている…?

黒い男達もやってきて、街中のガラスをガシャガシャと割っている。私たちが食事しているレストランにも来た。

やばい

と思い、荷物と食事を置いてレストランの店内へ入った。

男たちは何かを叫びながら、テラスにあった植木に火炎瓶を投げてきた。

植木が燃えた。

やばい、やばい、

パニックな周りと私の隣で、彼は冷静にスマホで録画している。ちなみに、その録画もしっかり残っている。いつか載せられたらと思う。

「Shutter down!!!!!!!!」

と、周りの客が言うと大きなブザーが鳴りながら店内のシャッターが降りてきた。

地下のトイレへ逃げる手もあったが、出入口が一緒なので、そこで奴らが攻め入って来たら殺されると思って、彼に、地下は絶対行っちゃダメ。と言った。

シャッターを降しても時すでに遅し。店内は煙でいっぱいだったが、ただの煙ではないことを知る。

喉が燃えるように痛い。

目がもげるように痛い。

これが催涙ガス。

息が思うようにすえず、よだれがダラダラと床に垂れ落ちていく。近くの濡れた付近で口元を押さえる。店内は赤ちゃんの泣き叫ぶ声。かわいそうに。泣くことで思い切り息をすうが、その煙も吸ってしまっている。

目は赤くなり、口からは滝のように唾液が出てくる。床を汚してごめんなさい、だなんて言う状況でもない。

少しすると、店員らしき女の人が外で叫んでいた。クソ野郎!みたいな言葉だと思う。知らんけど。

このままいたらやばいと思って、宿泊していたホテルが近くにあったので隙を見て走って逃げた。人生初の食い逃げ。

ホテルは割と高層階で、外の様子が見えるが…警察は来たものの、特別は対応は無く、警官同士で呑気に喋っている様子だった。

翌日、食い逃げは悪いと思い、レストランへ行った。開店の準備をしていた。

いいんだよ、大丈夫だよ。

と言ってお金は受け取らなかった。

オモニアという地区だったらしい。治安が良くないということで有名だそうで。調べてもニュースには載っていないし、日本大使館の情報にも私たちの出来事は載っていなかった。

黒ずくめの若者は、おそらく移民。ギリシャに移民が多いのは、海を渡って本当にやってくるらしい。

言葉も分からない、お金も家も無い。戦争地区から避難してきた人たちなのだろう。

避難で思い出すのは、映画 シン ゴジラで

「避難というのは、住民に生活を根こそぎ捨てさせるということだ。簡単に言わないでほしいな。」

というセリフがあった。

この人たちは、本当に全てを捨てて、でも、異国で出来る事がなく、自分達の存在の主張のためにやっているのかな。

なーんて考えたりした。真相は未だに分からず。


人生初の催涙ガスと火炎瓶

プチテロに会った話。


これが、人生で初めて死ぬ、

って覚悟をした出来事。


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