入院生活でなによりも感じたのは食事はかなりの楽しみだったこと #009 2週目

入院生活と同時にスタートした本格的なケトン食。正直なところを言うと、僕はこのケトン食を舐めていました。

脳腫瘍、しかも悪性腫瘍=死ぬかもしれないものということはもちろん理解しているので、「死んでたまるか」という気持ちで食事を我慢していたのですが、ストレスが溜まる溜まる。

もともと、僕は「味のしない飲みものを買う意味がわからない」と言いながらエナジードリンクやコカ・コーラをがぶ飲みしていた側の人間。
タバコは入院生活を送る中で普通に止められましたが、やはり糖断ちとなると激しいストレス!

米も食えない、麺も食えないと前回書きましたが、もちろんパンも食えないわけです。
母親が毎日夕飯を届けに来るようになってしまい、彼女が見つけてきた治療法で僕も家族もパニック状態。

僕はダイエットなんかもやったこともないし、基本的には我慢する生活を送ったことがないわけですよね。

そんなおじさんが突然のガマン!ガマン!ガマン!ときたらもう気が狂いそうでした。

初めの一週間くらいは、「サラダチキンだけ食っていればええがなwww」と余裕をぶっこいていましたが、2週間目に突入した時に気づいたのです。

昼飯そばしか食えないし、ブランパンまずいし(ブランパンがマズイわけではなく、毎日食っていると飽きる)
食事にそこまで興味がないと入院前、もとい脳腫瘍前には言っていましたが、大嘘でした。

興味アリアリ!ラーメンも食べたいし、米も食いたいし、パスタも食べたいし、食欲マシマシなんですよ。

まあ、1日が大まかにほぼ午前中で終わってしまう生活を繰り返しているわけで、食事以外に楽しみが見つからない。
Kindleとかで本を読んでいても飽きてしまうっていう日々を続けているうちに僕の中でも気持ちに変化が現れるのです。

「食事療法、もといケトン食やめてえ」と。
本格的にケトン食が本気になればなるほど、食事療法をやめたいという気持ちに。

別に彼女が言うこともケトン食も信じていないわけではないけれど、心が疲れてしまいそうになるのです。
抗がん剤、テモダールの副作用なども理解してくれるわけではないし、放射線治療に行くストレス、同室の患者がすごすぎるストレスなど、全てを理解してくれるわけでもないのに、なんで言うことを聞いているんだろうと。

なんで死ぬかもしれないのに、我慢をしなければいけないのだろうと。

1度マイナスに向かった感情は、グルグルグルグルとループしてしまい、消灯から3時間起きていることもあるみたいな感じでよくない。

「なんで、脳腫瘍になったのが俺なんだ?治るのか?この治療に意味はあるのか?」などとあまり考えてもよろしくないことをグルグル考えながら、2週目の治療も終えるのでした。

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