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プロテストから暴力へChaosのアメリカ

二日前にミネアポリスの白人警官が黒人容疑者を絞殺したビデオが拡散したため、アメリカでは各地で激しいプロテストが広がっている。NYでは、一昨日はマンハッタンでプロテストが始まり、昨日はブルックリンのバークレーセンターというところで大掛かりなプロテストがあり、200人以上もの逮捕者を出す騒ぎになった。

今日の会見では、この惨事に対して人間のあるべき平等の姿こそアメリカのあるべき姿であることを熱弁したクオモ氏によって、マーチンルーサーキング牧師の言葉が引用された。

“Returning hate for hate multiplies hate, adding deeper darkness to a night already devoid of stars. Darkness cannot drive out darkness; only light can do that. Hate cannot drive out hate, only love can do that.”

(簡単に言うと、憎しみが憎しみを呼ぶことは、星のない夜に暗闇を増すのと同じこと。暗闇は暗闇を追い払えない。光だけがそれを追い払うことができる。憎しみは憎しみを追い払うことはできない。愛だけがそれをできる、みたいなこと。)

そして、今、我々がフォーカスすべきは、暴力ではない、ということを強く表現すると同時に、クオモ氏は今回命を落としたエッセンシャルワーカーの人たちには本当に心を痛めていると、痛切な想いと感謝を述べると同時に、エッセンシャルワーカーを亡くした家族へのサポートを保証する書面にサインをした。

今日明日明後日と連続的に5つの区域でプロテストが予定されているNYでも大混乱はまだまだ続くことが予測される。

そもそも、今回のプロテストは、例のヴィデオの拡散によって全土に火がついたわけだけれども、もともとは、人種差別という火種は常々水面下に見え隠れしているこの国で、白人の警官による黒人への人権無視の対応というのは過去にも何回もニュースになっているし、この国で人権に敏感なみんなを最も刺激する出来事であるのは間違いない。

やはり、色々な人種が混じり合って平等に生きてこそアメリカというポリシーは誰もが少なからず持っているだろうし、もちろん人種関係なくそれを実行して生きようとしている人たちもいる。

ただ、今回のプロテストには、そもそもコロナウイルス問題によるロックダウンや様々な抑圧と言う問題が先にあり、それによって諸々のみんなの感情が吹き出て来た部分も少なからずあると思う。だから、ここぞとばかりにSocial Distanceは完全無視でみんなが一致団結とばかりに行動し、暴動に火を付けようとプロテストに参加したり、何もしていない警官に暴力を振るおうとしたりして逮捕されている人たちも多くいたりする。

だから、このプロテストにかこつけて、エスカレートしたり、暴動を起こしたりしている人たちもいるのは現状だ。

もちろん、今回のことはいたたまれないことだとしか言いようがないし、それが事実として拡散されてしまったことが大炎上を引き起こしても致し方がないと思う。

ただ、ここで本当に頭を冷静にして考えなくてはいけないのは、何を優先するかって言う問題も一つある。やっぱりあんな状態でプロテストが方々で行われていたら、警官もプロテストの人たちも感染の危険性どころではないと思う。

だから、クオモ氏も言ってる。何ヶ月もロックダウンで行動を制限されて、普通に外に出れない抑圧でフラストレーションがたまっている中、こんなことになって感情のはけ口がないみんなの気持ちは本当に良く分かる。その気持ちは本気でシェアできる。でも、だからこそ、暴力は答えではないと気づいて欲しいと。







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