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アライ(Ally)の『あり方』 と多様性の「ある」社会

オリパラ大会(TOKYO2020)から、注目が集まったジェンダー問題。女性蔑視反対、LGBT理解増進法案…また今年は多くのレインボープライドがオンラインで行われたこともあり、SNSやライブ配信を通してこの問題に触れる機会が多かったのではないでしょうか。

同時に、アライ(ALLY)という言葉の認知も加速しているように感じます。

一方で、アライ(ALLY)が何かのブームや、形骸化することへの懸念もあります。当事者・非当事者の構造になりがちなアライ(ALLY)について、『あり方』としてジェンダームーブメントや当事者との分裂構造について考えました。

アライ(ALLY)…LGBTQ+をはじめとするセクシャルマイノリティの人たちに味方であることを示すことや、示している人たちのこと。


空前のジェンダー意識の向上でブーム化した『アライ(ALLY)』

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オリパラ大会(TOKYO2020)は、組織委員会で問題となった女性蔑視発言やトランスジェンダー選手の参加など、国民全体のジェンダー意識が高まるキッカケにもなりました。

これまで停滞していたガラスの天井問題や、セクシャルマイノリティへの差別問題が浮き彫りになり、政府や組織委員会などへの批判や声が一気に噴出。そしたセクシャルマイノリティに対する理解や支持の表明として『アライ(ALLY)』の考え方が広まりました。

およそ半年間で広まったジェンダームーブメントで、『アライ(ALLY)』は一種のブームになったといえます。

SNSのプロフィールにレインボーフラッグ🏳️‍🌈をつけたり、一人称を自称する『she/her』を書いたりする人が増えましたよね。


多様性は『認めるもの』なのか

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ジェンダーやセクシャルをはじめとした多様性というワードには、よく『〜を認める』という言葉が使われます。

しかし、多様性は『認める/認めない』といった答えが必要な問題なのでしょうか。

例えば、隣人の苗字が『名前』さんだったとして、「名前という苗字は珍しいけども多様性の一環として認めよう」と考えるでしょうか。

きっとあなたは、「変わった名前だな」と思いながらも、翌日からゴミ捨て場で顔を合わせたときに「名前さん、おはようございます!」と挨拶を交わすようになりますよね。

多様性は『認める/認めない』と言った問題ではなく、そこに『ある』という事実だけが存在するものです。

『多様性を認める』という言葉には、どこかに差別やマジョリティであることへのおごりのようなものが見え隠れしているのです。


多様性がある社会の中の『アライ(ALLY)』

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冒頭でも何度か紹介されているように、アライ(ALLY)は、LGBTQ+などのセクシャルマイノリティの人たちの味方となり、支持する存在です。

もともと多様性が存在しているこの社会で、彼らが不合理な差別にあうことがなくなるまで味方としての意思を表明します。

それは彼らを『認める/認めない』といったことではなく、同じ人として寄り添い考えることでしょう。

異性愛のマジョリティを押し付けたり
無意識(あるいは意識的)にマウントをとったり
過剰に保護しようとしたり
特別に扱ったり
「友達にレズ(ゲイ)の子がいる」と迎合や無意識のアウティングをしたり

---するもの、ではないのかもしれません。


ジェンダーの前に人権を意識する

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個々人が幸せな人生を送るために、他者の権利を侵害しない限り守られる『人権』。

・生きる権利があること
・他人にとやかく言われないこと
・不合理な差別に合わないこと
・自分の思う通りに生きること

これらはジェンダーやセクシャル、人種、年齢に限らずに、生まれた瞬間に誰もが持っている権利です。

人権基準で考えたときに、ジェンダーやセクシャルなどを理由に不合理な扱いを受けていたら、それは差別であり声をあげるべき問題なのです。


LGBTQ+への差別にみんなで『NO』という社会

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もともと多様性はあった社会ですが、長い間、異性愛や男尊女卑が主体の仕組みづくりが行われていたので差別や仕組みによる不具合が出てきています。

旧来の仕組みや人々の考え方を変えていくためには、『みんなで声を上げる』というアクションが必要な場面もあります。

そのときアライ(ALLY)は、セクシャルマイノリティにとって心強い味方となる場合もあるでしょう。

アライ(ALLY)のあり方自体に正解や不正解があるわけではないのですが、あくまでも当事者主体の味方としてアクションすることが大切。ジェンダームーブメントをただのブームに終わらせないためにも、アライ(ALLY)自体も社会とともに成熟させていくものかもしれません。


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