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薫る風(かおるかぜ)

てんきごじてんによれば「『薫風(くんぷう)』の訓読み。若葉のあいだを吹き抜けて、初夏の香りを運ぶ風。『南薫(なんくん)』ともいう。

だそうで。
この「薫風」とやらは「若葉の間は・・・(中略)・・・。温和な風。『薫風』は漢語で、のちに『風をかる』と和語で用いられるようになった。」と云う意味だそうです。

もはや「若葉の間を吹き抜けて、初夏の香りを運ぶ風」という言葉そのものが一つの文学作品ですよ・・・。
太古の中国でも同じ風が流れていると思うと身震いしてしまいます。

「風をかる」は私の探し方が至らぬこともあり、意味を調べられませんでした。申し訳ございません。


ガラスヒバァ Hebius pryeri

さてさて!本日も久米島の記事となります!どうぞお進みください。


サムネイルを飾ってくれたのはこの蛇。
古く、文明時代から人間の感性とやらは多少民族での差異はあれど、おおむね共通しているものなんでしょうね。

久米島のガラスヒバァは脇腹に滲んだ錆のような色が出てる個体をよく見かけます。
まぁ多分、別種とまでは言わずとも多少なりとも沖縄や奄美との差異はあるのでしょう・・・いや、全く同じ可能性もありますが(笑)


どうやら、やたら気が立ってる個体と鉢合わせてしまったようで、レンズの向きを変えるたびに口を大きく開ける始末・・・。

真っ赤な虹彩が本州のシマヘビを想起させます。


もう1匹も出逢えたんですが、打って変わってこちらは静かで穏やかな個体でした。

う〜ん。こう見るとうっすらガラスヒバァの体の各所に滲んでいる「赤錆色」が写真全体に均等に塗されているような見え方になりますねぇ。


デジタル化が大流行の昨今、私のようにミラー一眼に異様なこだわりを持って活動していく人は今のフィルムカメラユーザーのように特異な立ち位置になるのでしょうか。

別にこれを危惧しているわけではなく、ただ少しだけ憂うのです。その中で生まれるミラー一眼の作品もまた、興味深いものになるんじゃ無いかしら。そう思うだけです。


クメジマオオサワガニ Geothelphusa kumejima

紫色・・・しかも絵に描いてありそうなくらいの紫色。
こちらは久米島固有種で国内希少野生動植物種に指定されている「クメジマオオサワガニ」と云う生き物です。


話は変わりますがこうして文章を書いていると、意識している中での上位は
・「構成」
・「韻」
・「繊細さや不気味さといった字面を目で見た時のパッと抱く印象」

の、三つである事に気が付きました。

別に物書きで食っていくわけでは無いので、私の文章や語彙、描写力みたいなところの稚拙な部分は読者の皆様のご好意に甘えさせていただいておりますが、以前よりは随分スラスラと書けるようになったもんだな、と思ってしまいます。
そうですねぇ〜。上記三つを踏まえた上で自身が書いていきますと、それはさながら作曲家が愉悦に浸って自分の書斎のピアノの上で交響曲を五線譜に書き殴っているのを固唾を呑んで見ている弟子のような心持ちになります。


タイトルを「風の名前」にしたのは我ながらあっぱれなもんだなと自賛してしまいます。

生まれてから色んな、実に多様な一つ一つ異なる風を浴び、それらを全て記憶していました。
その時の風を表す文字が背表紙となって、その時の映像が背表紙の中の映画であり、それが脳内に流れ、気づいたらその時のその場所に自分が立っているのです。
チンケな言い方をするなら「タイムスリップ」した、とこんな具合です。

すなわち、私は風に関する思い出で、話のネタが尽きることは無いと云うことです。


皆様にもお付き合い頂き感謝です。

それでは、ごきげんよう。良い1日を。


お楽しみいただけましたら幸いです^^