国際結婚と宗教デビュー

私は近々、インドネシア人の彼女と結婚する予定です。
先日、生まれて初めて大使館なるものに行って手続き上必要な書類を発行してもらいました。

その手続き用紙の中で自分の宗教を申告する欄がありました。

インドネシアでは5つの宗教「イスラム教、ヒンドゥー教、キリスト教(カトリック・プロテスタント)、仏教、儒教」が国教に定められています。国民は必ず何かしらの宗教に入っています。

ちなみに彼女はイスラム教です。
結婚する場合、私もイスラム教に改宗する必要があります。なので近々改宗をしに人生初モスクへ行くことでしょう。

そして私は改宗する必要に迫られて思うことがありました。

「そもそも宗教って何だ？？」

圧倒的に宗教についての理解が無いのです。
だって学校じゃ教えてくれないんだもん。
怪しいイメージしかない。

教えてくれないなら自分で勉強するしかない！
そう思いとりあえずインドネシアの5国教くらい知っておこうと思いました。

ちなみに主な勉強コンテンツは
・中田敦彦のYouTube大学
・書籍
・コテンラジオ
・note
などです。非常に楽しく学べました。

特にコテンラジオはめっちゃ好きで、実は月額サポーター会員に入っております。歴史に関するラジオ番組でSpotifyやAmazon primeのポッドキャストで無料に聴けるのですが、お布施のつもりで課金しております。是非聴いてみてほしい。

一通り宗教について学び、自分なりに解釈して落とし込んだ結果「宗教＝OS 」という解を得ました。

そう、OS(オペレーティングシステム)です。iOS、Windows、Androidなどスマホやタブレットには何かしらのOSが搭載されています。「スマホ」という種類の小型家電であることは共通でもOSによって操作・運用・運転の仕方が違うのです。

これを人間と宗教に当てはめるとしっくりきました。世界中の人々は等しくみんな「ヒト」という生物ですが「キリスト教OS」「イスラム教OS」「仏教OS」など別々のOSを搭載して生きているのです。

ちなみに無宗教を名乗る人は「無宗教OS」だし、神なんていないと思っている人は「無神論OS」です。

「OS」は思考のコンセプトです。哲学とも言うかもしれません。

Androidを搭載したスマホに「Hey,Siri」と言っても普通は反応しないと思います。プログラムを書き換えない限りは。
それと同じように「キリスト教生活圏」で生きてきた人が知識(プログラムの書き換え)のない状態で、「儒教生活圏」の人の考え方を理解することはそうとう難しいです。

例えば現代日本人は「神道」「儒教」「仏教」が混ざり合ったOSを持ち合わせてる人が多いのではないかと思っています。

多神教の神道OSをもつ日本人からしたらキリスト教やイスラム教の唯一神的考え方はしっくりこないのではないでしょうか。

日本には八百万の神様がいて、天照大御神や須佐男など有名な神様も存在します。しかし神社で「神様お願いします！」とお祈りするときに「天照大御神様お願いします」のように具体的な神様にお願いする人は少ないんじゃないでしょうか。この漠然とした何でも願いを叶えてくれそうな絶対的な概念こそ、一神教の神ではないかと私は考えています。

ちなみに「仏教OS」視点で見るとこの「神」という概念は「真理」に置き換わったりする場合もあるのではと思いました。キリスト教では神の前で全ての人は平等。仏教では真理の前で全ての人は平等。

このように宗教OSが違うと思考のベースとなるものに相違ができ、相互理解がしにくいのです。逆に言い換えると宗教というコンセプトパッケージがあるからこそ同じ宗教の人同士は分かり合いやすいのです。

自分は宗教の影響を受けていないと思って生きている人は多いのではないかと思います。しかしほとんどの人は宗教OSによって多少なり思考をコントロールされているのです。

もし今日から「神道OS」を消去することが出来たらおそらく神社の鳥居を破壊しても何も感じないはずです。

もし今日から「儒教OS」を消去することができたら、明日から先輩や上司に対して臆することなくタメ口で話しかけることができるでしょう。

「鳥居を壊すだなんてそんな野蛮なことできるかよ！」
「目上の人に対してタメ口だなんて世間が許してくれない。」
そう思ったあなたは立派に宗教的価値観を持ち、宗教による社会管理システムの中で生きているのです。

今後、私はイスラム教OSをインストールし、イスラム教OSを搭載した人々の思考や社会システムに触れることとなるでしょう。

すでに私の中にある神道や仏教、儒教のOSはイスラム教OSと上手く調和することができるのか。
もしくはイスラム教OSの世界に馴染みすぎて、既存の私の中のOSを書き換えてしまうのか。

未来は「神様お願いします！」のときの漠然とした神のみぞ知るのかもしれません。