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漆染め抗菌マスク、つくりました

漆染めという草木染めでマスクを企画、販売しています。

漆染めはウルシの木のチップを使って染める方法ですが、地元でも細々と作っていました。きれいな黄色が特徴的なのですがあまり世間には浸透していない染め方です。

でも、漆の塗膜には高い抗菌性があることが分かっていましたし、柿渋染めも抗菌性があるので、漆染めもなにか効果があるだろうと検査機関に測定を依頼しました。

その結果、

強い抗菌性があることが分かりました。抗菌性がある、よりも1段階上の「強い抗菌性」です。

加えて、繰り返し洗濯しても抗菌力が落ちず更に高まることが試験結果で判明しております。一般財団法人ボーケン品質評価機構による品質試験は、抗菌活性値が洗濯0回で3.7、洗濯10回で5.7。(SEKマーク繊維製品認証基準では抗菌活性値2.2以上で抗菌効果があるとされています。)

3.0以上であればJIS基準では「抗菌効果に強い効果が認められる」そうです。

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おそらく、媒染染めした際の成分が完成時にはまだ残っていてそれなりの数値になっており、洗うことでその成分が取れて漆本来の抗菌性が発揮されて徐々に数値が高くなっていくのではと推測しています。

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漆染め、なんだかかぶれそうだなという方もおられるかもしれませんが、

天皇陛下が即位の礼でお召しになる「黄櫨染」は同じウルシ科のハゼで染めた草木染です。ハゼももちろんかぶれます。

十分に乾燥させた木を使いますし、漆液が入っていない幹の部分をチップにして染めるので、かぶれの心配はもともとありませんし、長い皇室の歴史がかぶれの恐れがないことを証明しています。

販売を開始して1ヶ月経ちますが、かぶれの報告はいただいておりません。

そしてなにより、このナチュラルな色がいいです。その日の服装にもコーディネートできるのではと思います。

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タイプ:ホールガーメントタイプとニットタイプの2種類
色:カーキ(鉄媒染)、イエロー(錫媒染)、ダークブラウン(鉄媒染)の3種類 ※青漆色を追加予定
価格:2,300円〜2,400円

現在、インターネット通販にて予約販売中

https://japanjoboji.thebase.in/ (葆光庵)


実店舗では上米内漆工房(JR山田線上米内駅内)、いわてヒューマンギャラリー(盛岡駅西口アイーナ内)にて販売。今後販売箇所を増やす予定です。

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マスク需要が高まる中、抗菌性に優れ、SDGsの観点に沿った循環型の天然素材「漆」を活用した、岩手ならではの理想的なマスクです。

地元新聞でも紹介されました。

20200703漆染め読売新聞







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