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大麻情報サイトPotNaviの運営者Mikeさんへのインタビュー

アメリカの合法大麻事情を日本語で発信する大麻情報サイトPotNaviの運営者Mikeさんが来日され、お話をお伺いする機会に恵まれたので、事前に質問を準備してQ&A形式のインタビューをさせて頂きました。(Mikeさんのプライバシーへの配慮からお写真やお名前は伏せさせて頂きます。)日本在住経験のあるMikeさんはとても気さくな方で、しかも日本語ペラペラ!アメリカの大麻事情に精通されているうえに日本の事情も深く理解されています。

私たちはまず、国分寺のらーめんムタヒロで腹ごしらえをして、Mikeさんのご希望で東大和市の東京都薬用植物園で実際に栽培されている大麻畑を見学しました。Mikeさんはヘンプとしても知られる産業用大麻であるサティバ種の大麻の大きさにとても驚いて写真を沢山撮っていました。

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大麻をこよなく愛するそんなMikeさんのご様子を見ていると微笑ましい気持ちになりました。大麻は昼と夜の長さが同じになる秋分の日の一ヶ月前頃から開花するといわれているので花を観たいと思っていましたが、開花はまだでした(2019年9月6日現在)。

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実際に大麻の花を観たいという方はこれからが絶好のチャンスです。大麻の他にもダツラとして知られるチョウセンアサガオ他様々な薬用植物が観察できる東京都薬用植物園のホームページはこちら

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さて、もう一度国分寺に戻りスタバでiPhoneの録音アプリのスタートボタンを押すと時刻はちょうど16:19分でした。

Q. 今回の日本への旅行の目的はどんなものでしょうか?

A. これはどっちかというとビジネスと関係なく、プライベートで来ています。

Q. PotNaviのサイトを初めてみたときに、日本語ではあまり報道されない海外の大麻事情に関する情報の豊富さに驚き、一体どんな人がどんな目的で運営しているのだろう?と興味を抱きました。日本語で大麻情報を発信しようと決意したきっかけはありますか?

A. あります。シアトルも2015年ぐらいから合法化してるんだけど、その時に引越しをして日本語で栽培場の大麻ツアーをしようと思ったんですよ。でもその宣伝をしてもいいっていう所がほとんどないんですよ。例えば現地で日本人が読むような日本語の新聞とかでも、「いや、その言葉は入れません」というような状態があったんですよ。未だに「いやごめん、そういう宣伝は出さない」というようなところが多い。だから自分のビジネスを宣伝するためにつくりました。自分のバナーとか入れられるように。それだけ。私も例えば7年前に海外で買いたいと思ってたんだけど、どこで買えばいいかわからなかった。店自体はどこなのか?なので、どっちかというと記事をつくるよりも私は販売店の場所を教えたかった。買いに行きたい人は、じゃあどこで買えばいいのか、ちょっと役に立つ情報を入れたかったわけです。

— そのツアーは面白そうですね。

たぶん面白かったと思う。ただ実際にそれに興味を持っている日本人はそこまで人数はいないと思う。シアトルにわざわざそのために行く人たちも少ないと思うんですよ。ロサンゼルスとかハワイだったら日本人観光客は多いんだけどシアトルはそこまででもない。参加した人たちは楽しかったとは思うんですけどね。でもまあ、ちょっとビジネスにはなりませんでした。

— 長期滞在して学べるスクールみたいなものにすれば、もしかしたら却ってそういう所の方が人は来るかもしれないですよね。

そうですね。ただちょっと難しいところは、例えば栽培の仕方を勉強したいとすれば、だいたい3〜4ヶ月ぐらいは掛かるんですよ。でもビザが3ヶ月までなので、その勉強をしてる人は一回アメリカを出る必要があるかもしれない。だからそのタイミングがやりづらいところだと思うんどけど、でもそういう学校があれば役に立つと思います。

Q. 最近のアメリカでの大麻に関する動向で最も興味深いと感じていらっしゃることはどんなものでしょうか?

A. ヘンプのパッズですね。ホントに最近、大麻から、もうヘンプに力を入れているところが結構あるんですよ。なので意外にそれが大きなビジネスになってきています。ヘンプはアメリカでもう合法化されてるし、どんな州でも作れるから色んな州でみんなどんどん栽培しています。

— やはり健康第一で考えて幅広い客層があるものというとどちらかというとヘンプの方になるんでしょうか?

そうそう。全国レベルなので。大麻はその州だけ。お客さんは限られてる。

— そんなにトリップしなくてもいいから健康に役立つものをという人たちは結構多いですか?

ハッキリ言って私もヘンプのパッズを吸うと、これは素晴らしいとか特には自分では思わない。でも普通の葉っぱと混ぜると悪くない。だからCBDとTHCが両方入ってるとなかなかいいと思います。CBDだけだと私にとって効果はないと思うんだけど、でもまあ、そういう意味ではCBDのヘンプはいいと思います。アメリカのヘッドショップに行くとだいたいみんな今、CBDのパッズを置いてます。どこに行っても。

Q. 世界的な大麻規制緩和の動きは人類の生活に大きな影響を及ぼすと思われますが、世界中で大麻が合法化された未来にどんな希望を抱きますか?

A. どんなメリットがあるかということ? オーケー、まず、お酒を飲む人が減ると思う。もちろんお酒の会社からみるとそれは好ましくない結果だろうけど、でも社会からみるとそれはむしろ大歓迎じゃないですか。お酒はある程度飲んでも楽しいんだけど、でも飲み過ぎちゃったりすると体を壊したりする人もいるから、それが減ることはあり得ると思う。あと、さっき野中さんが言ってたようにストレスを感じてる人たちにとっては、なんていう?... “安らぎ”...ですかね? そう、例えば一日中会社で大変じゃないですか。家に帰ってちょっとゆっくりしたい。よく見るんですよ。会社から帰って来て、「今日最悪だった」っていう人がいる。

— (笑)

でも一本だけ吸うと...もう、ストレスフリー。全員が。周りの人も。だからとっても...

— アハハ(爆笑)すごい今のはCMに使える、”ストレスフリー”

そう、あのう、これはいいと思います。あとさっき言ってた、お酒を飲む人は暴力的になるでしょう? 大麻はそれはないからピースフルな社会になるんじゃないかなと思います。

Q. 日本で大麻取締法改正を成功させるためにはどのようなアクションが有効でしょうか?

A. サイン(署名活動)をしてること自体はいいと思います。とにかく、話さないと何も変わらない。まあ、みんなに突然「この人は葉っぱの話しかしない」とか思われるのは嫌かもしれないけど、でも言うことはたいして悪くない。日本はよくわからないけど、アメリカで実際に10年前、合法化される前からもそうだったんだけど、自分がちょっと勇気を出して誰かにこの話題について話すと、意外にみんな、「だったら別にいいんじゃないですか」って言う人が、意外に多いんですよね。とにかく普通に話すと、普通にみんな慣れてくる。

— 自分もそういう経験あります。意外と近くにいるっていうか(笑)

そうそう。今まで知らなかったけど、この人好きなんだとか興味あるんだって、そうやって人をみつける。ホントは恥ずかしがる必要はない、ただのモノ、ただの植物、人間が何千年も前から利用してるからそんな怖れるものではないっていうことをどんどん、どんどんみんな、手上げた方がいいと思う。で、まあその活動、出来れば団体を作るとか、それはいいと思います。それぐらいかな。あとで何か考えるかもしれませんけど。

— はい。じゃあ思い付いたらまた教えてください。

とにかく表で言った方がいいです。まあ、自分の名前をPotNaviに出さない私が他人のことを言えないけど。

— でも匿名っていうのも一つの方法ですからね。だからこそ語れるみたいな。

そうなんです。

Q. 最後に、日本での法改正を望んでいる人たちにメッセージをお願いします。

A. 是非、頑張って欲しい。まず、日本の経済効果はあると思う。日本はアグリカルチャーは上手くて、植物、盆栽とか日本人は植物文化が強いと思う。だからいいものが作れると思う。例えばヘンプにしても普通の大麻にしても、やっぱり日本の質がいいと思う。で、田舎に行くとオレゴンもそうなんだけど、ヘンプが新たなビジネス、例えば今までトマト、ブロッコリー、この二つしか栽培出来なかったものがもしかしてもう一つ栽培出来て、ファーマーたちのビジネスになる。

— 日本でいう街おこしとか

そうそう。田舎の町が大麻で有名になったりとか、多分、人が引っ越ししていくんじゃないかなという気がします。わかる?好きな人は、行きます。だから日本にとっては非常にいい影響が出ると思うんですけどね。アメリカで合法化する前に、みんなが合法化にしたら大変なことになる、子どもがみんな吸うとか思ってたんだけど、全然そうなってなくてむしろ、やって良かったと思ってる人が多いです。だから、日本も多分そうなると思います。今までなんでそんなに怖がってたのかがわからない。はっきり言ってアメリカで合法化されて、あんまり何も特に悪化してないし、生活はだいたい今まで通り。多分日本もそうなる。ただもう一つ嗜好品が増えただけ、そういう印象。悪い影響は特にない。それを言い出して欲しい。あと、ごめんなさい、もう一つ日本人が何が出来るかで私がよく思うのは、姉妹都市ってあるじゃないですか。例えば私の実家のポートランド、オレゴンは札幌と姉妹都市なんですよ。で、札幌の雪まつりとかはポートランドの人が毎年出るんです。たまにポートランドの市長が札幌に行ったりするんですよ。で、代わりに札幌の市長とかがオレゴンに来ることがあるんです。そういう時に例えば札幌の人が市長に会うときに、「オレゴンで大麻合法化されたんだけど販売店に行きます?ヘンプのファーム観に行きました?」とか訊けば、「じゃあ今度行くとき向こうの人に、販売店に連れてってくださいって言うか」ということになるかもしれない。関係はもう出来てる。例えばシアトルは神戸とか。既に街はそんな関係があるから知りたいと思ったらその街の誰かに訊くことが出来る。一般市民がそういう交流に参加出来たらいい情報は取れると思うんですよ。私の説明が下手なんだけど、でもそのシステムはもともと国際交流をするために出来てるわけだから、ここにないものがここにある、じゃあそれはこうして何かいいことありました?とか情報の共有、情報収集になると思います。そういうシステムをどんどん利用すればいいんじゃないかなと思います。

—なるほど。興味深いお話が聴けました。ありがとうございます。

ありがとうございます。

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