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農薬や添加物を無理矢理食べさせようとはしません。

花粉症のような症状が続いたTさんは、やがて柔軟剤臭でも同じ症状がでるように。

滋賀県での3回目の 香害ガイダンス。
今日は45名がオンラインで視聴くださいました。

主催のTさんはご自身も香害被害者で、健康・自然食品を扱うお仕事をされています。京都でのガイダンスに参加いただき、ぜひ、ご自身の地元でもとお誘いいただきました。

1回目と2回目は連続で。それぞれ、10数名のご参加者。地元の金融関係のお仕事をされている方にもお声掛けをいただきました。

Tさんは、もともとは香料で化学物質過敏症を発症したのではなく、大量のコピーを取る事務室で発症したのではないかと言います。

コピー紙やインクにもイソシアネートという物質が使われていようです。今回、柔軟剤や合成洗剤で問題になっている「マイクロカプセル」素材のひとつです。イソシアネートはぜん息や皮膚炎、発がん性なども指摘される物質です。

Tさんは、花粉症の様な症状がいつまでも続いたといいます。
耳鼻科にいっても原因不明で、薬も効かず、精神科の受診を勧められたとか。

コピーはパソコンや安価な印刷ができるようになると、Tさんの事務所でも以前のように大量の枚数を刷る機会が減り、その頃から症状は回復傾向だったようです。ところが、香料ブームとなり、柔軟剤や合成洗剤に高濃度の香料を感じるようになって、以前よりひどい反応をするようになったのです。

化学物質過敏症って病気なの?

これは、シックハウス症候群で化学物質過敏症を発症した人も同じです。

建材などに含まれたホルムアルデヒドで発症した人たちは、家内を改築したり転居したりして、ようやく一安心と思っていたところに、隣家からの香料臭が昼夜を問わず流れてくるようになりました。換気を求められていた家から一転、今度は窓を開けることができなくなります。

窓を開けて柔軟剤臭に耐えていると、くしゃみや鼻水が止まらず、咽頭が痛くなったり、皮膚炎が起こったり……まずは粘膜への刺激が始まります。突然偏頭痛の発作のようなことが起こるという人もいます。

花粉症や有機溶剤中毒になった方なら、少し想像がつくかもしれません。花粉症はある程度抑える薬があるようですが、香料物質の含まれた商品によって起こるアレルギーや中毒のような症状を弱める薬はいまのところありません。

化学物質過敏症を発症した人は、たとえば柔軟剤や合成洗剤、消臭剤のないところであれば、一息つくことができます。ほかにも反応物質はあるのですが、これら生活に関わる大衆商品は、避けようがないところが問題です。本来、病者ではない人が、ある物質、ある商品の元では不調が起きてしまうのです。

社会が障害を生んでいる。社会状況が変われば病者ではなくなる。化学物質過敏症って、いったいなんでしょうか。

ウイルスも香料も同じ。目にみえないから平等。けれど、化学物質過敏症の人には香料はわかります。

ことは空気問題です。

食べ物であれば、添加物や農薬、アレルギーのある食品を敢えて口にしようという人はありません。
わが子に、アレルギーがあるとわかっていて牛乳を飲ませる親はいません。
花粉症の人が、杉の木の元に家を建てようとは思いません。
農薬や添加物は、だれでもできれば口に入れたくはありません。

そして、それらを、他人の口に無理矢理入れられることはありません。

もし、それらを他人の口にねじ込んだら犯罪です。

それは、個人の好みの問題、とは言いません。

でも、香料はどうですか? 沢山の人が仕事もままならず、学校にも行くことができず、友だちと遊ぶこともできない。自宅も安住の場ではない。映画もライブも山歩きも自粛。

外出したあとは、玄関で服を全て脱ぎ風呂場に直行し、夏でもマスクは欠かせない人が多い。苦しいだの暑いだの言ってられません。転居も車上生活もありです。

でも、化学物質過敏症の人は意外と健康。ウイルスが見えるのです。いえ、香料や化学薬品を感じるのです。だから、避けるように暮らすことができれば、すこぶる健康です。感じない人はひどく曝露しています。

それでも、反応物質を避ける暮らしは大変です。新型コロナが何年も続いているようです。生存権の侵害です。

みんな感じないから、なにごともないと思っています。

でも、もう、どこもかしこも10年前と比べたら「クサイ」のですよ。香水を大量につけた人がエレベーターに乗ってきたら、みんな顔をしかめるでしょう。街中あの状態なのですよ。

なぜって、あなたの嗅覚が香りに「順応」しているだけなのです。

あ、カルトなんかではないですよ。ほら、香料の生産量増えてますよね?

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日本香料工業会の「香料統計」から作図しました。

とくに、輸入が増えている。EUで禁止されていたり、アメリカやカナダでは香料にはアレルギー物質をはじめさまざまな問題がありそうだということで、「フレグランス・フリー・ポリシー」を遵守するといった行政や学校が出てきたりで、香りにマナーや常識が変わりつつあるようです。

でも、日本はまだ「清潔信仰」や「香料ブーム」が始まったところということでしょうか。

香料はイヤでも鼻に入ってきます。健康被害があっても我慢を強いられます。

どうして、香料商品が野放しなのでしょうか。

なぜ、被害の声がたくさんあるのに作り続けるのでしょうか。(最近はマイクロカプセルを使用しなくなったという話もありますが)

なぜ、香りの商品を買い、使い続ける人がいるのでしょうか。


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