雀荘のヤバ客たち紹介
基本的には雀荘に来るお客さんというのは遊びに来ていることもあり、大らかで心の広いお客さんが多いです。
しかし、中には言ってることとやってることがやばい、通称
「ヤバ客」
がいることも事実。今回はそんなヤバ客たちのエピソードを紹介します。
今回の目次です
昔働いていた雀荘でのこと。新規でAさんというお客さんが現れ、ルール説明に移ろうとすると、Aさんがタブレットを取り出し、
Aさん「僕は病気で喋ったりが難しいです。発声は曖昧にならできますが、それでもよいでしょうか?」
といったことを筆談で説明。
店長とも相談したが、曖昧な発声でも出来るなら問題ないとして遊戯を許可していた。
そのAさんが通うようになり数か月が経ったころ、常連の一人がそのAさんと打ったあとの帰り道、
常連「あのAさんって人、山から牌抜いてるよ。左手芸ってやつ」
との相談が。それを聞いたとき、最初は信じられなかった。Aさんは性格はおだやかで、とてもそんなことをする人には見えなかったからだ。
しかし、それから数日も経たないうちに他のお客さんからもAさんがイカサマをしているという報告があった。その後メンバーも凝視して見ていたら、明らかに山から抜いていた。複数のメンバーが見ていたため、その場でメンバーが
「もう山から牌を抜いているのは見えているので、このゲームで卓から抜けてください」
というメモを見せて、抜けてもらった。卓から抜けたAさんから事情を聴くと、
Aさん「上家のババアが遅くてイライラしてやった」
というとんでもない言い訳をする。いくら遅くてもイカサマはしないだろうし、そのババアがいないときにもしてたんだろと聞いていたメンバー達が心中で突っ込みをいれ、そのまま出禁となった。
ちなみにそんなAさんだが、後日病気の人を題材にしたテレビ番組に出演していて、
Aさん「僕は病気には負けません」
とコメントしていた。自分はそれを見て
(イカサマの誘惑にも負けてほしくなかった…)
と思ったのだった。
その店にBさんという麻雀プロが通っていた。彼は最初店に来たときは温厚な性格の人で店のスタッフにも優しかった。
しかし、ある日からなぜか店に頻繁にクレームを入れてくるようになった。あのメンバーが気に入らない、お店の決まりが合わないなどなど。
その後、店のルールが変わった影響でBさんは店には来なくなりお客さんではなくなったのだが、それからも
Bさん「メンバーのSNSでの言動が気に入らない。ツイてなくて何も出来なかったといったツイートをしているが、メンバーが口にしていい言葉ではない」
といった些末なクレームをわざわざ店に入れてくるようになった。そしてその中で一番やばかったのが、
B「この店のメンバーはどうしてセットをやったらダメなんだ!俺は仲のいいメンバーをセットに誘いたいんだよ!」
というもの。当然だが、フリーのスタッフというのはフリーの卓を繋げるためにいるのであって、セットを打つ補充要員ではないので、セットは禁止の店の方が圧倒的に多い。
最初はまだまともだった彼のクレームもその頃になると支離滅裂で、店としても取り合う時間が無駄なものになっていた。
その後
「もうそうした店への意見はこちらに言わなくて結構です」
と店から釘を刺され彼からの連絡は途絶えた。
最初は温厚だった彼がなぜそんなことになったのか。当時メンバーたちが話していたのが、仕事を辞めた辺りから途端に様子がおかしくなったと。卓内での刺さりキレも増え、言動にも余裕が無くなっていったと。
男にとって仕事の充実度がメンタルに響くというが、それを考えさせられるお客さんだった。
ある日、その店の店長不在時にCさんというお客さんが現れた。見たことのないお客さんだったが、本人いわく新規ではないらしい。
それから数ゲーム打ち、店のメンバーが預かり(麻雀を打つ際に店に預けておくお金)の1万を返す。そして、待ち席で時間を潰していたCさんがメンバーに一言
Cさん「預かりの1万返してくれる?」
預かりの1万は既に返していたため、その旨伝える。するとCさんは
Cさん「いや、もらってねえよ!」
と怒りだした。
店でのメンバーたちはレジ金の残額も確認して間違いなく、返したと説明したがCさんも引き下がらない。
Cさん「預かり金もらうまで帰らねえからな!」
と、声高に叫ぶ。すると店長がそこで出勤、事情を話すと店長がCさんの顔を確認して話をすることに。
店長「Cさん、話は聞きました。今回は特別に預かりの方はお返しさせてもらいます」
Cさん「当たり前だけどな」
店長「ただですね、Cさん」
店長が言葉を続ける
店長「Cさん、うちのお店にアウト(借金)がありますよね?」
Cさんも聞いていたメンバー全員も驚いた表情を浮かべた。後から話を聞くと、Cさんは5年以上前に3,4万程度のアウトを残し、そのまま店に来なくなったらしい。結構な時間が経っていたが、もう10年以上働いている店長はそのことをしっかり覚えていた。
つまり、Cさんはその頃の借金を返さずに、預かり金を返せと主張していたのだ。
Cさん「で、でもあれは前のオーナーの頃のものじゃなかったか…」
店長「オーナーは変わっていませんし、たとえそうだとしてもこの店で出したアウトなのでそれは関係ないですね。私もその頃からずっと働いていますし」
Cさんは途端に落ち着きが無くなっているのがわかった。
店長「なので返す預かり金はアウトの返済に回しておきますね。あと残りのアウトもお願いしていいですか?」
Cさんはそれはまた後日返すと言い、そのままそそくさと店を出て行った。
当然だが、それからCさんが店に現れることは二度となかった。
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