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満潮と、干潮について質問です。どうして、一日2回満潮と干潮があるのですか?どうして、冬は夜の方が潮が引くのですか?

Akyuさん 小学2年生からの質問

(回答者:高知コア研究所 有村・濱田)
※本回答の記載内容に誤りがあったため修正をいたしました(修正日:2023年7月3日)

Akyuさん、今回も質問をありがとう。
もう少し大きくなってから勉強する理科の知識が必要になるから少しむずかしくなっちゃうんだけど、以下のイラストを見て、まあるい地球とその周りに浮かぶお月さんをイメージしながら読んでみてね。

月と地球は引力という力で引きよせ合っているんだけど、月の引力はとても大きいから海水も動かしちゃうんだ。この力は距離が近いほど大きくなるから、月に一番近いところでは、引きよせる力も一番大きくて、海がいっぱい引き寄せられて満潮に。また、月から一番とおいところでは、引きよせられる力も一番小さくて、周りよりも引きよせられる力が弱くなるから、海水がいっぱい取り残されて、満潮になるんだ。また、その間の海では、海水が少なくなって干潮になるんだ。
地球は1日に1回転する(朝と夜があるのもこのため。自転というよ)するから、今いる場所で、月に一番近くなる時と一番遠くなる時も1回ずつあって、また、その間の時も1回ずつあって、だから1日に2回満潮と干潮が起きるんだ。

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実際は、地球が自転で1周するのは24時間ですが、(地球の同じ場所から見て)月が翌日に同じ高さにもどってくるのが およそ24時間50分かかるから(※)、毎日だいたい50分ずつ満潮、干潮の時間が遅くなっていくよ。
※掲載当初、「地球が自転で1周するのは、およそ24時間50分かかる」との誤った記載内容となっておりましたので修正をいたしました。誤った内容をお伝えしましたことをお詫び申し上げます。

あと、太陽も引力で海を引き寄せていて、太陽は月よりもずっと遠いところにあるから、その引力は月の半分ほどしかないんだけど、太陽と月の位置によって、おたがいの引力が重なったり、ときには打ち消しあったりして、潮の満ち引きがより大きくなったり(大潮)小さくなったり(小潮)しているよ。

続いて、「どうして、冬は夜の方が潮が引くのか」について説明するね。このしくみの説明はとてもむずかしいんだけど、日本地図を見ながら、日本の複雑な海岸をイメージしながら読んでみて。

夏と冬は太陽や月の高さが変わるので、海を引っ張る力が変わる。ってことは太陽や月が真上にあるときに満潮になるはずなのに、月が上にあるときに干潮になったりするよね。これは、実際のみちひきは月の引力で海の水が動くのに時間がかかったり、陸の形や天気などでとても複雑になっているからなんだ。陸の形が違うとみちひきが違う例として、太平洋側と日本海側ではその動き方は逆で、日本海側だと、冬は昼間に大きく潮が引くんだよ。

もう少し説明すると、場所による違いというのは、満潮と干潮が起きる時間だけではなくて、満潮と干潮の時の海面の高さも場所によって違うんだ。この高さの違いが一番大きいのはカナダのファンディ湾というところで、なんと最大15m(ビルの4階、5階くらい!)もあるんだって。
なお、月や太陽の引力は海だけじゃなくて地球の内側(地層)にもえいきょうしていて、海に起こる変化と比べるととーっても小さな変化だけど、その小さな変化が地震を起こすきっかけになる時もあることが分かっているよ。

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