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問いのデザインを読んで

こんにちは。だいぶ落ち着てきましたが、前期末ということもあり院では期末レポートなど課される量が多いことに絶望しているじゃこです。せっかくなので質を高めてレポート提出していきたいです。

さて!

今日は初めての読書感想文というか本を読んでの感じたことを書いていきたいと思います。

今回の紹介する本は教師には絶対読んでほしいと思っています!


安斎勇樹・塩瀬隆之さん共著の「問いのデザイン」です。今回は第1章のみです。(すみません、、初めてなので大目に見てください、、)

問いのデザイン(第1章)

第1章は、まず「問いとはなにか」と、

”問いの基本性質”と”問いの定義”について述べています。

まず、辞書の定義(問い)から

①問うこと。尋ねること。質問。「~を発する」「客の~に応答する}
②問題。設問。「次の~に答えよ」

どのような場面においても、上記の辞書の定義文に「答える」という言葉が含まれている通り,問う行為には,それに対して「答えをだす」という行為がセットで想定されていることが分かります。

次に、

問いの基本性質(1)
問いの設定によって、導かれる答えは変わりうる

問いの設定を変えたことが、最終的な答えを大きく変えてしまった事例として、ある自動車メーカーの「カーアクセサリー(カーナビなど)」を開発する部署のプロジェクトが紹介されています。

クライアントの問いは「人工知能が普及した時代において、カーナビはどうすれば生き残れるか?」「人工知能を活用した新しいカーナビとは?」

となっていたが、筆者が「カーナビは運転手だけのものなのでしょうか?」など素朴な疑問を問いとしてぶつけていき、すると、クライアントは「自分たちは、生活者に”快適な移動の時間”を提供したいのだ」と想い、そこから、問いを「自動運転社会において、どのような移動の時間をデザインしたいか?」と大きく変えることになりました。

こういった例のように、本来は手段であったはずのものがいつの間にか目的となり、アイデアが狭まったところ、本来の目的は何なのか、自分たちの理念は何なのかと問い直すこと(問いを転換すること)で、視点が変わり、結果として導かれる答えやアプローチ法がかわっていくのです。


問いの基本性質(2)
問いは、思考と感情を刺激する

問いは人の思考だけでなく、感情をも刺激するという性質です。

A.あなたがこの本を手に取った理由は?
B.あなたがこの本を読み終えるころに得ていたいものは?

といったように、Aはこの本をとったときのあなたの気持ち(過去)、Bは読了後に目指す状態、つまり未来にむかって放った問いです。


問いの基本性質(3)
問いは、集団のコミュニケーションを誘発する

問いから生まれるコミュニケーションには、主に「討論」「議論」「対話」「雑談」の4種類があります。

討論:どちらの立場の意見が正しいかを決める話合い
議論:合意形成や意思決定のための納得解を決める話合い
対話:自由な雰囲気のなかで行われる新たな意味づけをつくる話合い
雑談:自由な雰囲気のなかで行われる気軽な挨拶や情報のやりとり


問いの基本性質(4)
対話を通して問いに向き合う過程で、個人の認識は内省される

自分にとって「当たり前」すぎることは、日常においてはっきりと「メタ認知」(自分の思考についての客観的な思考)をすることは、簡単ではありません。

ところが、2人が対話の機会を持つと、それぞれの暗黙の前提は、初めてメタ認知の対象となります。自分の暗黙の前提をメタ認知することは、自分の前提を再構成する「リフレクション」(内省)を誘発します。

リフレクションのレベルはさまざまで、過去の経験に意味づけを行い、今後に活かすための教訓を得るときもあれば、これまでの自分の無自覚だった認識に対して違和感や葛藤を覚え、価値観が大きく変わる場合もあります。


問いの基本性質(5)
対話を通して問いに向き合う過程で、集団の関係性は再構築される

「対話」というコミュニケーションの定義そのものを「新しい関係性を構築すること」として、4でみた個々人の暗黙の前提の違いによる断絶を「溝」と表現します。

新しい関係性を構築する4つのステップ
①溝に気づく
②溝の向こうを眺める
③溝の渡り橋を設計する
④溝に橋を架ける

「溝の向こうを眺める」とは、自分とは異なる他者の認識を想像することに他なりません。異なる認識をつなぐための「橋」として、新たな共通認識をつくりだすことで、結果として新たな関係性が構築されると位置づけられています。


問いの基本性質(6)
問いは、創造的対話のトリガーになる

対話によって新たな関係性が構築されるとき、相互理解が深まるだけにとどまらず、ときに新たなアイデアが創発する場合があります。

創造的対話を引き出すための「問い」として、

本書では「問いの比較実験」と表し、以下のA、Bを例として出しています。
問いA:居心地が良いカフェとは?
問いB:危険だけど居心地が良いカフェとは?

のように問いを発することによって、引き起こされる対話の流れや質が異なるようになります。

創造的対話が促進できるかどうかは、投げかける「問い」のデザインにかかっているのです。


問いの基本性質(7)
問いは、創造的対話を通して、新たな別の問いを生みだす

<教えるー教わる>という関係が固定化されたままの場合、多くの問いは教わる側から始まりますが、2人のどちらからも問いが生まれるようになると、その関係性が変化し始めたと考えられます。曖昧なまま個人のなかに蓄積されてきたはずのたくさんの経験が、たった一つの問いによって芋づる式に次々と連鎖していくような状況です。

まとめ

問いの基本性質
⑴問いの設定によって、導かれる答えは変わりうる
⑵問いは、思考と感情を刺激する
⑶問いは、集団のコミュニケーションを誘発する
⑷対話を通して問いに向き合う過程で、個人の認識は内省される
⑸対話を通して問いに向き合う過程で、集団の関係性は再構築される
⑹問いは、創造的対話のトリガーになる
⑺問いは、創造的対話を通して、新たな別の問いを生み出す

教師にとっての本質は、いかに「問いをうまく発することが出来るか」になると思います。教師は主にそれを「発問」といったりしますが、子どもたちの思考を促すために、その基礎となる「問い」について学んでいけたらいいなと思っております!

安斎さんのnoteでは問いのデザインについて発信しているものが多いのでとても参考になります!下の記事は本書第1章の後半のことが載ってます!

気になる方はぜひご覧ください!

ではでは!



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