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「プレミアムエモイデー」とは?自己開示の心理ハードルを下げる運営のコツ

ミラティブという会社をやっている赤川です。
サービスと会社組織、それぞれ異なる課題があっても、それらに一本の芯を通して、「面」として捉えれば、共通の解決策と、一貫性のある文化ができるものだね!という気付きを記す3日連続note、前日に続く2日目です。

ユーザーコミュニティの会社であるミラティブ社では
・プロダクトづくり
・採用
・マーケティング
・組織づくり
・ひいては、経営
といった要素に「コミュニティマネジメント」という芯を通すことでうまくまわりはじめた話です。

・個に向き合い、「熱量」を最優先する(昨日のポスト
・ハードルを下げ、心理的安全性を確保する(今日)
・「武器を与える」=エンパワーメント(明日)

ではいざ2日目!

ハードルを下げ、心理的安全性を確保する

サービスとしてのMirrativが成長のためにやってきたことは、「とにかく配信の心理的ハードルを下げる」ことでした。「誰でも配信できる」ことがコアバリューであり、その結果として配信者の割合がいまだに20%を超えています。Mirrativでは、あらゆる開発やマーケティング施策に、この「心理的ハードルを下げる」芯を通しています。

例えばアバター機能「エモモ」は、「配信=顔出し」の文化に疑問を持ち、顔出しせずに配信できるようにして心理的ハードルを下げにいったものです。同時に、画面を殺風景にしたくないという問題も解決しています。(任天堂の宮本茂さんが、「アイデアとは、複数の問題を同時に解決するものである」と言っている!)

「エモカラ」は「世の中には数億人は歌が超ウマいけど顔を出したくない、という人がいるはず。そんな人もアバター着た状態でなら、イケメンでイケボで歌超ウマいになれてしまう」、というハードルの下げ方です。

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こうした「ハードル下げ」も、同じことを組織でやるとうまくいく経験をしてきました。

「プレミアムエモイデー」が成立する理由

ミラティブ社では月に1回「プレミアムエモイデー」という会をやっています。要は事業戦略・進捗を全社で共有する会なのですが、最初に、全員が「最近あったエモい話」を各テーブルでする(→一部を全体にも話す)、という時間があります。

一瞬、「え…?」って思いましたよね。ハードル高っ、と。

ただ、この会は、毎回、サービスの話からプライベートの話までびっくりするくらい心を動かされる話がでてきます。「あまり会わない弟とひさびさに会ったらMirrativを使ってて、最近入社したというと超わかりあえた」とか、「昔好きだった子が東京に来るので会おうとなったんだけど、大障害が起こった日でどうしても行けなかった、でも怒られるどころかまた会おうねとなって後日会いにいった」などなど…。

誰かがいちど自己開示をすると、「こんなことまで話していいんだ」という心理的安全性が部屋に充満し、徐々に教会のミサのような空気になって、不思議な一体感と高揚感が生まれていきます。テキストではなかなか伝えづらいのですが、ミラティブ社らしさを象徴するような、チームにとってもとても大切な月1回の時間です。

蓄積で生まれた自然な文化でもあるのですが、新しく入った人たちもそういう空気になるよう工夫はしていて、それが「ハードル下げ」です。

ミラ社ではTさんというとにかくよく笑う最高の企画のマネージャーがいて(仕事も超できる)、彼の存在には本当に助けられていて、各テーブルで話し始める前に、最初にたいてい彼に話を振ります。
すると、結構いい感じのラインでスベってくれて「あ、こんな感じでいいんだ」という「空気」ができます。なお、僕もよく最初にスベります

一方で、ユーザーといちばんよく接しているコミュニティ責任者のまおさんに話を振ると、「ユーザーさんが最近こんなことを言ってて超感動した」と本当に熱い話をしてくれたりします。結果として、くだらないこともまじめなことも両方が存在する「自己開示」がされていく場になっていきます。

この文化は、プロダクト側に逆輸入されました。ユーザーさんにもときどき「#ミラティブであったエモい話」をツイートしてもらっています。ツイートされたものはピックアップして、アプリのアップデート文言で取り上げたりしています。

リーダー=目線は上げる、ハードルは下げる

近しいしょうもない話ですが、とにかくSlackでは僕もくだらないことをたくさん言うようにしています。

コメント 2019-12-30 153142


現場で起こっていることは最前線でそのことをやっている人が間違いなくいちばんよく知っているから、その知見や意見を臆せず発信・共有してもらうことは組織としてはとても重要です。

その時にリーダー陣が恐怖でのマネジメント・統率を行っていると、メンバーから報告義務があること以外の発信が出てきません
なので、リーダー陣が率先して敷居を下げる、というのは非常に大事です。(なお、これにはリーダー側にも、「くだらないことを言ってもリーダーへの信頼感は揺らがないだろう」という組織・チームへの心理的安全性が必要です。結局双方向。これがないと、「不安・自信のなさから来るマウント」がはじまりがちに。スターウォーズみたいな話ですね)

リーダーには、「高い目線と、低い敷居」が必要だと今年も局面局面で実感しました。

採用においても同様で、一時期のWantedlyが「まず話を聞いてみたい」というハードル下げで急成長したのは周知のとおりです。
リファラルの仕組みひとつとっても、「口説いてきてくれ」はハードルが高いので、最近は「いっしょに働きたいなと思ったことがある人を、リストにしてくれないカナ…?」くらいから始めています。

「リーン」に組織施策をやる

また、何かoutputをするとき、ハードルが高すぎると、なかなか第一歩が踏み出せません
その観点で、たとえばCTOが最近作った採用向け資料も「まず出してみる」ことを重視して「アルファ版」で出しました。


ハードルが低いと、アクション数が増えるので、結果から多くを学べるのが良さです。プロダクトづくりと同様です。
その際に、「MVP(Minimum Viable Product)のライン」をどこに引くのかが重要(検証できる最小単位はなにか?を間違えない)というのは言うまでもありません。

プロダクトづくり的に採用や組織をとらえると、ページ遷移数を増やすと離脱が増えていくので、遷移ひとつとっても最短がいい。「最短距離にする」ことを意識するだけでも当然CVRが変わってきます。
(↑の資料へのinput例)

コメント 2019-12-30 154123

するとすぐに、CTOと人事間でこんな会話がなされて

コメント 2019-12-30 154809

これが即日アプデ。

コメント 2019-12-30 154618


ハードルを下げることで、サービスづくりの基本である「正しく届ける」をどんな事象でも実現できることは多いです。

第2日は、「心理的安全性を確保してハードルを下げていく」ことが、コミュニティづくりだけじゃなく何事においても大事だよね、という話でした。

明日につづきます。3日目にはミラティブ社内文書もくっつけようと思っています。
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(貼ってて、この採用ページの遷移深くなってるなと大反省&来年改修セネバと思ったネ、というオチ)

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