見出し画像

インスタのフィルターは「武器」?武器を与えるものづくり組織

ミラティブという会社をやっている赤川です。
サービスと会社組織、それぞれ異なる課題があっても、それらに一本の芯を通して、「面」として捉えてみます。すると、共通の解決策と、一貫性のある文化ができるものだね!という気付きを記す3日連続note、最終日です。2019年早かった。

ユーザーコミュニティの会社であるミラティブ社では
・プロダクトづくり
・採用
・マーケティング
・組織づくり
・ひいては、経営
といった要素に「コミュニティマネジメント」という芯を通すことでうまくまわりはじめた話です。

・個に向き合い、「熱量」を最優先する(一昨日のnote
・ハードルを下げ、心理的安全性を確保する(昨日のnote
・「武器を与える」=エンパワーメント(今日)

では2019年最終日開始!

武器を与える(エンパワーメント)


インターネットの本質は「個人のエンパワーメント」と「距離のゼロ化」だと長年言い続けています。
インターネット=Power to the people。「力を与えるもの、人を直接結びつけていくもの」。
そのベクトルに向かって年々加速していくことで、あらゆるものが民主化されていき、YouTuberしかりD2Cしかり、「個人ないし集団が、直接消費者に届ける」という動きが加速していっています(2019年も加速しましたね)。

そして、コミュニティサービスを運営する際にとても大事だと思っているのが、「ユーザーをエンパワーする」=「ユーザーに武器を与える」ことです。主役はユーザーであり、ユーザーがもっと目的を達成しやすくなるように、手助けをしてあげるのが運営者、という視点です。

例えば、Instagramでは、「フィルター」が初期の「武器」でした。「インスタで写真を撮るといい感じになる」という武器です。TikTokも、「誰でもイケてるショート動画を撮れる」という編集部分の「武器」にコア価値がありますね。流行っているサービスが何の「武器」をユーザーに与えているのか、という観点で見ると発見がたくさんあります。

当社Mirrativでは「スマホだけでゲームが配信できる」ということ自体が、「武器」を提供していると思っています。「ライブ配信」はぱっと聞きハードルが高く感じてしまう類のもので、「しゃべりがうまくないと配信なんてしちゃダメだよな」と思ってしまいがちです。
でも、とても派手に画面が動くゲームが映っていれば、少々無言であっても、「間がもつ」のです。その意味で、「ゲームが配信できる」機能は、「誰でも配信を楽しくできうる武器」です。

「わかりあう願いをつなごう」というミッションのミラティブ社の視点から見ると、ゲームは最高のわかりあいツールです。国籍も人種も違っていても、「いっしょにゲームをする」だけで一瞬で仲良くなれてしまう。ゲームは、コンテンツそのものがコミュニティ的要素を持っている稀有な存在ですね。

インターネットは、それそのものがやさしい武器なのだな、とも実感します。

メンバーに武器を提供しよう

さて、同じように、組織運営においても、「マネージする(≒管理する)」というよりも「エンパワーする(=武器を与える)」という発想でやっていくことが大事だと思っています。

マネージャー、ひいては経営陣は、ヒト・モノ・カネを活用して、メンバーに力を与えるのが仕事になります。Power to the Members。メンバーが目標を達成するための武器を用意して、提供しつづける仕事だととらえると、「マネジメント」の考え方・やり方が変わってきます。

指揮命令・統率といったものはあくまでマネジメント上の「手段」です。それよりも、上段に達成したいミッションがあり、その上で、情報が溢れる現代では、優秀な人は目標達成に必要なものは自分で揃えてくることができる、という前提で、彼らが「ショートカット」できるようにサポートしつづけるのが必要と考えています。

この発想だと、マネージャーが(「与える」という表現はともかく)「マウント」的にもなりにくいです。相手を抑えるのではなく、相手から引き出す、が基本になるのですね。
「目標達成のためにサポートできることないかな?」という質問を来年はもっと増やしたいなと思っています。

人材採用の観点でも、一方的に会社側の都合を押し付けるようではもはやうまくいきません。パワーバランスは会社ではなく個人側にある時代です。
候補者の人生のベクトルと会社のやりたいことをすりあわせた上で、相手がメリットを感じる、人生に「積みあがるもの」を感じられる要素が絶対に必要です。そして、それは、採用時にとどまりません。
個人をエンパワーしつづけられる会社だけが、人材の維持ができる、と考えています。


ここまで書いていて、2019年のはじめに書いたこちらのブログ(7万人超に読んでもらった模様!)と多くの点が共通していることにも気づきました。

こうした要素が、ミラティブ社の「らしさ」であり「文化」であり「哲学」なのだと思うので、これからも大事にしていきます。こちらもぜひ読んでみてください。

まとめ

3日間、ユーザーコミュニティを運営し、ユーザーコミュニティに支えられているミラティブ社の代表として、同じ視点で「芯」をとおしてあらゆる施策に応用するとうまく回っていった、という話を書いてきました。

もちろん、実際の経営は、パターンどおりそのままやってうまくいくことは少なく、常にゼロベース志向が求められます。
一方で、その組織に特有の「型」「勝ちパターン」、あるいはその前段階にある「共通言語」「共通認識」ひいては「共通の美徳」があると、素早く成功確度の高いアクションを行っていけるのだと思います。

そして、組織の「共通の美徳」には正解などなく、人によって合う/合わないは異なるものです。2020年代はますます「個人の時代」になっていきます。だからこそ、個人それぞれが「合うチーム」で仕事をしていくことが、少しでも世の中を前に進めていくのだと信じています。

というわけで、「誰にでも合うわけではないけど、合う人にとっては最高のチーム」を目指して2020年もミラ社は絶賛採用を強化していきます。ちょうどCTOが資料を書いたのでエンジニアに届いてほしい!!


エンジニア以外も、CxOポジション含め絶賛採用強化中です。まだ50人少々の会社です。この記事群で興味を持ってくださった方、気軽に以下から「話を聞きに行く」押してくださいね!!


最後に、2018年に初めて「マネージャー」と呼べるメンバーを集めた際に、「ここまでどうやってサービスを育ててきたか」という哲学を明確にしておきたいと思い、一晩かけて「How Mirrativ Works (as of now)」というテキストを書きました。良い機会なので、年始に公開しようと思います。
特に目新しい話があるわけではないのですが、いま改めて読んでも「ミラティブの哲学」の芯がぎゅっと表現されていた気がします。良かったらnoteやTwitterをフォローして年始に読んでもらえると嬉しいです。

そして時は2020。
全力疾走する準備を整えています。
皆さまそれぞれ、良いお年を!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?