棘上筋の触診
肩関節の評価・アプローチで意識することの多い回旋筋腱板。それぞれがしっかりと働くことで、上腕骨頭を安定させる作用があります。
そのため、安定性がない場合、回旋筋腱板である、棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋のどこの不全が生じているのか?を判別するために触診が重要となります。
今回から回旋筋腱板の触診について整理していきましょう。
まずは棘上筋です。
前回までの内容はこちらからご覧いただけます。
臨床1年目の教科書
1 触れることの臨床意義
肩甲上腕関節は上腕骨頭の大きさと比較し関節窩が約3:1と小さく、関節包も緩いため可動性を主体とした構造になっています。
この力学的な弱点を補強しているのが、関節唇、靭帯、筋や腱です。
回旋筋腱板は上腕骨の大・小結節の周囲に付着し、上腕骨の安定性に寄与しています。
(引用:visible body 2021)
2 特徴
棘上筋は4つの回旋筋腱板の中でも骨頭の上面の安定性に寄与しています。
この棘上筋が不全を起こしてしまうと下垂位からの骨頭を関節窩に引きつける支点形成が発揮できなくなります。
(引用:visible body 2021)
また、棘上筋は肩関節挙上位では起始と停止が近いため、支点を形成する作用が低くなります。この場合、他の回旋筋腱板との協調性にもと支点形成に作用していきます。そのため、それぞれの筋群をしっかりと触診できることも重要であると考えられます。
3 実際の触診方法
では、実際に触れていきましょう。
僧帽筋を介しての触診になります。相手の反応を見ながら圧をコントロールして触診していきましょう。
① 肩甲棘を確認
② 肩甲棘より頭側にたどり、棘上窩にある棘上筋の位置をイメージ
③ 圧を徐々に加えていき、深部を触診
④ 外転0〜30°で収縮を確認
4 まとめ
今回から整理していく回旋筋腱板などは、触診する際に圧やスピードを気をつけないと深部まで触れることが難しくなります。
しっかりと相手の反応を確認しながら進めていきましょう。
最後まで読んでいただきありがとうございました。最後まで読んでいただきありとうございました。
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