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香川照之の嫌らしさ、ここに極めり

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映画「北の零年」(監督 行定勲)

暫く前、香川照之のセクハラ報道がネット上を賑わしていました。事が3年ほど前の話であったり、場所が場所だったことを指摘して、彼の行動を擁護する向きもあるようですが、何年前のことであろうが、場所がどこであろうが、仮にそういうことが本当にあったとすれば品のない行動であったことは否めないでしょう。

なかには、「そういう所でしょ、何が問題なの」と言っている輩もいましたし、「(被害を受けた女性に対して)そんなことが嫌なら水商売をやるな」と宣った女性飲食店経営者もネット上で見かけました。そう思って接客するご本人は大層立派ですが、他人に強要することではないでしょう。要するに、場所がフーゾク店であろうが何処であろうが、高圧的な態度で接したり、相手の望まない過度な行動をしたことがハラスメントなのだと思います(しつこいようですが、本当にあったとすれば……ですよ)。

千利休は「主客一体」として、招く方の主も招かれた方の客も、気持ちよく過ごせるように一緒になって場を作ることが大事だとしました。それができないのは、遊び方が粋じゃないというか、それ以前の問題として人間性に品がないということでしょう。

かように、私がこの件を看過できないのは、前職で親会社のパワハラに苦しんできたということがあります。退職して何年も経つ今でも、思い出すにつけ殺意を覚える人間が何人かいます。足を踏んだ方は直ぐに忘れるでしょうけど、踏まれた方はいつまでも覚えているものです。冒頭で言ったように時間は関係ありません。

しかしそれ以上に香川を擁護する気になれないのは、この映画で彼が演じた悪徳商人・持田倉蔵のイメージが強すぎるからかもしれません(役柄と本人の人間性を一緒にしてはいけないのですがね)。彼は他の作品でも色んな嫌な男を演じていますが、これに勝るものはないように思います。それだけ、この持田の嫌らしさには凄まじいものがあります。

それは裏を返せば、彼の演技力が凄い、と見ることも出来るでしょう。がしかし、今回の騒動をみるにつけ、「何だ、地で演じていただけなのか」とも思いました。繰り返しますが、本当にあったとしたらの話です。

画像引用元 Amazon

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