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ビジネスにおけるデータ分析と不確実性の共存

こんにちは、Jagaと申します。
近年「機械学習の適用で価値が出せる場面は少ない」「○○の場合はABテストができない」といったビジネス上のデータ分析の限界についての記事を見かけることが多々あります。一方で「明瞭なデータ分析結果が出しづらい状況下で価値創出を求められた場合にどう取り組むべきか」という自分が頻繁に直面した問いに対する考え方について語られることは少ない印象のため、本記事の執筆に至りました。

簡単な自己紹介をすると、自分は法学部出身の所謂ノースキル文系であり、機械学習や統計学・因果推論に精通しているとは言えないが、新卒入社した会社で分析チームの管理職として日々奮闘している人間です(つい先日転職活動を終えたところなので近いうちに転職エントリも書きたいところ...)。

本記事の内容は世の大半の分析官にとっては大した内容ではないかと思いますが、カッコ良い文章を書こうとすると一生アウトプットが出せない気がしたので「とりあえず書いてみよう」の精神で今回初執筆しております。よければお付き合いください。

明瞭な分析結果が出せないシーンとは

明瞭な結果が出せない要因は主に以下の2点だと考えています。
・個人 or 部門内の専門知識不足
・そもそも因果関係等をはっきり示すことが困難な問いと戦っている

どちらも個人的にはあるあるなのですが、みなさんはいかがでしょうか。
前者を極力減らせるよう日々研鑽に励むに越したことはないが、後者に悩まされることが圧倒的に多いのではないかなと個人的には考えております。

どのように価値創出を行うか

上記のように結果を示しづらい問題と向き合う際に「分析を行うなら必ず問題はクリアにすべき」という思想に囚われてしまい、身動きを封じられてしまった経験はないでしょうか?自分はこの状況からなかなか抜け出せず非常に悩んでいた時期がありました。

そんな状況から脱却するきっかけとなったのが、近年経済学で応用が進んでいる「部分識別」という考え方に昨年触れたことでした。
(すごく雑な説明をすると「点でとらえず幅で考えようぜ」的な考え方)
意思決定理論で用いられるシンプルな最大・最小のような考え方はもともと頭で理解していたつもりでしたが、「無茶な仮定を置かず、わかる範囲で分析していこうぜ」という姿勢が学問領域でも行われていることを知ったのが自分にとってのブレイクスルーとなりました。

自分が読んだ書籍は以下です。(アフィリエイトリンクではございません)

また、分析結果に上記のような「幅」の概念を用いるにあたっては「今回の意思決定に必要十分な分析結果とはなにか」という考えを念頭に置くことが重要だと考えています。
①100%クリアな結果を示すこと
②一定レンジに収まりそうなことを示すこと
のどちらの場合でも取りうる意思決定が変わらないといった場面はビジネス上多く、コスパ良く意思決定に十分なレベルの結果を示して次の課題解決にリソースを割くといった立ち回りが最適な場面はきっと多いでしょう。

上記のような「"データ分析という所謂科学的な行為"と"一定程度の曖昧さを許容する姿勢"は共存しうる」という考えは、(統計学の「信頼区間」等に限らない広い領域での適用という点で)あまり普及していない印象です。
やや気持ち悪く感じるかもしれませんが、クリアな結果に固執せず「メガネの曇りが少し取れれば意思決定上は十分」ぐらいの気持ちで方法を検討できるようになると分析官としての価値創出の幅が広がるのではないかと考えています。

無理やり分析結果を絞りだして誤った結論に辿り着くのは危険。
だからといってスッパリ諦めてしまうのも勿体ない。
このような0か1で悩まず、不確実性と泥臭く向き合っていきませんか?

おわりに

当然の内容だと感じた方も多いかと思いますが、今回の内容は実際に自分が3年ほどデータアナリストとして働く中で模索し続けたテーマでもありました。データ分析を避けては通れない現代のビジネスマンにとって、何か少しでもヒントになる記事となっていれば幸いです。
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