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「同じことをやり続けること」で、誰にも負けない高みに到達する

今週で41歳になりました。35歳でタイで会社を経営し始めて、6年が経ちました。

たくさんの誕生日メッセージありがとうございました。スタッフにもケーキで祝ってもらったり、妻がおいしいシュークリームを買ってきてくれたり、ほっこりと誕生日を過ごしました。

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話は変わるのですが、年明けから、「ミルクボーイ」にハマっています。ご存じの通り、M-1で史上最高得点を出して世間に衝撃を与えた二人の芸人です。

「コーンフレーク」「もなか」の2つのネタだけで彼らは伝説を作ってしまいました。見ていない方は以下から是非どうぞ。M-1のネタは4分です。

今見ても、どんどん会場が、単に笑いだけでなく驚きが入り混じった状態になっていくのが分かります。

お笑いのライブでこういう状態になるというのは、なかなか無いのではないでしょうか。その後の審査員の感想を聞いていても、彼らのパフォーマンスがいかにすごかったかがわかります。

ミルクボーイはずっと「同じこと」をやり続けている


「もなか」を見たときに、(似たようなネタだな)と思った人も多いと思うのですが、ほかにもいろいろ見ると、本当に彼らにはこのタイプのネタしかないんですよね。

松本人志が「行ったり来たり漫才」と表現していましたが、彼らはこのフォーマットでのネタをひたすら量産しています。

ミルクボーイはYoutubeチャンネルを見たところ2つ持っていて、公式チャンネルと、もう一つ5年前に運営されていたものがあります。

この頃はおそらく誰も見ていなかったようなチャンネルだと思いますが、今回発見してみてみると、十分に面白い。そして驚くことに、「この段階ですでにネタとしては完成されている」んですよね。

そして彼らはこの同じフォーマットのネタをその後もずっと磨き続けているんです。

普通は、なかなか売れなければ「もうちょっと違ったネタも作ろうか」とか思うはずなんですが、そういう様子はここからは見えない。売れてないにも関わらずですよ?すごい信念だと思います。

What(何をやるか)とHow(どうやるか)

笑いの論評で定評のあるナイツ塙も、「ネタの良さと、話の良さの両方のレベルが高かった」と評していましたが、まさにその通りだと思います。

彼らは、What(何をやるか)で一つの黄金パターンを作ったらそれ以上のパターンを探索することをせずに、ひたすらHow(どうやるか)の磨きこみに時間を使ってきた

M-1のネタも、型をとしては同じことをやっているのですが、声のトーン、リズム、体の動き、などが非常に熟練されていて、全体の面白さを圧倒的なレベルに高めているように見えます。

ほかの人がこのテンプレートを真似ても似たようなことはできると思いますが、同じレベルの笑いは起こせないんじゃないでしょうか。逆に、テンプレートがシンプルなだけに、ガッツリ滑る可能性もあると思っています。

以前アンジャッシュのネタが中国人にパクられていたという事件がありましたが、ネタ自体(What)が良くできていると、むしろ模倣しやすいということに気づかされます。(アンジャッシュもすごい才能なので彼らを否定する意図は全くないのですが)

逆に、やり方(How)は習熟そのものですから、簡単にパクろうとする人には絶対に真似できないと思います。

ビジネスでいえば、ストラテジー(戦略)は模倣できても、磨きこまれたオペレーショナルエクセレンス(OPEX=現場力)は模倣困難性が高く、一朝一夕には追いつけない、というのと似ているでしょうか。

トヨタやリクルートに追いつける企業がなかなか出てこないように、磨きこまれたオペレーショナルエクセレンスとそのベースになるフィロソフィは、長期的な優位性を作る可能性があります。

芸人でも、リズムネタとか、一発芸とか、ネタのユニークさで勝負している人は、次が続かず一発屋に終わったりしますよね。ミルクボーイは一発屋に終わらず、長く愛されるコンビになるんじゃないか、と密かに期待しています。

地道に続けている人は応援される

また先日M-1の舞台裏を描いた「アナザーストーリー」というのがやっていて、またそれがもう、めちゃくちゃ良かったです。(興味ある方は動画探してみてください)

最後に、ミルクボーイの二人がお世話になった方々に優勝の報告に行くシーンがあるんです。

中でも内海さんの角刈りの髪形を毎回整えてくれた床屋さんのオジサンが、2年間ずっと「出世払いや」と無料で髪を切ってくれていたのに、ついに「今日から有料やな」と嬉しそうに言うんです。

それを聞いた内海さんは大粒の涙。でも髪を切ってもらっているから、両手が塞がっている。それで涙をぬぐうこともできず、涙は流れ続ける・・・。本当に感動的なシーンでした。

地道に続けている人を、周りはよく見ています。そして、こうした「周囲から応援される」というのも物事を成し遂げるための条件のように思います。

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ということで、なぜかお笑い論評になってしまいましたがw、今年は起業してすでに6年目。

少しずつ会社は成長していますが、逆に言うと少しずつしか成長していません。新しいこともチャレンジしたいですが、一方で、目の前のことをしっかり続けていく大事さも最近は強く意識しています。

久々の人に再会して「最近どう?」ということを聞かれるときに、「なんか新しい話題を提供しなきゃ」とプレッシャーを感じてしまうことが実はずっとありました。

「資金調達!」「プレスリリース!」というカッコいい話題をいまいち提供できない自分を「俺ってもしかしてつまんない起業家?」と思ってしまうことも過去にはありました。

でも最近は、「同じことをひたすらにやり続けています!」という答えでもいいんだよな、ということを思ったりします。

「タイ&ASEANのHR」にひたすらコミットし続け、知見やノウハウの磨きこみを続けることで、誰にもたどり着けない境地にいけるよう、今年も頑張ってみようと改めて思うのでした。

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