【マッチレビュー】サウサンプトン vs ブライトン [22-23プレミアリーグ第17節]
ご覧いただきありがとうございます。じゃっくです。今回はプレミアリーグ第17節サウサンプトンvブライトンのマッチレビューです。久しぶりにちゃんと文章を添えました。では早速本題へ参ります。
スタメン+α
セインツの4バック採用
W杯明け一発目の今節、ブライトンはいつもどおりの4-2-4。カラバオ杯でのスタメンをベースに、スタメン組とTO組を入れ替えたという形式でしょうか。
一方セインツはこれまでの3-1-4-2ではなく4-1-2-3。ネイサン・ジョーンズは守備重視と聞いていたのでこれは予想外でした。後に触れますが、この4-1-2-3というカタチは特別ブライトンに好相性なわけでもないので、どういう心境の変化があったのか….。
3得点だがxGは0点台
3得点の割にシュートは7、さらにxGは0.69と、負け試合のようなスタッツになりました。しかし、xThreatは1.62とそこそこ高いので、「ゆっくり前進してゾーン3で揺さぶるのではなく、ゾーン1で引きつけて疑似ショートカウンター」の”デゼルビビズモによる歪み”だと解釈し、心配しないでおこうというカタチで消化しました。
4局面採点
プレスvビルド局面
●セインツの新プレスの問題点
セインツは4-1-2-3から4-2-4に可変してマンマークを作り、ゾーン3から圧をかける積極プレスを展開してきました。しかし取り所がはっきりしていない。DMを列上げするにもかかわらずCBがブライトンの偽CFに対して潰しに出ていかないシーンが多くありました。実際にSPOTVで解説を担当されていた川勝さんも配信内で指摘されていました。
ブライトンからすると、「相手4バックを2SHでピン留めしているため中盤で+2の数的優位」なのでかなり楽。しかしながら、「もう少しCB→偽CFの楔ほしいなぁ」だったり「そのパスしっかり転がしてよ…」などブライトン側に小さなクオリティ不足があり危なっかしい/イマイチ前進できない場面も多くありました。
ただ、グロスがCHにも完璧に適応していたのは好材料。ギルモアがカイセド、マクアリスターと争えていない中、グロスの存在は2人にとっても良い刺激にもなるのではないでしょうか。(ギルモアは相当立場が危うい…)
ブロックvフィニッシュ局面
カタチ自体は2-3-5であり、W杯前と比べて大きく変わった点は無かったフィニッシュ局面ですが、エストゥピニャンのタスクには割りと大きな変化がありました。それは大外(図の三笘の位置)から2-3-5の3(前のカイセドの位置)になった点です。この変化は、”大外の1on1でプラスを出せるタイプではないピニャン”の弱点をカバーしつつ、タイミングの良い裏抜け(バックドア)という長所はオーバーラップのタスクで変わらず活かせるので、良い変化ではないでしょうか。
●"ピニャンの1列下げ"で生まれる弊害
一方カイセドがDMに回るため、カイセドのパサーとしての能力をあまり引き出せなくなるデメリットも考えられます。マクアリスターが戻ってきたらカイセドを右(図のフェルトマンの位置)に持っていくとかで調整するんでしょうかね。
<追記>その後、カイセドはRCHをばりばりこなせることを証明しました。
フィニッシュvブロック局面
ブライトンの4-4-1-1同サイド圧縮に対して、セインツは4-1-2-3のまま可変なし。可変なしでは配置で優位を作り出せないのでビルドは厳しくなります。実際にセインツも”多少引き付けてからのCFアダムスへのロングボール”が多く、ビルドは省略していました。
●「繋ぐ」のか「ロングボール主体」なのか
SB裏はしっかりと狙っていたものの、IHの動きを見ていると2nd回収の意識はそこまで高くなく、「ロングボール起点で攻めるんだ!」という意識は共有されていない印象で、ブライトンとしては相当イージーだったと思います。ただ、LWGエドジーは余裕でフェルトマンとの1on1を制しており、厄介な存在でした。監督交代を期に、これから一気に株を上げていくでしょうね。
全体としてジョーンズ監督はイマイチ方針が定まっていない気がしました。自身の哲学を貫くのか割り切るのか。「積極プレス or 撤退守備からのロングカウンター」。個人的には割り切ったほうが良いんじゃないかと思いますけどね。あとはロングボール戦術はもっとディティールを詰めないと使い物にならないと思います。(同じ3-5-2だしポッターの3-1-3-3を参考にしたらいいんじゃないって思ったり….)
おわりに
次節は元旦、アーセナル戦。カイセドが累積で欠場。マクアリスターも居ない中、中盤はどうするんでしょうね。スタイルを突き通すのか、マン・シティ戦と同じようにスタイルを崩してプレス主体のシステムに変えてくるのか。かなり不安ではありますが楽しみでもあります!
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