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「日本のSDGsアクションを推進していきたい」。多様なステークホルダーが一致団結!

今回は、速報記事でお伝えさせていただいた、7月29日に行われた「ジャパンSDGsアクション キックオフ 記者発表会&トークセッション」の詳細レポートをお届けします。
まずは第1部、記者発表会の模様からレポートします。

※第2弾(トークセッション前半)のレポートはこちらからご覧ください。
※第3弾(トークセッション後半)のレポートはこちらからご覧ください。

記者発表会では、蟹江憲史(のりちか)会長をはじめとするジャパンSDGsアクション推進協議会メンバーや協力機関の代表者、主体的にSDGsアクションに取り組む「SDGs People」の第1号となったのんさん(女優・創作あーちすと)らが登場し、それぞれの立場から、SDGsアクションへの想いや展望を語る内容となりました。

以下では、記者発表会の動画をご覧いただけます。

協議会に参加する外務省、神奈川県、経団連…それぞれの立場が進めるSDGsアクション

記者発表会は、ジャパンSDGsアクション推進協議会の蟹江会長による所信表明からスタートしました。

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蟹江憲史(慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科教授)

蟹江会長
「『民・産・官・学』のあらゆるジャンルのステークホルダーが集まったジャパンSDGsアクション推進協議会は、SDGsの17番目のゴール『パートナーシップで目標を達成しよう』を体現したものです。SDGsにおける世界的な評価で、日本は17番目に掲げられるパートナーシップが弱いとされています。2030年までの10年間は『行動の10年』。ジャパンSDGsアクション推進協議会ができてパートナーシップを強めたことは画期的なことと言えるので、これからもパートナーを広げて、日本のSDGsアクションを強力に推進していきたいと考えています」

さらに蟹江会長は、のんさん(女優・創作あーちすと)が「SDGs People」第1号に就任したことや、協議会やSDGsアクションの情報を発信する起点として「10年後の未来をつくるノート」(当サイト)を運用していくこと、来年3月に「ジャパンSDGsアクションイベント(仮称)」を開催予定であることなどを紹介。

また、国際的な視点や活動を日本に取り入れ、日本の取り組みを世界に発信する「グローバルアクションイベント(仮称)」をオンラインで開催予定であることにも触れ、これらの取り組みを「SDGsアクションのプロモーションにつなげていく。SDGsを知らない人が関心を持ち、すでにSDGsに取り組んでいる人もより知見を広められるようにしていきたい」と今後の展望を述べました。

所信表明に続いては、本協議会を構成する、外務省、神奈川県、経団連の代表者がスピーチしました。最初に登壇したのは、政府のSDGs推進本部の事務局を担う外務省の中谷真一外務大臣政務官。

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中谷真一(外務省・外務大臣政務官)

中谷政務官
「今回の新型コロナウイルスでわかったのは、グローバリゼーションが一人ひとりの生命・生活に直結するということ。特に深刻な影響を受けるのは、脆弱な立場に置かれた人々です。
『地球上の誰一人として取り残さない』という考えのもと、社会・経済・環境について統合的に取り組むSDGsは、かつてないほど注目されています。SDGsは政府の力だけで達成できるものではありません。国際機関、民間企業、地方自治体、市民団体、そして個人が、力を合わせて取り組むことが重要です」

続いて登壇したのは、「いのち輝く神奈川」をテーマに、日本国内で先進的にSDGsに関する取り組みを行なっている神奈川県の黒岩祐治知事。

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黒岩祐治(神奈川県知事)

黒岩知事
「神奈川県がテーマに掲げる『いのち輝く(Vibrant Inochi)』は、持続可能な健康長寿社会の実現に向けた神奈川県の取り組みです。健康や医療はもちろん、食、環境、教育など、SDGsとも親和性が高いこれらの課題の解決に、横断的に取り組んでいくのが、地方自治体の役目だと思っています。
そんなSDGsに対する考えに共感してくれたのが、国連開発計画(UNDP)のアヒム・シュタイナー総裁でした。UNDPと神奈川県は、SDGs達成のための連携趣意書を締結し、今後の連携促進を互いに約束したことで、SDGsアクションフェスティバルの開催に至りました」

3人目の登場は、経団連の常務理事で、SDGs本部長を務める長谷川知子さん。

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長谷川知子(一般社団法人日本経済団体連合会常務理事・SDGs本部長)

長谷川本部長
「新型コロナウイルスの感染拡大により、日本経済の脆弱さが露呈しました。経済界は、テレワークの導入や気候変動への対応など課題が山積みです。デジタルトランスフォーメーションや脱炭素、働き方改革などの取り組みを加速させていきますが、そこで目指すべき北極星となるのがSDGs。ピンチをチャンスに変える発想で、行動の10年にチャレンジします」

のんさんなど、U-30のSDGs Peopleが登場!

協議会メンバーの挨拶に続いて「SDGs People」として30歳以下の若手起業家から川越一磨さん、前田瑶介さん、たかまつななさん、結城明姫さんが登壇。結城さんはモニターでの参加となりました。

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写真左から、記者発表会MCを務めた櫻田彩子(エコアナウンサー)、川越一磨(株式会社コークッキング代表取締役CEO)、前田瑶介(WOTA株式会社代表取締役CEO)、結城明姫 (株式会社オリィ研究所共同創設者COO)※モニター参加、のん(女優・創作あーちすと)、たかまつなな(お笑いジャーナリスト)

さらに、スペシャルゲストとして「SDGs People」の第1号のんさんもモニターで登場し、SDGs Peopleを代表して意気込みを語りました。

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のん(女優・あーちすと)

のんさん
「SDGs Peopleに選ばれて、すごく光栄に思っています。私は洋服を作ることが好きで、自分の着なくなった服とかを捨てられなくてリメイクします。自分に似合うようにしたりとか衣装とかで着た服を重ね合わせてやったり、なるべく洋服を捨てないようにしていますね。

それ以外にも、今回の取り組みをきっかけに、SDGsキャラクターを描かせていただくことになりましたので頑張ります。絵を描くお仕事も大切にしているので嬉しいです。(つくるキャラクターについては)SDGsのロゴがカラフルだったりとかするのでいろんな色を使いたいなという風には思います。地球が元気になるような感じがいいと思っています。

正直なところ、今回SDGs peopleに選んでいただいて初めて認識しました。ただ、自分の身の回りでやっていたことが実はSDGsに繋がってたのかもっていうのが、実はみんなの中にあるんじゃないかなっていう気もしていて、そういうのを認識すると、SDGsのことがもっと広まっていくのかなっていう風に思っています」

国連機関からSDGsアクションを行う人たちへメッセージ

のんさんの挨拶後、国連広報センター、国連開発計画の代表が登壇し、ジャパンSDGsアクションへの期待、国連機関としての活動協力などについてお話いただきました。最初に登壇したのは、国連広報センターの根本かおる所長でした。

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根本かおる(国連広報センター所長)

根本所長
「格差の拡大、気候変動の急激な悪化、根強く残るジェンダーの不平等など、多くの課題に対して取り組んできたSDGsの前進が、新型コロナウイルスによって後退してしまう可能性があります。しかし、過去に戻ることは決して許されることではありません。SDGsを羅針盤とすれば、今回起こった人類の悲劇も、より平等で持続可能な社会をつくりあげる機会に変わる。私たちはそう提示しています。SDGsを中心にしたビジョンを、新型コロナウイルスという長いトンネルの先に差す光として示していただきたいと思っています」

続いて登壇いただいたのは、国連開発計画の近藤哲生駐日代表。

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近藤哲生(国連開発計画 駐日代表)

近藤代表
「持続可能な世界をつくるためには、これまでの仕組みがいかに持続不可能であったかを知る必要があります。新型コロナウイルスを乗り越えるために必要なことは、『すべての人が守られるまで、誰も守られない』という考え。この考えを『誰一人置き去りにしない』という前向きなメッセージに置き換え、世界中に発信していただきたいです」

国連広報センター、国連開発計画からSDGsアクションを行うすべての人々へ向けたメッセージが贈られました。

取材を通して編集部が感じたこと

多くのステークホルダーが想いを語った記者発表会。異なる立場の人々が結集することで生まれるパワーはとても大きなものでした。イベント中、蟹江会長は「SDGsにおける世界的な評価で、日本は17番目に掲げられるパートナーシップが弱い。ジャパンSDGsアクション推進協議会ができてパートナーシップを強めたことは画期的で、これからもパートナーを広げていきたい」と話していました。

SDGsアクションは誰にでもできることです。読者の皆さんや私たちがアクションを起こすことで、パートナーの輪が広がっていけば、日本のSDGsはどんどん素晴らしいものになっていくはずです。それってなんだか素敵なことだと思いませんか?

皆さんも大切なパートナーの一人。それぞれのアイデアと行動で、SDGsアクションを実現して、ともに10年後の未来をつくっていきましょう!

※第2弾(トークセッション前半)のレポートはこちらからご覧ください。
※第3弾(トークセッション後半)のレポートはこちらからご覧ください。