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バルサミコ

最近は食品売り場でなかなか見かけることが少なくなったが、あるショッピングで10年もののバルサミコが売っていた。

すかさず買い物カゴに放り込んでおいたが、妻が精算後に「今日は高かったけど何か買った?」と聞いてきた。

「バルサミコ買ったよ、250mlで3,500円、10年ものだから安かったけど、12年ものなら4,500円だったよ。」と言ったら呆れていたけど、怒りはしなかった。美味しさを知っているから。

発酵食品は本当に宝物だ。台湾に行った時に、地元の業者が、「日本人がここに来るのは珍しいから」といって40年ものの紹興酒を開栓してくれた。非常にコクがあって甘口に感じる。彼らも滅多に飲まないものらしく感激していた。

値段は聞かなかったが、我々の旅費など問題ではないはずだ。烏龍茶も接待していただいたが、古いもので一両(37.5g)30万円とのことだった。いったんこの味を覚えてしまうと、のちの人生の味気なさを感じてしまう。

酒飲みで家を潰すのは大変だけど、お茶飲みは一瞬で家を潰すことができるとはこのことだと感じている。

そういえば家にも30年ほど前に買ってきた凍頂烏龍茶がまだ眠っているはずだ。一度チェックしておこう。

バルサミコは6年目くらいから極端に味が変化する。きつい酸味が抑えられて甘みが感じられるようになるとともに味の深さが滲み出てくる。買ってきたのは10年ものだから、大体の味は想像できる。

料理の仕上がりに数滴垂らすだけで、絶妙な味に変わる。やめられないわけだ。バルサミコが入手しにくかった頃に、勝沼のぶどうの丘で買ったワインビネガーがまだ数本眠っている。これも13年ほど経っているので、当初ほどの角のある酸味は感じない。

ちょうど1年前に仕込んだ味噌が出来上がった様子だ。数日中に蔵出しを計画している。発酵物バンザイ!


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