見出し画像

【詩】後悔している

願いがある
真っ青な霧に包まれた朝は
人類最後の畑に希望の種を蒔き
夢よ、再び生えてくれ


郷愁煙る畦道の下
地底の王が云うことには
「天を覗くは最大の罪なり、
目を塞ぎ耳を拡げて大地に伏すべし」
ああ、分かった分かった
俺は暇な貝殻に引き籠もり
最新の聖書でも読むとしよう

透明なシルエットをなぞるより
人生詰め込んだ背嚢を担ぎ、
踏みしめているこの世界が、
ここにあると信じてみようじゃないか

黒い欺瞞の雪だるまに口紅をさし
逆剥けた皮膚の欠片をデコピンする
肺に染み込む無情の湿気
ああつまらない
こうなることは、分かっていたのに

夢が導くまま
足の赴くままに
歩いてくればよかった
後悔している

素晴らしいことです素晴らしいことです