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新宿ではたらく Jリーガーの仕事


Jリーグを辞めて、結局 何をするんだ–


株式会社Criacao

月曜から金曜は、朝から晩まで ここで働いています。

事業はいくつかありますが、僕は大学生の「スポーツ」と「キャリア」を、一緒に考えていくことをします。


Jリーグを去る理由に「内面の研究がしたい」と書きました。

「選手を替えたり、監督を切ったり、戦術を語ったり、トレーニング環境に投資したり、給料をリッチにしたり、確かにそういう外面も大事ですが、それがすべてではない(中略)内面の是非で、チームがいかようにも変化する」

これは、大学スポーツにおいても 重要なテーマです。

選手の移籍はなく、そもそも監督がいなかったり、情報も、定期的に使えるグラウンドも、何よりお金を稼ぐという目的を持たずに、それでも 良いチームをつくろうとする。それができることを、大学スポーツは何度も証明してきました。

過去の経験を語る行為は 陳腐なのでやりたくありませんが、むしろ僕は、この未来に向いたスポーツへの情熱をもって、死ぬほど本を読み、人との出会いから学び、まずは自分自身がピッチで試行錯誤します。

そこで感じ 考えていることを、オンラインの発信の他にも、セミナーの場で人前に立ったり、全国各地の大学で 実際に練習を見たり話をしたりして、学生と共有します。

お力になれることがあれば、いつでも。


また、スポーツとキャリア という言い方をしましたが、これらは別々ではなく、明らかに繋がっています。キャリアとはつまり、自分と社会について考えること、そして行動を起こすことです。

限られたポジションを奪い合い、あるいは見ず知らずの誰かと戦い、時に敗れ 存在意義を脅かされ、切実にアイデンティティ(自分は何者か?)を欲してきました。無意識的であろうと 強度の高い内省をしてきたはずです。それは、カフェでワークシートを広げてする自己分析のようなものとは、まるで違います。

閉じた世界で暮らしてきたせいで、社会についての理解は足りていないかもしれません、だから勉強が必要です。しかし それ以上に、突き詰めてきたモノもあります。

これまでスポーツばかりしてきた僕は、初めてキャリアを大きく転換し、ビジネスにも挑戦しています。その中で 通用したこと、それは ひとつの「スポーツの価値」ですが、それを言語化しまくっていきます。通用しなかったこと、後悔も葛藤も苦悩も、包み隠さずお伝えします。

スポーツとキャリア、部活と就活が、分断されていると困りますよね。というか、僕が困ります。

だけど、きっと大丈夫です。

頑張りましょう。



Criacao Shinjuku

水曜と金曜は、仕事が終わったあと 19:45から練習。土曜と日曜は 練習or試合、という(だいたいの)スケジュールです。


正直、現役は辞めようと思っていました。ビジネスに100%全振りするつもりでした。それでも、Jリーグから数えると「J6」に相当するリーグでフットボールを続けようと思ったのは、評論家やオーディエンスではなく プレイヤーであることに意味を感じたからです。

良いチームをつくる過程に関わったり、スポーツの価値を言語化していく中で、賢く、正しく、それっぽい理屈を、恐らくたくさん知ることになります。僕はそういう理屈が好きだし、社会人であるアドバンテージを利用して、学生にマウントを取ることもできます。

しかし、スポーツに関する完璧な理論があっても、戦えない奴がひとりでもいれば、それはただの理論です。重要な前提は「スライディングができるかどうか」です(ここで言うスライディングとは、相手のドリブルやシュートを止めるために体を投げ出す、勇気と泥臭さが求められるプレーのこと)。

これからまだまだ「お前(井筒)が、スライディングができるかどうか」問われ続けます。ひとりのプレイヤーとして、世界一のチームをつくるために 自分の体を投げ出しているのか、常に評価を受けます。

僕が言うことのすべては、僕自身のプレーと Criacao Shinjukuというチームがエビデンス(根拠)になります。少しでも中途半端なフットボールをしようものなら、理論も、幾度となく繰り返してきたスポーツの可能性や価値も、一瞬にして戯れ言へと成り下がります。だから、頑張らないといけません。


「スポーツをやってきて良かった」と、誰もが心から思える世界をつくるためには、やることがたくさんあります。焦っています。必要なスピード感とインパクトを考えたときに、リスクのない選択では成すことができない。

(一般的に)輝かしいとされるJリーグの舞台から降りたこと、スポーツについて語りつつも、それを自分のプレーで実証し続けなければならない立場に身を置くこと、これらは僕が取るいくつかのリスクの中で、覚悟と呼ばれるものに限りなく近いものたちです。





最後まで読んで頂き、ありがとうございました。