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ポテサラと餃子と唐揚げと

 なんかここ数日、Twitterでやたらとポテサラ、餃子、唐揚げを作る話がTLを賑わせている。
 手抜き云々の話題には意見なんて何もないが、なんだかこう連呼されていると、無性に三つとも作りたくなってくる。
 まあ、ひねくれ者なのだろうな。

 ひとり暮らしだし料理も好きだから、どれも普通に自炊するメニューだけど、ポテサラと唐揚げはカロリーの関係からあまり作らなくなった。
 ポテサラは食べられるご飯の量が減るわりにそこまで好きな料理でもないし、唐揚げというか揚げ物全般が外食で食べる機会の多いメニューだから、自宅でまで食べるのは極力避けたいところなのだ。

 手作りか冷凍か、手抜きかそうでないか……そんなの、人によるだろう。
 ただ、自分で作ったこともないくせに人には平気で「手抜きだ」とか言う人や、自分が作れるからって「簡単だから作りなよ」とか言う人には、あまり近づきたくないかな。たぶん、他のことでも自分基準でしか物事を考えられない人である可能性が高いから……。

 実際、どれも初めから全部手作りで作ると、それなりに面倒な料理だ。
 でもポテサラよりはコロッケのほうが、唐揚げよりはメンチカツのほうが、餃子よりは春巻きのほうが面倒な気がする(もちろん、これも人によるだろう)。
 だが、せっかく作りたくなったことだし、ここはひとつ三つ同時に作れるかやってみるか~と思い立った。
 そう。
 これは自炊とか日常での調理ではなく、道楽に近い。
 段取りを組んでどのくらいの時間でできるか試してみるか~という、遊びだからできることで、夕ご飯は「唐揚げと餃子とポテトサラダね」ってなったら、たいていはお総菜を買ってくるだろう。

 たまたま家にひき肉の余りと、ニンニクと生姜、ジャガイモ、キュウリ、タマネギがあったから、キャベツとニラとハムと鶏肉を買ってくるだけで済んだ。
 段取りを記録しておこう。放置しておけばいい工程を利用して他のことをする――というのは、研究室の作業で身につけたし、料理はそれと似てるので段取りが立てやすい気がする。またそこが楽しい。

 まずは鶏肉を漬け込もう。漬けている時間は長くてもいいし。
 鶏モモ肉を切り分け、ニンニクと生姜をすり下ろして二つに分け、片方は餃子の餡のボールに、もう片方はモモ肉のボールに入れる。
 モモ肉に胡椒、五香粉をふり、醤油とみりんと酒を加えて混ぜる。

 次はジャガイモ。
 皮をこそげ落として、丸ごと鍋で煮る。新ジャガだから皮は簡単にむけるし、小さいジャガイモなので茹で時間も短くて済む。

 茹でている間に、餃子の餡を作る。さっきのニンニクと生姜にひき肉と塩、砂糖、醤油、ごま油、片栗粉、胡椒なんかを適当に入れてかき混ぜる。
 キャベツを回転式のスライサーでみじん切りにして、ニラは細かく切って、それぞれ入れてさらに混ぜて、冷蔵庫に入れておく。

 ジャガイモはまだ柔らかくならないので、タマネギをみじん切り、キュウリを小口切りして、別々に軽く塩を振ってから、紙ふきん(キッチンペーパーじゃなく、くり返し使えるような丈夫なやつ)で包んでぐりぐりやって塩もみにして水気を絞る。ハムも小さめに切っておく。
 ジャガイモが煮えたので水を捨てて、もう少し鍋で水気を散らしてからボールに転がし、軽く崩してあら熱を取る。
 ここは他を待たせてポテサラに集中していいパートだ。一気に仕上げまで持っていこう。鶏肉はまだ漬けてていいし、餡はもう少し冷やしたいし。
 ほぐしたジャガイモに塩、胡椒して軽く混ぜ、マヨネーズ、タマネギ、キュウリ、ハムをぶち込んでさらにざっくり混ぜる。
 マヨネーズは少なめが好きだ。ねっとりとジャガイモを潰してマッシュポテト状にしたのも嫌いじゃないけど、大小入りまじった崩れジャガイモがゴロゴロしているやつが好きなので。

ポテサラ混ぜ

 胡椒が多めの方が、単体で楽しめる気がするので多めに。
 これでポテサラはほぼ完成。
 餃子の餡と交替して冷蔵庫に。

 餃子の皮は市販の物。これを手抜きと言われても困るけど。自分で皮を作ってたら、間違いなく全行程が遅れてあと一時間はかかるだろう。しかも、パラダイス山元さんお薦めのモランボンの餃子の皮だし。文句は言わせない。
 手早く包む。ひとつ分の皮でぴったり餡もなくなったのは、自分の目分量を褒めてやりたい。で、餃子は最後に焼いて焼きたてを食べたいから、ここまでで一時停止。

餃子準備

 急いだのでいつもより雑になった。ひだが三つしかないのが多い。

 ようやく唐揚げにかかる。
 とにかく油をたくさん使いたくない。だって、明日以降、べつに揚げ物しないし。油が勿体ないから。後片付けも面倒だ。昔はオイルポットに使用済み油をとって、何度か使っていたけど、あれは毎日揚げ物をする人が使うものだと思う。
 中華鍋に鶏肉の厚みの半分くらいの油を熱して、片栗粉をまぶした肉を入れていく。入れたら火を強めるけど油が少ないからすぐに熱くなるから、また弱める。両面がカラッとしたら、引きあげてしまう。

唐揚げ一度揚げ

 まだ中は完全に火が通ってないけど、余熱で調理。
 その時間を利用して、ボールや小皿を洗ったあと、ポテサラを盛りつけ。ぷよ姫というミニトマトを買っていたので、盛りつけた上に散らす。

 油は引かずにフライパンを熱し、弱火にして重ならないように唐揚げを並べて熱していく。適当なところでひっくり返して、表面がぱりぱりになって油が落ちたら引きあげておく。

 油が引かれた状態になったフライパンへ、餃子を並べて焼く。
 お湯を半分くらいの深さに入れて蓋をして……。
 待つ間に唐揚げを盛りつけて、他のものを片付けて……。
 皮が半透明になってふっくらしたら、余分な水は捨てて(今回はちょうどなくなってくれた)、油を軽くかけて皮がパリッとするまで蓋をとって焼いて……。

完成

 ご飯と味噌汁はなし。
 今日はこれを作るために時間を割いた。
 美味しいけど、絶対にひとつだけ作ったときの方が美味いと思う。
 あ、でも、餃子は適当に作った割りにはいつもと違う美味さがあった。

 三つ同時にできるけど、こんなことやってられない。
 どっちかとポテサラ――というのならまだ、日常的にありかもしれないが、その場合は絶対に、ジャガイモは切ってレンジで加熱するし、タマネギとキュウリも塩で水気を絞ったりしないだろうな。

完成時の流しの様子

 作るだけ作って、流しが散らかしっぱなしなんだろう……と思われるとなんか悔しいので、完成時の流しの様子。
 完全には片付けられなかった。
 左側には油の入った中華鍋がある。吸わせるテンプル(騎士団かっ)が一つあれば片付けられる量。
 あと、餃子は18個しか焼けなかったので、残りの7個は夜食に食べた。

 今日の夕食は実家で食べるが、冷凍餃子が出たらどうしよう。
 いやべつに食べるけども。

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