ポケモンGOをゲット

 およそ「流行」というもの背を向けて生きている私だが、ときどき、ネタとして流行りに乗っかりたくなるという困った癖がある。

 せっかく去年、新しめのスマートフォンに変えたことだし、どんなものか手を出してみるか~とポケモンGOをインストールしてみた。

 二ヶ月に一度、病院へ不摂生を怒られに行く身となってから、意識して歩くようにしていて距離がこれまでの3倍以上にはなっていることだし、多少は楽しめるのではないかという意図もあったが。

 それにしては、イングレスには乗っからなかった私だけども。
 なんかね。純粋に陣取りのためにウロウロするの、なんか抵抗あったんだよね。いや、「それだけじゃない!」って反論が来るのもわかるし、楽しんでる人に水を差す気もないんだけども。

 しかし、ポケモンだって一度もやったことないわけで、ポケモンもイングレスもやったことない私が手を出したらどんなもんかな? という興味があった……とも言える。

 今日は、病院へ行く日だったし(夜間診療を予約してて夕方に出かける)、インストールしてすぐの試しのモンスターを家で捕らえたあと、駅について、アプリを開いてみると……。

 駅前の銅像や、ボウリング屋の看板のピンなんかからアイテムをゲットできたりして「ああ、なるほど、こういうことか~」と思う。立ち止まってモンスターを捕らえ始めると、危険なのかもな……と思うが、発見したあとの捕獲作業はその場でやらなくてもいいようなので、安全な場所に移動して落ち着いてから捕まえればいいと気づく。続けるなら、これを癖にしてしまうといいだろう。

 べつにジムとやらで勢力争いをグイグイやろうという意志は今のところ微塵もないので(どうせ、そういうのはゴリゴリやっている人に蹂躙されるだけなんだろうし……)、身近なポイントを「へえ~」と楽しむツールというだけで充分かなって感じ。

 二駅先の病院の最寄り駅で降りて歩く。

 いつも通る商店街に二か所もアイテムのポイントがあったが、片方はリアルでは跡形も無くなっていて、なにやら虚しさを感じたり。

 と、少し脇にそれた路地にモンスターがいたので、ちょっと立ち寄ったら、何人かのお母さんと小学生たち(つまり数組の親子)が、そこにいた。
 数回やって要領を得ていた私がささっと捕まえて立ち去ろうとしていると、「あ、捕まえてる人がいるよ。やっぱりこの辺にいるんだよ!」と、子どもがお母さんのスマートフォンをのぞきこみながら言っていたので、「いますよ、その辺に」と指さして教えてあげて、顔を見合わせて笑ってしまった。
 さっそく、見知らぬ親子とそんなコミュニケーションをとるとはね。
 同じものに乗っかっている同士で、不意に垣根が取れる感じ……どこか、SNSの流行りはじめの頃の「知らない人にもどんどん話しかけよう」感に似ている。それをリアルで味わえる感じ……とでも言えば良いのだろうか。
 でも、よくよく考えると、価値観が多様化する前の「昨日のドリフ(じゃなくても、みんなが見てたテレビ番組)見た?」と話かけるぐらいの、昔の感覚とも似ている。

 なかなか面白いね。

 なるほど。

 もう少し、続けてみよう。

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