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夏至


前々からなんとなく夏至には納得がいかなかった。

夏至は、二十四節気の第10。北半球ではこの日が一年のうちで最も昼の時間が長い。

(出典:Wikipedia)

「夏に至る」と書く通り、この日を境に夏に向かうわけだけど、同時にこの日を境にしてだんだんと日が短くなっていく。


……だんだんと日が短くなっていく?? そんなばかな???

子どものころ、「夏は日が長いから」と、友達といつもより遅くまで遊んだ記憶。お風呂に入って夜ごはんを食べたあとも外が明るくて、得した気分になった記憶。

海に行き、退屈なお盆が過ぎ、宿題に追われ、夏をひとしきり堪能して、ようやく日が短くなっていくんじゃなかったのか。

夏を楽しんでいる最中から、いやそれどころか夏が始まる前からじわじわと日が短くなっていたなんて。

言い訳のように「夏は日が長いから」と繰り返した言葉はすっかり宙に浮いてしまった。

夏だ夏だと浮かれている私たちを横目に、夏はこっそりと、確実に昼の時間を削っていく。




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