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ペットボトル選びすら手堅い君

ホウセンカの花が咲いた。次男が学校で育てていた鉢を持ち帰ってきていたのだ。茎に寄り添うように、葉の根元に真っ白な花びらが幾重にも重なっている。知らなかった。そんなふうに咲くのか。「秋になると種子が弾け飛ぶ」だけだったホウセンカの情報が刷新された。

持ち帰った鉢に、次男は空のペットボトルをジョウロ代わりにしてせっせと毎日水を与えている。ペットボトルは使い込まれ、いつの間にかべっこりと凹んでいた。「別のペットボトルに替えたい」と言うので、それはそうだろうと、資源ごみで集めているからそこから適当なやつを選ぶといいよと伝える。

しばらくゴミ置き場でがさごそしていた次男が手にしたのは、トマトジュースが入っていた1.5Lのペットボトル。前のよりも大きくてたくさん水が入るし、頑丈そうだから選んだとのこと。なるほど、わたしだったら手を伸ばした先に掴んだものでよしとするだろうなとぼんやり思い、ペットボトル選びひとつとっても手堅く進めていく次男に感心し、尊敬の念すら覚える。

夏休みも中盤に差し掛かりつつあり、当初の心の余裕がなくなってきた様子の長男。「本当のお楽しみは10月の東京旅行だからね……………」と呟き、精神の平穏を保っているようだ。ただ、東京からの帰りの便を思うとすでに泣きそうだと打ち明けてくれた。実際、6歳のときに東京へ家族旅行に行った帰り、彼は手荷物検査場を抜けたところで帰りたくないと大泣きしたという実績がある。今回の東京旅行は夫と長男のふたり旅。夫よ、頼んだ。


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