【どこにでもある風景・8】西独・秤の墓場
ひとり歩いていると頭の中にあるサーチライトが勝手に発動し、片隅に追いやられていたぐしゃぐしゃとした感情のかたまりを見つけ出す。
それをひとつずつなぞりながら、ほどきながら、言葉にしていく作業が好きだ。必ずしも「言語化できてすっきりした」といった類のものばかりではなく、思わぬ痛みを引き連れてくることもむしろ多いのだけれど。
言葉にすることが最善のソリューションだとは思っていない。それでも順不同に羅列されているだけの感情に筋道を立ててやり、順序よく並べ、意味を与えることで、そ