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あなたと共に呼ぶための名前

ここ片淵の山の上では、華昇さんが植えたものがよく育ちます。まるで動物園にいた動物たちが、さあ好きなとこへ行きなさい!と解き放たれたかのよう。ぐんぐん上へと伸び、葉を茂らせ、実をつけ、こぼれた種はあちこちに散らばり、そしてまた小さな芽を出します。

散歩をしていると、知らない花々や鳥を目にします。そういうの詳しい人って憧れますよね。私はあまり知らないので、華昇さんによく訊くのですが、それって自分一人だったら必要ないことなんだなあと思ったんです。

かわいらしい花を見て、美しい鳥に出会って、それを教えたい誰かがいるときに言うんでしょうね。
「1つだけハイビスカスが咲いていたよ」って。


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