見出し画像

コロナ禍でお盆は“オンライン法要”に 墓参り自粛で生花店は経営悪化も

新型コロナの感染拡大で3密回避や自治体によっては帰省自粛が求められる中、今年のお盆に異変が起きている。法要・法事のキャンセルが相次いだりオンライン化されたり。コロナ禍のお盆を考える。

○3密回避で葬儀は簡素化
今や葬儀は簡素化せざるを得ない状況になっている。通夜や告別式は故人を偲ぶために密閉された空間に人が集まる。特にこうした場には重症化のリスクのある高齢者が多く集まる。個人の思い出を語るため接触する時間も長くなる。実際、今年3月に愛媛県松山市の葬儀でクラスター感染が発生した。

○お盆の法事にキャンセルが相次ぐ
今年のお盆は故人や先祖供養の法事や法要が取りやめになるケースが増えている。(ちなみに一般的に「法事」と呼んでいるが、僧侶にお経をあげてもらう供養が「法要」で、その後の会食まで含むものを「法事」というらしい)これらも3密になるために取りやめてしまうか、家族だけで簡素に済ませる方法を選ぶ人たちも多い。法要のキャンセルで寺の住職たちの収入は減っている。檀家を持っていない言わばフリーランスの住職も多く、そうした人たちは収入が激減しているという。

○オンライン化される墓参りや法要
コロナの中、外出自粛でお墓参りに行く人も減っている。一方でウィズコロナの時代に合わせて登場したのがオンラインによる墓参りや法要だ。地方に行けないために墓参りは代行業者に依頼してタブレットに映し出されるお墓に手を合わせる。法要の場合もオンラインで僧侶にお経をあげてもらう。しかしリアルで人が集まり顔を合わせて故人を偲ぶことには意味がある。思い出を共有することで前向きな気持ちに切り替える“グリーフケア”の場でもあるからだ。オンラインだと形式的になってしまい、こうした目的が果たせるのかどうか疑問もある。

〇イベント自粛で収入減の生花店には追い打ち
お墓参りに行く人や法要が減っていることで打撃を受けているのが生花店だ。神奈川県内で生花店を経営する私の幼馴染みの男性は「コロナで卒業式や入学式、結婚式などイベントがなくなり収入が3割は減った。さらに墓参りでの生花の需要も減っている」と話す。3割減というのが中途半端だという。5割減なら持続化給付金100万円を申請できた。そう考える5割以上減という線引きには疑問を感じずにはいられない。男性は「このままだと次に同窓会で顔を合わせる時には店を閉めているかもしれない」と嘆く。コロナ禍はお盆にも異変を起こしている。  

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?