忘備録>昇温脱離分析(TDS)によるシリコンウェーハ表面の有機物汚染評価:詳細と企業例
昇温脱離分析(TDS)によるシリコンウェーハ表面の有機物汚染評価:詳細と企業例
1. 昇温脱離ガス分析法(TD-GC/MS)
原理:
シリコンウェーハを徐々に加熱することで、表面に付着した有機物汚染物質が脱離します。
脱離したガス成分は、ガスクロマトグラフ(GC)によって分離され、質量分析計(MS)によって検出・同定されます。
得られたマススペクトルから、有機物汚染物質の種類や量を特定し、定量化します。
利点:
高感度・高精度: ppbレベルの微量な有機物汚染物質も検出可能です。
多成分同時分析: 複数の有機物汚染物質を同時に分析できます。
定性・定量分析: 汚染物質の種類を特定し、その量を定量化できます。
汚染物質の構造解析: マススペクトルから汚染物質の構造に関する情報を得ることができます。
企業例:
株式会社島津製作所: 高性能なTD-GC/MS装置を提供しており、半導体業界での豊富な実績があります。
アジレント・テクノロジー株式会社: 様々な分析装置を提供しており、TD-GC/MS装置もその一つです。半導体分野での分析ソリューションにも強みを持っています。
サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社: 幅広い分析装置を提供しており、TD-GC/MS装置もその一つです。
電子科学株式会社: 国内の分析装置メーカーで、高感度なTD-GC/MS装置を提供しています。半導体業界での実績も持っています。
2.時間飛行型二次イオン質量分析法(TOF-SIMS)
原理:
イオンビームを試料表面に照射し、スパッタリングによって放出される二次イオンを検出・分析します。
二次イオンの飛行時間を測定することで、質量電荷比を算出し、元素や分子を特定します。
得られた二次イオンイメージから、有機物汚染物質の分布状態を可視化できます。
利点:
高空間分解能: 数十ナノメートルレベルの微小領域の分析が可能です。
表面分析: 表面数原子層の分析に特化しており、表面汚染の評価に適しています。
イメージング分析: 汚染物質の分布状態を可視化できます。
多元素同時分析: 複数の元素や分子を同時に分析できます。
企業例:
株式会社アルバック: TOF-SIMS装置の国内大手メーカーであり、半導体業界での導入実績も豊富です。
ION-TOF GmbH: ドイツのTOF-SIMS装置メーカーで、高性能な装置を提供しています。
3. その他の分析方法
飛行時間型二次イオン質量分析法(TOF-SIMS): 高感度で表面分析が可能であり、有機物汚染の評価に利用されます。
X線光電子分光法(XPS): 表面数ナノメートルの元素組成や化学状態を分析でき、有機物汚染の種類を特定するのに役立ちます。
接触角測定: 表面自由エネルギーを評価することで、表面の清浄度を間接的に評価できます。
4. 企業例(装置メーカー以外)
SCREENホールディングス株式会社: 半導体製造装置大手であり、ウェーハ洗浄装置や検査装置の開発・製造を行っています。ウェーハ表面の有機物汚染評価に関する技術にも強みを持っています。
東京エレクトロン株式会社: 半導体製造装置大手であり、ウェーハ洗浄装置や検査装置の開発・製造を行っています。ウェーハ表面の有機物汚染評価に関する技術にも強みを持っています。
電子科学株式会社: 分析装置メーカーとして、半導体業界向けの分析ソリューションを提供しています。ウェーハ表面の有機物汚染評価に関する技術やノウハウも保有しています。
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