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体調不良の原因を探して最後は寒川神社にまで行った話ーその1 家の中でめまいが…

3月の頭に、引っ越しをした。

長いこと懸案にしていた、パートナーさんとの同居。旧居では息子がテレワークをしているので、すべてを引き払うことはせず、生活の半分を移築した。家探しから2軒分の引っ越しの準備、引越し先での新生活の采配などで、年明けからは本当に忙しかったけれど、新居は東京の中でも本当に大好きな場所だったし、新しい暮らしはやっぱりワクワクする。

インテリアを考えたり、近所のいい感じのお店を探したり。

楽しくて仕方がなかった。

コロナでこんなご時世で、旅にも出れず、海外での展示の見通しも立たないけれど、自分の足元のちょっとした半径の中にしあわせを探そう。そんな希望に満ちた、今年の幕開けだった。

はずだった。



引っ越しをして、1週間ぐらいたったころ。

部屋の片付けをしていたら、足元がぐらりと揺れた。

あれ? どうしたんだろうと思っているうちに、みぞおちのあたりが重くなり、吐き気が襲ってきてからっぽのゲップが止まらなくなった。

それから、何をする気力も起きなくなり、ずっと酸欠のような状態で、窓を空けて首から先を外に出して、水槽の中の魚のようにパクパクと外の空気を吸っていた。頭が締め付けられるように重く、それはやがて鈍痛のような痛みに変わっていった。


大好きな土地で、すごく気に入った物件をみつけて、ほくほくと毎日楽しく過ごすつもりだったのに、家にいると吐き気と頭痛と、スーッとどこかに連れていかれそうな感覚で目がまわって足元がふらつく。

これまで、疲れとかストレスで体調が悪くなることはあった。でも、こんな症状は生まれて初めての体験で、日を追うごとに不安は募った。
いったい自分に何が起きているのか、ぜんぜんわからないまま、とにかく家にいる間は具合が悪かった。

うえーん、なにこれ。つらたん。


それで、近所の喫茶店に避難したりすると、症状は和らぐ。

何より、息子のいる旧居に戻ると体調が復活して、元気になるんだった。

この「家を離れると元気になる」ことがなければ、これから書くようなことは、考えなかったように思う。


ほんとにね。

人って、体調やメンタルが落ちると本当に迷走するというか。

振り返ると自分でも面白く興味深かったので、覚書として書いておくことにしました。書いたら長くなりそうなので、何回かに分けます。


一回目は「シックハウスしょうこうぐんー」(ドラえもんの口調で書いてみた>意味不明)

まず考えたのは、これはシックハウス症候群ではないのか、ということ。

フルリノベーションされた室内は、おしゃれでとても気に入っていたけれど、家にいる間だけ具合が悪いというのは、この家に原因があるのでは。私の家は珪藻土やコルク、パートナーの旧居も無垢材のエコ仕様で、ビニールの壁紙やフローリングの家に長いこと住んだことがないことに気づいた。

私が「めまいがして何もする気がおきない〜」とソファに倒れ込んでいた時、相方さんもどよよーんとしておった。二人とも具合が悪いのは、きっとそうに違いない。

そう考えた私は、片端から検索をして情報を集めているうちに、「居住する自治体がシックハウスの検査を無料で行ってくれる場合もある」という一文を発見。

そもそも、シックハウスの検査は民間に依頼すると激しく高い。自分で計測できる計器も高い。しかも、検出できるのはほんの少しの物質のみで、多方面に渡る検査をするための計器は、もう一般個人の域を軽く超えた価格だった。そんなことも今回はじめて知った。

自治体が無料で調べてくれるかも?! さっそく居住する区のサイトを見たら、階層の深い場所に、小さく1行「シックハウスをはじめとする住宅環境の計測を行います」とあるのを発見! 記載されていた問い合わせの番号に電話をかけてみることにした。

窓口の人はとても親切で、じっくり話を聞いてくれた。行政の窓口でけんもほろろな扱いをされたことが何度かあったので、あまりの親切さにびっくり。
なんかもう、それだけでも救われたような気持ちになった。

体調が悪いことを相方さんには話していたけれど、あまり主張したら相手は心配する。さらに、時間もお金もかけて引っ越した家が悪いと思うのは、暮らしのQOLも下げてしまう。暗い気を持ち込んだら、さらに具合が悪くなるような気がして、なるべく気丈に振る舞っていたんだった。

だから、利害関係がない場所で、ちゃんと話を聞いてくれた窓口の人に、私は救われたんだと思う。辛いときはもう、つかめる藁はどんどんつかんで、相談しちゃっていいんだな。やっぱ、抱え込んじゃダメだ。

結果としては、区役所には必要最低限のホルムアルデヒトを測る機械しかないのだけれど、それでもよければ計測に行くよ、とのことだった。ただ、それは本当にシンプルで基本的な機械なので、詳細は測れない。本当の原因が知りたければ、やはり専門機関にお金を払って依頼するしかないよ、と。

それでもいいです、お願いします、と私は答えた。

何でもいい、ダメ元でも「なにか解決策を探している」という実感がほしかった。

「わかりました、日程を調整して、週明けにまた連絡しますね」

話を丁寧に聞いてくださって、本当にありがとうございます

と、私はお礼を言って電話を切った。

世の中捨てたもんじゃない。行政ってもっとドライなものだと思っていたけど、無性にありがたいものだと思えた日だった。

さて、翌週に再び区役所から電話があって、事態は思いがけない方向へ。

その後どうなったのかは、また次回(いつになるのかは不明>笑)へ続く。

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