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歴史番組感想【古代史ミステリー 第2集 ヤマト王権 空白の世紀】

 NHKスペシャル古代史ミステリーの第2集です。
今回の話は、中国の書物に記された5世紀の倭の五王についてです。
倭の五王とは「讃・珍・済・興・武」の五人の王のことです。
武が雄略天皇だと聞いたことがありますね。

 古墳(どこの古墳か忘れました)の発掘調査で、「だ龍鏡」や「蛇行剣」といったすごいものが出土しました。
蛇行剣はかな~り長くて、古代東アジアで最大のものだそう、すご!
しかも、X線撮影の結果、一本の剣でできているとのこと。

 これらのものが発掘された時期は、空白の4世紀にかけて。
この時代、「ヤマト王権」では、鉄器の技術革新が起きていた。
ヤマト王権は鉄を加工する技術を使って、剣や甲冑、農耕機具など様々なものを作っていた。
この鉄こそが、ヤマト王権の権力基盤となっていた。
やがて、生まれてきたのが巨大な前方後円墳だった。
ヤマト王権は、鉄を加工する技術に長けていたんですね。

 韓国で、日本と同じ形の前方後円墳がいくつか発見された。
当初は、朝鮮から日本に伝わったという説が立った。勝手にそんな説立てるな!
しかし、韓国の古墳からは、倭の王が身につけていたものとそっくりの装飾品が出土した。
倭人の墓だと思うしかないそうです。
当時、ヤマト王権は朝鮮半島に進出して拠点を作っていた。

 鉄資源は、当時の日本からは産出しなかったため、朝鮮半島からの輸入に頼っていた。
しかし、「高句麗」が領土を広げだし、南方の百済を圧迫し始めた。
このままでは、鉄資源の確保が危うくなる、と思った、倭王「讃」(応神天皇とされる)は半島に兵を送って高句麗の「広開土王」に戦いを挑む。
結果は、当時最新の軍事兵器だった「馬」を繰り出した高句麗に敗北。
当時、馬が最新の兵器で、日本には馬がいなかったんですね。

 それから、70年あまり、倭王「武」(雄略天皇とされる)は、このままでは鉄資源が確保できなくなり、ヤマト王権の存続に関わると危機感を抱きます。
そこで、卑弥呼の先例にならって、当時強国だった「宋」に使者を派遣します。
交渉の結果、宋から「安東将軍倭国王」の称号と、朝鮮半島南部の軍事権を与えられます。
すごいな、卑弥呼同様外交上手な武、外交に活路を求めましたか。

 宋に後ろ盾になってもらうことに成功した武
さらに、百済から「馬」を輸入することに成功、倭国で繁殖させて軍事利用します。
そして、再度高句麗に戦いを挑みます。「日本書紀」によれば、この時倭国は高句麗を破ったそうです。やったぜ!

 これら、一連の外交や馬の輸入は、渡来人のブレーン「司馬曹達」という人物の助言で行なわれたことだそう。
当時からすでに渡来人のブレーンがいたんだ、有効活用していた、と。

 無事、鉄資源を確保することができたヤマト王権は安定していくのでした。
やがて、「欽明天皇」のころ、百済の「聖明王」から倭国に仏教がもたらされた。
欽明天応は仏教を受け入れ、各地に寺院が建てられていった。
寺院が建てられるにつれ、古墳は姿を消していったという。
なるほど、こうして古墳から寺院に変わっていくんですね。
仏教受け入れには蘇我氏と物部氏の争いがあったりしてゴタゴタがあるわけですが。

 こうして、今の日本へとつながっていく。
これが日本のルーツだそうです。
空白の4世紀はまだわかっていないことが多いですから、今後の古墳の調査が待たれますね。

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