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006 TOMITA

・メーカー名:株式会社 トミタ
・訪問月:2020年02月
・所在地:東京都中央区京橋2-2-1
・URL:https://www.tominet.co.jp/

「TOMITA」は、高級住宅やホテルなど、いわゆる「ラグジュアリー」感が必要とされる物件のみかたな高級壁紙を取扱うメーカーさんです。創業は1923年と古く、なんともうすぐ「100周年!」だそうです。

ショールームは、地下鉄東京メトロ銀座線「京橋駅」に直結する、2016年に開業した再開発ビル「京橋エドグラン」の1階。近年の再開発らしい、駅と直結+足元の豊富なパブリックスペースで、「豊かな都会」らしい雰囲気に包まれています。

ちょっと話が横道にそれますが、この、いかにも「大規模再開発」な雰囲気に対する好き嫌いは結構分かれるところだと思います。
私自身は、もう少し手作り感というか、ヒューマンな感じが強い場所が好きなのですが、近年の再開発が積極的に計画に取りいれている、豊富なパブリックスペースと使いこなしが表出する風景は、アリだとは思っています。

トミタさんのショールームは2層の構成で、壁紙はもちろん、ファブリックや家具、建築副資材も展示しています。

世界中からここのショールームに集まってきているクロス達は、どれも「雅」な感じで、なんかもう、クロスの常識が音を立てて崩れるような感覚の連続でした。

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誤解を恐れずに言うと、私も含め、いわゆる建築設計者には「クロス」嫌いな人は多いのではないかと思います。
でもそれって(設計者によりますが)、よくよく考えると「ビニルクロス」のことで、紙クロスや布クロスはOKだったりするし、ペン下クロスなんかは、個人的には大好きだったりします。

トミタさんは、紙クロスや布クロスはもちろん、そんな嫌われ者?のビニルクロスも「これなら使っても良いのではないだろうか」と思うような、素敵な製品を多数取り扱っていて、勤め時代に検討した時から「一度、大判でクロスのサンプルを確認したい!」と思っていたことと、そもそも上記のような「クロス」に対する気持ちについて、ちょっと考えてみたいという思いでお伺いしました。

素材感好きの川澄としては、やはり、繊維が入ったクロスや箔素材のものにより惹かれるのですが、その前の話として、「クロス」と呼ばれる素材の良否考える時には(当たり前といえば当たり前ですが)そのペラペラ感とか、薄さが醸し出す軽さであったりとかが活かされているか否かと言うことも、ひとつの判断基準になるのではないだろうかと感じました。


ところで、新建材と呼ばれる「素材」のことを考える時にいつも思い出すのが、むかし、大先輩の設計者がしてくれた「擬石」と「擬木」のはなし。内容は以下のような感じ。

新建材とは、本来、自然素材である何かを「建材として使いやすい」よう、
あるいは「安価な大量生産品」として開発した偽物である(ここでいう擬石の代表格は人工大理石や人造大理石で、擬木の代表格は木調の化粧板やシートでしょうか)。
しかし「擬石」は、コーリアンやテラゾーなど、元々「大理石」や「御影石」の偽物で代替品だった彼らが(もちろん、今でもその役割として使われてもいますが)いつしか、本物を超える表現を可能とし、独自の価値を獲得したといえる。故に、設計者やデザイナーから愛されるに至っている。
いっぽう、「擬木」については、依然、天然木の代替え品以上の価値を獲得しておらず、メンテナンス性や価格が理由で採用される為、選定する際に後ろめたさを感じる。


この話には大いに共感しているし、今でも、いわゆる「新建材」を選定するか否かのガイドにしていたりします。

上記に照らし合わせると、クロスは、元々は紙や布でそれを「建材として使いやすい」よう強化した製品ということになるのではないかと思います。

・・・とすると、「紙や布を超えた新しい価値観を提示できているかどうか」が、クロスの判断基準になるのですが、本日、ショールーム見学をした感想として、昨今の設計者及び製造者責任の拡大に伴い、「元々の素材感を損なうことなく(あるいは出来る限り生かしながら)、建材として使用可能となるよう調整した」素材というのも多いように感じました。

このあたりを、頭の片隅に置きながら、いろんな素材と向き合えるようになるべく、もう少しショールーム巡りを続けてみようと思います。

今回も、とってもとっても充実したショールーム見学は、やはり、いろいろご説明いただけたことによるところが大きく、トミタさんの世界観も含め、堪能させていただきました。ありがとうございました。


余談ですが、トミタさんが取り扱っている「PIERRE FREY」というフランスのメーカーのファブリックが、もう、本当に胸キュン級に素敵です。

ラグジュアリーなんだけれど、それ以上にフランスらしいチャーミングさが滲み出ていて、とっても愛らしいのです。この「攻めてるのに可愛い感」は、フランス車と共通する感じというのが分かりやすいでしょうか。

クロスはもちろん、ファブリックも併せて提案出来る機会が今から楽しみです!



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川澄一代建築設計事務所を主宰しています。 半分仕事で半分趣味くらいの位置づけでの「ショールーム巡り」の備忘録です。オリジナル製品のお店もたくさん行きたいし書きたいのですが、まずは一般的にメーカーと呼ばれているところを中心に訪問しようと考えています。https://kiao.jp/
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