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マテリアルとインタラクションをやっている研究者が本当にすごいと思う海外の研究グループ5選

今日は、少し趣を変えて完全に一個人としてここの研究凄いな・・・と普段から思っている研究室(海外)を紹介したいと思います。

私の専門分野がいわゆるゲテモノ(有機やソフトマター)を用いたデバイス設計とプロセス技術(特にアクチュエータ)や、それらを活用したインタラクションデザインなのでその視点からの紹介となります。

同じ分野の人にとっては知っているよとなるでしょうし、あそこ入れないの?とか色々とつっこみはあると思いますが完全に趣味ですのでコンテンツとして楽しんでいただければと思います。

(そしてあわよくば他の分野の研究者の方にも同じようなエントリーを描いていただけるとありがたかったり・・・・)

本当は10選くらいにしようと思っていたのですが、力尽きて5選にしました...

1. Whitesides Research Group

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(Wyss Institute のHPより引用)

Harvard University かの有名なProf. G.M. Whitesidesの研究室です。Whitesides氏は存命の化学者の中でももっとも高いH指数を持っていることでも有名ですね。

学部生の頃から憧れの研究室、、、 Nature, Science, JACS,...etc.の常連

SAM, MagRev, SoftRobot, Ionic Conductor, Paper Fluidics, Molecular Electronics, MESA... etc. と普段から触れている技術もここから多くの成果が出ていたり、ときには発祥だったりで驚かされます。

友人が留学してましたがラボの運営スタイルもシステマティックで興味深かったです。

2. Future Interfaces Group

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Carnegie Mellon University Prof. Chris Harrisonの率いる、様々な技術を活用して次世代のインタフェースを提案しているグループ。

メーカーにいたときに”またこの人たちか!”

とよく思っていました。

カメラ、インピーダンス分析、人体の伝達関数、、、、etc. あらゆる物理現象やデバイス・マテリアルをハックして入力手法を提案されております。

未来のインタフェース技術はここにあるのかも・・・

先日紹介した記事はChris先生の論考です。


3 LMTS: Soft Transducers Lab

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(LMTS Webサイトより引用)

EPFL(スイス連邦工科大学ローザンヌ校)のProf. Shea Harvard らのグループです。いわゆるトランスデューサやインタフェースなどを非常に高い精度で作り、NatureやAdvanced Materialsのような学術雑誌とUISTやCHIといったHCI系の国際会議でも発表されています。

最近ではNatureに伸縮するポンプを掲載して話題になりました。クリーンルームなどでソフトデバイスを作り、専用の回路を起こしたりとサイエンスとエンジニアリングを非常に高いレベルで両立されながらデザインもできるというカバー領域の広さにもいつも驚かされます。

4. Lewis Lab

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Harvard UniversityのProf. Jennifer A. Lewis氏のラボです。柔らかな機能性の材料の3Dプリントや構造の工夫、光学材料、バイオプリンティング、ティシューエンジニアリングと世の中を驚かせるような様々な材料、構造の組み合わせを提案されています。

私の知る限り2000年代から機能性材料の3Dプリントを行なっており、現在ほど領域が盛り上がる前からノウハウを蓄積し続けていそうです。

Octobotや最近発表されたVoxelated Soft Matterも衝撃的でした。

5. Alan G. MacDiamid NanoTech Institute

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The University of Texas at DallasのProf. Ray Baughmanが率いるグループです。2001 年に設立されて、10000を超えるCitationと16のNature, Scienceの成果をあげています。

Carbon Nanotubeのスーパーキャパシタ、エナジーハーベスティング、人工筋肉、ナノ材料のバンドエンジニアリング, ... etc.といったトピックを扱っています。

個人的には2014年のScienceに掲載された釣り糸人工筋肉の記事が衝撃的でした。子供のおこずかいでも買えるような材料でSCIENCE載るんだと衝撃を受けました。このグループは2012年にCarbon nanotube aerogel muscleで同じくScienceに出版しているのですが、深く技術を掘り下げた結果、逆にローテクの中から技術を見出したというのはとても興味深いです。


ということで5つの研究グループを紹介しました。いずれも業績がすごいのはもちろんなのですが、そのオリジナリティや異なる形や分野で成果を出されている部分に注目してキュレーションしてみました。 



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