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2019年夏カザフスタン・キルギス旅行~アルマトイからビシュケクへ~

〇アルマトイからビシュケクへ~乗り合いタクシーのようなもの~

 翌朝、キルギスのビシュケク行きの乗り合いタクシーのようなものに乗るため、市の西方にあるサイランバスターミナルへと歩いて行った。途中の道路は交通量が多く、行き交う人も多かった。アスファルト舗装されていないところも多く、乾燥しているので少し埃っぽい。

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※サイランバスターミナル


 建物に入ると薄暗くて涼しい。チケットは、ビシュケク行のは正面に向かって一番右のブースで買えたと記憶している。建物内にはキャッシングの可能なATM、両替屋がある。余ったテンゲを米ドルに両替しようと両替屋に行った。不愛想なばあさんがやっていたが、米ドルの札はあまり種類がなく、非常に面倒くさそうに計算などしている。融通が利かないうえ、レートもよくないだろう。テンゲに両替しすぎたことを後悔した。


 ビシュケク行きの車両は、ベンツの10人くらい乗れる中型バンであった。現地人らしき人、欧米人バックパッカーグループ、そして日本人が私含め3人(後で知った)いた。一人はY大の大学院生で、快活な若者であった。就職が決まり、論文など忙しくなる前に旅行に出たそうだ。もう一人は旅行好きの社会人で、肌が浅黒く小柄で如何にも旅好きな人という印象を受けた。彼は南米が好きらしい。


 バスは、くすんだ色をした植物がところどころに生える、荒涼とした茶色い大地を伸びる道路をかっ飛ばしていく。丘のような起伏のある見通しの良い地であるが、遠くには岩や土の色の山々が見え、「中央アジアっぽい」風景で、なかなか壮観である。初めて見る風景に飽きない。

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※車窓


 一度サービスエリアのようなところで休憩を挟み、2~3時間走ったころだろうか、カザフとキルギスの国境についた。車が行列を作っている。運転手以外は全員降りて徒歩で検問所へ向かう。荷物検査などはなく、簡単な質問のみでパスポートにハンコを押してもらった。なんと緩いことか。カザフとキルギス間ではどんな薬でも爆弾でも自由に行き来させることができる。


 検問所を抜け、完全にキルギスの領土へ入った。車はとうに見失っているし、どうしたらいいのだろう?と思いながら先へ歩いていると、同じようにバスで来た人々が溜まって待っている場所があった。そこで待っていると、しばらくしてから我らがバスがやってきて、みんな元の席に乗り込んだ。
それから1時間ほどしてビシュケク市街へ入り、ビシュケクの西バスターミナルに着いた。2人の日本人と旅の安全を祈り、別れを告げた。両替屋がいくつかあり、その一つで米ドルをソムに換えた。

〇ビシュケク市内


 午後になっていたので、市街地をブラブラしながら街中のホステルに向かい、その日は早めに休むことにした。なぜなら、翌日のアラ・アルチャの1日トレッキングに申し込んでいたからだ。アルマトイのホテルでビシュケクでやることを考えている時、キルギスと言えばやはり山だということで、急遽ツアーに申し込んだのである(詳細は後の記事にて。素晴らしかった。)。一人で申し込むといい値段がする。滞在費は2万円の予算であったが、少し足りない計算になる。足りない分はキャッシングで賄うこととした。

〇ショロ?ジャルマ?


 さて、バス停から街中へ向かっていると、なにやら小さな露店が100mおきと言っても過言ではないほどに存在している。驚くべき高密度である。秋田県のババヘラアイスとそっくりな露店だが、密度はババヘラの数倍はありそうだ。暑い中ババヘラを思い出した私は、きっと夏限定の何か涼しげな飲み物など売っているのだろうと思い、とりあえず購入してみた。すると、紙コップに白っぽい液体に茶色のものが混ざっている飲み物が出てきた。飲んでみると独特な味で、少し発酵風味が感ぜられる。どうやら「ショロ」とか「ジャルマ」とか言われる、穀物を発酵させた夏限定の人気の飲み物だそうだ。「ショロ」と「ジャルマ」で何が違うのか聞いてみたが、「ショロ like ジャルマ、ジャルマ like ショロ」だそうだ。結局よくわからないでいる。味は、私は好きだが、たくさんごくごく飲めるようなものでもなく、好き嫌いは分かれそうだ。

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※今回とは別所で買ってみた「ジャルマ」

〇夕食


 宿にチェックインした後、キャッシングにより気が大きくなった私は、すぐ近くのレストラン「NAVAT」で夕飯を食べることにした。店内も外のテラス席もお客さんでにぎわっている。店のテーブルやいすは豪勢で、この地域独特のデザインのクッションが置いてある。特に椅子は背もたれが巨大で、大変居心地がいい。かわいい女性店員さんはみな民族衣装を着ており、ロシア語のわからない謎の日本人に対して熱心にメニューの説明をしてくれた。

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※店内の席、カバーを被ったティーポット


 私は「ショルポ」と呼ばれる羊のスープ、「ソミャン」と呼ばれる平たく短い炒め麺、「ボールソック」と呼ばれる小さな揚げパン(店員さんオススメ)と、紅茶を注文した。安さに目がくらんでたくさん頼んでしまった。
 すぐに、独特の味のする白い食前の飲み物と紅茶が出てくる。紅茶は冷めぬようポットに布がかぶせてある。この紅茶があると、居心地よい店でついつい長居をしてしまいそうだ。

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※食前に飲む白い飲み物


 「ショルポ」はシンプルな味付けだが骨付き羊肉がよく煮込まれており、大変おいしい。「ソミャン」は中華風の味付けだったように記憶している。やさしめの味だがスパイスも主張していてあっという間に食べ終わってしまった。「ボールソック」は揚げたてがでてきて、サワークリームをつけて食べるのだがこれもおいしい。

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※注文した食べ物たち

〇宿にて


 心も腹も満たされ、宿に戻って早寝しようとするが、同室の欧米人のいびきが驚異的な爆音でなかなか眠れない。2段ベッドをゆすろうがお構いなしにガーゴー言っている。これには参り、夜中に外に出てタバコを吸うなどして心を落ち着けていた。宿の前には、昼間は呑気に歩いたりだらしなく寝そべっていた野犬たちが、せわしくうろうろと動き回っていた。

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※宿の前の昼間の野犬 

 結局寝付いたのは3時ころだったろうか。

 翌朝からはアラ・アルチャ国立公園トレッキングだ!

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