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#263 薬の伝道師~②fezolinetant

おはようございます!あっという間の金曜日ですが、皆さん、いかがお過ごしでしょうか?昨日は、会社のオフサイトミーティングで時間がとれなかったもので、更新できずでした。チームビルディングではなんと人生初の生け花を体験しました。なかなか奥が深い世界で個人的にはとっても楽しかったです。夏のような暑い中、都内に出かけたのですが、とってもいい経験になりました。たまには全くこれまでに経験のないことをしてみるのもいいですね。さてさて本日は「薬の伝道師~②fezolinetant」です。

Fezolinetantとは?VMS?

前回に引き続きアステラス関連の新薬ですが、このfezolinetantは婦人科系の治療薬で、そのMoAはNK3受容体拮抗薬です。閉経前は、エストロゲン(卵巣から分泌されるホルモン)と脳内物質のニューロキニンB(NKB)がバランスをとり、脳の体温調節中枢を制御しています。閉経期になると、エストロゲンが減少し、このバランスが崩れることで、ホットフラッシュや寝汗を特徴とするVMSを引き起こします。VMSは、閉経に伴う症状の中で、女性の治療ニーズが最も高いものです。米国では、閉経への移行中または移行後に女性の約60%~80%がこれらの症状を経験しています。VMSは、女性の日常生活と全般的なQOLに対し、大きな影響を与える可能性があります。ということで、結構、ニーズが高そうな疾患に対するファーストインクラスの薬剤になりそうです。

臨床試験の結果

VMSを有する女性3,000人以上を対象に、米国、カナダおよび欧州で行った第III相BRIGHT SKYTMプログラムの試験結果に基づいています。主要評価項目はVMS頻度と重症度のベースラインからの変化量となっていますが、12週時点でプラセボでは頻度が30%くらい減少しているのに対して、実薬群で60%くらいは減少していますね。かなり効いている印象です。重症度スコアも明らかにプラセボよりも実薬で低くなっているので、こちらもいい結果だなと思います。安全性プロファイルも52週までではかなりきれいかなと思いました。ただ残念なのが日本が入っていないところですね。この手の疾患の場合、日本だと適応がとれないって場合もありますし、ちょっと背景は分らないのですが、日本でも一定数患者さんはいると思うので、ドラッグロスにならないといいなと思った次第です。

まとめ

いかがでしたでしょうか?色々とプロジェクトによって事情はあると思いますが、日本で開発されていない薬剤が日本のメーカーでも出てきていますよね。先ほども少し取り上げたように閉経後のほてりを日本では疾患として診断できないとか、事情はありそうなものの患者さんに薬が届かないということは残念ではありますね。今後、海外で実臨床で使われた使用実績等が報告されて、日本でもという話になるといいなと思った次第です。今後も色々な新薬を週1回は紹介できるようにしていきたいなと思います。ではでは、また来週!

https://www.astellas.com/jp/news/27756


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